初夏に出回るそら豆は旬の時期が短く、常温での保存も効かないため、購入する時期が限られています。そのため、さまざまな野菜がハウス栽培により、一年中楽しめるようになった昨今でも、そら豆は季節を感じることのできる数少ない野菜です。
また、栄養素も豊富で日々の生活に取り入れたい野菜でもあります。今回は、そんなそら豆をできるだけ美味しく保存するコツをお教えします。
そら豆ってどんな野菜
旬の時期
そら豆は春に花をつけて、5〜6月にかけて実をつける初夏の野菜です。生産は鹿児島県がもっとも多く、次いで千葉県、茨城県と続きます。
そら豆は紀元前5000年のスイスの遺跡でその種が発見されている、とても古い野菜です。約2000年前に中国に伝えられ、日本には奈良時代に伝わったとも言われています。
日本におけるそら豆の記録は江戸時代から記されており、明治以降に栽培が始まり一般的な野菜になったそうです。
栄養
そら豆はほかの豆類の野菜と同じく、植物性たんぱく質を豊富に含んでいます。カリウムも多く含まれているため、体内のナトリウムを排出する働きを促してくれる野菜です。
また、疲労回復や脂質の代謝に関係するビタミンB群も多く含まれています。
そら豆の名前の由来は?
そら豆は、「空豆」「蚕豆」という風にいくつかの漢字で表記されることがあります。これはそら豆の名前の由来がいくつかあるからです。
「空豆」は、そら豆が成熟するまで、さやが空に向かって育っていくから、ということに由来おり、「蚕豆」と書く場合は、蚕にさやの形が似ているから、蚕を育てる時期にそら豆が実からということに由来しています。
新鮮なそら豆の選び方

色
購入前にそら豆の状態を確認しましょう。鮮やかな緑色で艶があると新鮮です。筋も緑色であるとベスト。
そら豆のさやは空気によって黒くなる成分を含んでいます。黒ずんでいたり、傷がある場合は空気に触れる時間が長くなって、古くなってきている可能性があります。
産毛
さやに白い毛がうっすら生えているかどうかも確認しましょう。収穫してから時間が経ってなければ、白い産毛のようなものを確認することができますよ。
外からでも豆の形がくっきりみえて豆の形が揃っているものはよく育っている証拠なので、美味しいです。
感触
さやを少し触って、弾力があるものにしましょう。時間が経つにつれて、弾力がなくなります。また、収穫して間もないそら豆は水分が蒸発していないので重量感があります。
購入する際はできるだけさやのまま売っているものを選びましょう。さやから出ているものは劣化が早いです。
豆はさやから出してしまうと急速に劣化が始まり、栄養価も落ちます。ビタミンB群が紫外線によって分解されてしまうため、紫外線や空気に触れさせないことが大切です。
美味しいそら豆の茹で方
そら豆は買ってきてすぐに調理するのがおすすめです。茹でるとホクホクとしてとても美味しく食べることができます。ここではそら豆の上手な茹で方をご紹介しましょう。
鍋を使用する方法
1.豆をさやから出して豆の黒い部分とは反対側に切り込みを入れる
あとで食べるときに薄皮を剥きやすくするためなので、浅く2センチくらいで大丈夫です。
2.1リットルに対して塩20gを入れ、沸騰させる
3.2分半〜3分ほど茹でる
食べてみて、茹で加減の確認をするとよいでしょう。
4.ザルにあげる
うちわなどで仰いで熱を取ります。冷水にさらすと水っぽくなるってしまうので注意しましょう。
電子レンジを使用する方法
1.豆をさやからだして軽く水洗いする
2.水分がついたまま、豆を耐熱容器に重ならないように並べる
3.ラップをふんわりとかけて電子レンジで1分半〜2分加熱する
ご家庭の電子レンジによって加熱時間は異なります。様子を見ながら加熱してください。
4.ラップを外して塩を少々振りかける