肉類の中でも安価で使い勝手のいい「鶏肉」。低カロリー高たんぱくな胸肉やささみ肉は筋トレやダイエット中の食事などにもおすすめです。
また、鶏もも肉はシンプルにステーキにしてもよし、煮込み料理や炒め物など幅広いジャンルで活躍してくれます。食卓に登ることも多い鶏肉ですが、どのような栄養や効果が期待できるのでしょうか。
今回はもも肉・胸肉・ささみ肉などの部位ごとに含まれる栄養量や期待できる嬉しい効果効能をご紹介したいと思います。
豊富なたんぱく質に注目!
鶏肉に含まれる栄養の中でも特に注目すべき栄養素が「たんぱく質」です。
ご存知の方も多いかと思いますが、たんぱく質は皮膚や筋肉、爪や髪など身体のあらゆる組織を産生するのに欠かせません。これら以外にも酵素やホルモン、免疫力を高める抗体を生成する役割も持っています。健康を維持するうえで、毎日欠かさず摂取したい栄養素です。
また、たんぱく質を構成するアミノ酸の中には体内では作られない「必須アミノ酸」が含まれており、鶏肉にはこの必須アミノ酸がバランスよく含まれています。
必須アミノ酸とは?
鶏肉や豚肉、牛肉などは、20種類にも及ぶアミノ酸から成るたんぱく質を豊富に含んでいます。このうち体内では生成することができない9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます。
アミノ酸のバランスが整った食品のことを「良質たんぱく質」と呼び、その代表的な食材がお肉や魚類などの動物性たんぱく質です。大豆などから摂れる植物性たんぱく質のほうが健康にいいといわれますが、必須アミノ酸のバランス「アミノ酸スコア」という点では、動物性たんぱく質のほうが優れています。
参照:AJINOMOTO
また、鶏肉にはビタミンAやビタミンB、ビタミンKなど数種類のビタミンも含まれています。ビタミンはアミノ酸の働きをサポートする効果があるので、アミノ酸の効果もより期待できます。
部位ごとに見る!鶏肉に含まれる主な栄養素
先ほど、鶏肉にはたんぱく質が豊富とお伝えしましたが、当然部位ごとに含まれる栄養素量は異なります。部位ごとに分けて細かく見ていきましょう。
100gあたりの栄養素 | 手羽 | 胸肉(皮なし) | もも肉(皮なし) | ささみ | 皮(もも肉部分) |
エネルギー(kcal) | 261 | 136 | 181 | 106 | 497 |
たんぱく質(g) | 17.8 | 22.8 | 18.3 | 24.1 | 10.4 |
脂質(g) | 19.8 | 4.2 | 11.0 | 0.5 | 48.2 |
鉄(mg) | 0.7 | 1.1 | 0.9 | 1.2 | 0.4 |
ビタミンB1(mg) | 0.05 | 0.10 | 0.10 | 0.5 | 0.8 |
ビタミンB2(mg) | 0.08 | 0.07 | 0.19 | 0.10 | 0.05 |
ビタミンE(mg) | 0.52 | 0.21 | 0.52 | 0.21 | 0.73 |
コレステロール(g) | 100 | 60 | 85 | 60 | 95 |
たんぱく質の含有量で見ると、胸肉とささみ肉が優れていますが、それら意外ではほとんどの項目でもも肉が優れていることがわかります。
胸肉・もも肉どちらども皮なしの数値ですが、手羽や皮(もも肉部分)になると、カロリーや脂質の数値が大きく上がります。皮ありで食べる場合は、カロリーにも注意するようにしましょう。
バランスの取れた脂肪酸
鶏肉には、エネルギー源となる飽和脂肪酸とコレステロールを減少させる効果を持つ不飽和脂肪酸がバランスよく含まれています。また、鶏肉に含まれる不飽和脂肪酸は豚肉や牛肉よりも豊富かつ酸化しにくいという特徴があります。
食肉に含まれる飽和脂肪酸は生活習慣病や肥満などの原因になると思われていますが、飽和脂肪酸にも健康的な効果があることが最近の研究で判明しています。
善玉コレステロールの産生
鶏肉に含まれるステアリン酸には善玉コレステロール(LDH)の生成を助ける働きがあるといわれています。適度に鶏肉を摂取し、上手にコレステロールをコントロールできるといいですね。
鶏肉に期待できる嬉しい効果・効能
ここからは鶏肉に含まれる嬉しい効果・効能について見ていきましょう。
鶏肉に含まれるたんぱく質の中には必須アミノ酸である「メチオニン」が含まれています。メチオニンには肝臓の毒素を排出し、肝臓機能を高める効果が期待できます。特にお酒をよく飲む人におすすめの成分です。肝臓に脂肪が貯蓄するのを防ぐ役割もあるので、肝脂肪の予防にも期待できます。
女性に嬉しいコラーゲンも!
美肌を保つうえで欠かせないコラーゲンは、肌の真皮(しんぴ/表皮の内側にある層)を生成するのに重要な役割を持っています。コラーゲンを摂取することで肌の潤いやハリ、弾力を保つことができます。
また、肌への効果だけでなく、骨粗しょう症の予防や髪・目・血管などの老化防止も担っています。
コラーゲンは鶏肉のなかでも特に手羽に多く含まれています。煮物や炊き込みご飯でいただくとコラーゲンを余すことなく摂取できますよ。コラーゲンの生成を助けるビタミンCも一緒に摂るとより効果に期待できるでしょう。
疲労回復にも効果的!?
アミノ酸結合体の一種でる「イミダペプチド」には、疲労回復効果があることが最近の研究で判明しました。
人は過度な運動や長時間集中すると、体内で多くの活性酸素が発生します。すると活性酸素が細胞にダメージを与え、脳が身体の疲労を感じます。イミダペプチドには、活性酸素を抑えて細胞へのダメージを軽減させる効果があることから疲労回復を促す効果があるとされています。
ひとつ注意して欲しいのが、イミダペプチドの摂取に効果的とされているのが胸肉とささみ肉だけということです。もも肉では効果が期待できないので、注意するようにしてください。
胸肉50gあたり約200mgものイミダペプチドが含まれています。鶏胸肉の栄養に関しては『疲労回復も!?ヘルシーな鶏胸肉は栄養面でも優秀!期待できる効果効能を解説』でも詳しく解説しています。
鶏肉を上手に活用して
以上、鶏肉に含まれる栄養素や期待できる効果・効能についてご紹介しました。
鶏肉には体を作るうえで欠かせない栄養素が豊富に含まれています。最近お肌の調子が気になる方は手羽を、疲れが溜まっている方は胸肉を摂取するといいでしょう!
ただし、くれぐれも食べ過ぎやカロリーには気をつけてくださいね。上手に活用して食卓を豊かにしてみてはいかがでしょうか。