通年見かけますが、意外にも夏が旬の「大葉」。さっぱりとした香りで料理を盛り上げてくれる香味野菜です。
そばやそうめんなどの麺類をはじめ、和え物や炒めものなど、幅広い料理に活用してくれます。スーパーでいつでも手軽に購入できる大葉ですが、数日経つとすぐに萎れてしまったり、傷んでしまったりと、足が速いのが悩みどころ…。
また、「大葉を保存しておいたら黒く変色していた!」という経験はありませんか?大葉に黒い斑点ができていると、食べても大丈夫なのか心配になりますよね。今回は大葉にできる黒い斑点の正体と、鮮度を維持するための上手な保存方法についてご紹介します!
黒い斑点は食べても平気?
いざ使おうと見てみると、大葉に黒い斑点がついていることがあります。腐ってしまったのではないかと心配になるかもしれませんが、結論からいうと、食べても問題ありません。
ただし、黒い斑点ができているということは大葉の品質が低下している証拠でもあります。そのため、新鮮なものと比べて見た目や風味は損なわれているでしょう。見た目が気になる場合は、黒い部分を取り除いてから使うようにしてください。
また、傷みかけているので、黒い斑点に気付いたら早めの消費を心がけましょう。
大葉に黒い斑点ができる理由は?
食べても問題ないことはわかりましたが、そもそもなぜ大葉に黒い斑点ができるのでしょうか?
大葉はデリケートな野菜です。乾燥に弱く、水分が多すぎてもすぐに傷んでしまいます。黒い斑点ができるのは鮮度が落ちているためで、乾燥や水分過多の環境ではより鮮度が落ちやすくなってしまうのです。
また、大葉が全体的に黒っぽく変色する場合もありますが、これは「低温障害」によるものである可能性があります。
低温障害は、水分の多い野菜や水分が付着している場合に起こりやすい現象です。
野菜にとって温度が低すぎると中身や表面の水分が凍ってしまいます。さらに、保存や輸送のための野菜の出し入れ・移動などによって起こる温度変化により凍った水分が溶けることで、野菜の細胞が壊され、変色したり傷んだりしてしまうことをいいます。
いずれの場合も、完全に傷んでいなければ食べることはできますが、見た目や風味が悪くなるため、できれば変色のない新鮮な状態で大葉をいただきたいものです。
斑点病である可能性も
大葉にできる黒い斑点は、「斑点病」という病気である可能性もあります。大葉の葉に斑点病が感染すると、小さな黒褐色の斑点ができます。
はじめは数ミリ程度のごく小さな斑点ですが、次第に大きくなり、斑点の中心が茶色っぽく変色していきます。収穫前の大葉の場合は、斑点病が進行するとそのまま枯れてしまう場合もあります。
収穫時に大葉の斑点病に気づけば出荷されることはないでしょうが、斑点病は大葉の収穫後に発症する場合もあります。
収穫後の大葉はビニール袋やパックなどに包装されるため、同じパック内の大葉で感染が広がりやすくなります。パック内で斑点病が進行すると、斑点は少しずつ大きくなり、直径1cm以上の黒カビを生じることもあるそうです。
斑点病であってもカビなどが生えていなければ食べても問題ありませんが、心配であれば斑点の部分を取り除いて料理に使ってください。
斑点がない新鮮な大葉を選ぼう
大葉に斑点ができるのは、主に鮮度が落ちていること原因です。そのため、大葉を買って長持ちさせるためには、斑点がなく新鮮な大葉を選ぶことがポイントとなります。
大葉の鮮度を見極めるには、次のような点に注目しましょう。
・鮮やかな緑色をしている
・葉の先までピンと張っている
・大葉の入っている袋やパック内に水分が溜まっていない
大葉は新鮮なものほど緑色が鮮やかで、全体にハリがあります。鮮度が落ち始めると、大葉に含まれていた水分が徐々に抜け、全体のハリがなくなりパック内に水分が溜まっていきます。
溜まった水分によって大葉の鮮度はさらに落ちやすくなるため、できるだけ水分の溜まっていないものを選びましょう。