新鮮な梨
シャキシャキ食感と瑞々しい甘みが特徴の梨は、毎年秋ごろから見かける果物です。

ですが、水分が多いことから乾燥に弱いのが難点…。誤った方法で保存すると、変色したり風味を落としかねません。今回は梨の上手な選び方から瑞々しさを長持ちさせる保存方法をご紹介します。

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「梨尻柿頭」で美味しく食す

柿と梨
柿は枝が付いている頭の方が甘いと言われますが、梨は反対にお尻の方から甘くなります。

他に、梨の果実は中心部から皮に近づくほど糖度が増すという特徴もあるので、最も甘いのはお尻側の皮付近ということになります。

また、多くの果物は花の咲く部分周辺が甘くなるという共通点があります。梨やリンゴはお尻側に咲くのでお尻周辺が特に甘くなります。柿やミカンはヘタ付近に花が咲くので、頭側の方が甘くて美味しいです。

梨の選び方は形や大きさがポイント!

美味しい梨の選び方として、形のチェックは最も基本的な部分です。全体的に実が詰まってふっくらしているものを選びましょう。頭側のかたが張り、お尻側が適度に引き締まっているとなお良いです。

大きさ

梨は大きいものほど甘くて美味しいです。目安はMサイズのりんごよりひと回り大きいと感じるものがベスト。手のひらから少しはみ出すくらいの大きさがちょうどいいでしょう。

重さ

見た目の大きさはもちろん、持った時にずっしりとした重みがあればより美味しい梨だという証拠です。

梨は果実の90%が水分であるため、極端に軽いものを選んでしまうと瑞々しさや甘みが少ない可能性が高いです。重量感も気にしながら選んでみてくださいね。

完熟した梨は皮表面の茶色い斑点が消えて表面がツヤツヤした状態になります。こちらは購入後、すぐに食べる場合におすすめです。

食べるまで2~3日以上かかる場合は、あえて斑点があるものを買っておくことで保存期間中に程よく熟し食べ頃にさせることが出来ます。

斑点の穴から果実内の水分が抜けていくので、斑点の間隔が広くて数の少ないものを選んでおけば保存後も瑞々しさを残しやすいです。

常温保存は冬場のみにして!

ダンボールに入った梨
梨の適温は5℃前後なので、常温保存は冬の寒い時期のみに活用するようにしてください。具体的な保存の手順をご紹介します。

1.新聞紙、もしくはキッチンペーパーで梨を1つずつ丁寧に包む。
2.ビニール袋に入れる。
3.頭側を下にした状態で直射日光の当たらない涼しい場所で保存。

極力、乾燥や急激な温度変化を受けないよう新聞紙等で包んだ後に、ビニール袋に入れるようにしてください。

また、頭側(ヘタ)を下にすることで「呼吸」を抑えることができます。これにより劣化するスピードを遅くすることができます。

保存期間

約5日

冷蔵保存が基本!カット・丸ごとの保存術

冷蔵保存ではカット済みの梨も保存することが可能です。ここでは「丸ごと保存」と「カット状態で保存」、それぞれの保存の手順についてご紹介します。

丸ごと保存する

1.ラップで梨を1つずつ丁寧に包む。
2.頭側を下にした状態でビニール袋に入れ、その口を軽く締めておく。
3.その状態のまま冷蔵庫の野菜室に入れて保存。

この場合はヘタ付近を下向きにしておくことで、冷蔵保存中に果実全体に甘みを行き渡らせることが出来ます。

保存期間

約1週間

カットしてから保存する

カットした状態で保存すると、酸化が早まります。しかし、ひと手間加えることで3~4日ほど保存することが出来るので、参考にしてみてください。

1.砂糖水、塩水、レモン水のうちいずれかの液体に梨を浸しておく。
2.それぞれラップで包み、密封可能なジップロックやタッパーに入れてから冷蔵保存。

カット済みの梨は、劣化の進行が非常に速いです。4日以内だとしても早めに食べ切ることをおすすめします。

すぐに食べない時は冷凍保存

カットした梨
すぐに消費できない時は早いうちにカットして冷凍保存することをおすすめします。

1.梨の皮をむき、芯を取り除いてから8等分にカットする。
2.重ならないよう注意しながら密封可能なジップロックの中に並べる。
3.冷凍庫に入れて凍らせた後、そのまま保存。

冷凍した梨はシャリシャリ食感になるので、ひんやりスイーツの材料として使いやすいでしょう。

水分が多いため、一度凍らせると生の食感を取り戻せないのが難点です。シャキシャキした歯ごたえを味わいたい方は、冷蔵保存が可能な期間内に食べ切るようにしてください。

保存期間

約1ヶ月

上手な解凍方法

基本的に解凍する手間は不要です。使う分を取り出し、すりおろし器でおろした後シャーベットにしたり、ミキサーで他の食材と混ぜ合わせてスムージーにするなど様々な使用法があります。

それらの作業も面倒だという方には、凍らせる時点で梨をシャーベット状にしておくのがおすすめです。半冷凍状態の頃にジップロックの上から軽くたたいて細かくしておけば、いつでも簡単に料理に使えます。

上手に保存して瑞々しい梨を楽しんんで!

梨の選び方のコツさえ抑えておけば、いつでも美味しいものを選ぶことが出来ます。

また、梨を自宅で日持ちさせたい場合にはその瑞々しい風味を出来る限り保つための常温・冷蔵保存、長期保存したい時に便利な冷凍保存、それぞれ今回ご紹介した適切な手順に従って保存を行うようにしてください。