真っ赤な果実が特徴的で甘味と酸味がおいしい夏野菜のトマト。生はもちろん、カットして和え物にしたり、加熱して炒めものや煮込み料理、スープなど幅広い料理にアレンジできる嬉しい食材です。
そんなトマトですが、手のひらサイズのトマトのほかに愛らしいサイズのミニトマトもよく見かけますよね。みなさんは、普通のトマトとミニトマトの違いをご存知でしょうか?
違うのは大きさだけかと思いきや、実は含まれている栄養素にも違いがあったのです!今回は、そんなトマトとミニトマトの違いや含まれる栄養素を効果的に摂取するための食べ方についてご紹介します。
トマトとミニトマトの違いは?
トマトとミニトマト、どちらも夏が旬の野菜です。見た目で分かる違いとしては、大きさの違いがありますね。
その他には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?トマトとミニトマトのそれぞれの特徴について詳しくみていきましょう。
トマト
まずは、トマトについてです。一般的なトマトの大きさは直径が7~10cmほど、重さが150~200gほどのものが多いです。
原産地は南アメリカのアンデス地方であり、16世紀になってじゃがいもなどの作物とともにヨーロッパに広まっていったといわれています。
トマトはもともと、観賞用の植物でしたが、19世紀になってから食用として栽培されるようになったようです。現在、ヨーロッパでは特に欠かすことのできない食材となっており、品種も多岐にわたります。
日本で最もメジャーな品種は、「桃太郎系トマト」と呼ばれる品種です。皮が薄くて透明であり、甘みが強いのが特徴です。
それに対して、ヨーロッパでは「赤系トマト」が主流で、皮も赤くて比較的厚みがあり、酸味と香りが強いのが特徴です。煮崩れしにくいため、煮込み料理や缶詰、ケチャップなどの加工品によく利用されます。
また普通のトマトは、カットするとゼリー状の部分が多いことが特徴です。
ミニトマト
続いて、ミニトマトについてです。ミニトマトの大きさは、直径が3cm程度、重さが15~20g程度のものが多くなっています。原産地はトマトと同じくアンデス地方で、当初は航空機の機内食用に栽培されていたようです。
その後、1980年代になると、その見た目のかわいらしさから人気を集め、一般にも普及するようになりました。
現在ではトマトと同様に、ミニトマトの品種も多岐にわたります。最もメジャーな赤くて丸い品種をはじめ、オレンジ色、黄色、緑色、黒色、クリーム色など様々な色の品種があります。
また、最近では縦に長くラグビーボールのような形をした「アイコ」と呼ばれる品種も一般に出回るようになってきました。
ミニトマトをカットすると、普通のトマトに比べてゼリー状の部分は少なく、果肉部分の割合が多くなっていることがわかります。また、普通のトマトよりも酸味が少なく甘みが強いことも特徴です。
栄養素の違いについて
続いて、トマトとミニトマトに含まれる栄養素の違いについてみていきましょう。
トマトとミニトマト、それぞれ可食部100gあたりに含まれる栄養素で比較していきます。
まずは、以下の表をご覧ください。
可食部100gあたり | トマト | ミニトマト |
エネルギー(kcal) | 19 | 29 |
タンパク質(g) | 0.7 | 1.1 |
脂質(g) | 0.1 | 0.1 |
炭水化物(g) | 4.7 | 7.2 |
カリウム(mg) | 210 | 290 |
βカロテン(μg) | 540 | 960 |
ビタミンB6(mg) | 0.08 | 0.11 |
ビタミンC(g) | 15 | 32 |
葉酸(μg) | 22 | 35 |
食物繊維(g) |
1.0 | 1.4 |
エネルギーでは、トマトよりもミニトマトのほうがやや高くなっています。これは、トマトのほうが水分量が多く、ミニトマトのほうがタンパク質、炭水化物が多く含まれているためです。
炭水化物の中でも、果物などに多く含まれる「果糖」という糖分があります。果糖については、可食部100gあたりでトマトが1.6gであるのに対し、ミニトマトでは2.4gとなっていて、ミニトマトのほうが甘みを強く感じやすいのも納得です。
さらに、その他の栄養素についても、ミニトマトのほうがトマトよりも高くなっていることがわかります。
女性のなかでも特に妊娠・授乳期の方にとって重要な栄養素のひとつである葉酸も、トマトよりもミニトマトのほうが1.5倍以上多く含まれています。葉酸は貧血予防にも効果的です。
また、便秘解消など腸内環境の改善に役立つ食物繊維もミニトマトのほうが多く含まれています。次にミニトマトに多く含まれる栄養素や特徴について詳しくみていきましょう。