ちくわぶと竹輪はどう違う?
ちくわぶを知らない、食べたことがないという人は、「ちくわと何が違うの?」「ちくわとちくわぶを一緒に入れるの?」とちくわと混同してしまうかもしれません。
しかし、ちくわとちくわぶは見た目が似ているだけで全く違う食べ物なんです。もちろん、なるととも別物です。
ちくわやなるとはご存知のとおり、魚のすり身に卵やデンプンなどのつなぎを混ぜて練ったものを加熱して作られています。
それに対してちくわぶの主原料は強力粉、つまり小麦粉です。小麦粉を水または塩水で練ったものを棒に巻きつけて茹でたものがちくわぶなんです。
ちくわぶは小麦粉をねったもの
練った小麦粉を茹でて作るちくわぶはほとんど小麦粉の塊です。
そのため、ちくわと似ているところは見た目だけで、香りも味も食感も全く違います。どちらかというと、すいとんをちくわの形にしたもの、と言ったほうが近いのです。
ちくわなど魚を原料に練ったものは風味が強く感じられ、単体でも魚肉の味が楽しめます。それに対してほぼ小麦粉のみでできているちくわぶは、うどんのようにそれ自体に味はほとんどありません。
そのため、ちくわぶはそのまま食べてもあまり美味しくなく、味をつけて楽しむ食材です。ちくわぶの表面についた大きなギザギザは、味がよく絡むように表面積を大きくするためにつけられているんです。
また、食感も練り物とは違っています。ふわふわとした食感の練り物に対して、強力粉を何度も練って作るちくわぶはとてもコシが強く、煮たり茹でたりするともちもちっとした食感になるのが特徴です。
ちくわぶのおすすめ食べ方
ちくわぶは味がほとんどないうえ食感も固く、ぼそぼそとしてそのままではおいしくありません。しかし、ちくわぶは加熱することで秘めたおいしさを発揮する食べ物なんです!
スタンダードな食べ方はおでんに入れることです。おでんのだしをちくわぶがスポンジのようにどんどん吸って、もちもち、じゅわっとしたおいしさが楽しめます。
ほかにも、すき焼きや味噌鍋など、味の濃い鍋、豚汁や煮物など汁がおいしい料理に入れるのもおすすめです。
ちくわぶは加熱して生まれるモチモチ感と、吸った汁気を楽しむ食べ物です。食べごたえがあるので、かさ増しに使えば腹持ちもよくおすすめです。
味がついていないぶん、スイーツにも応用ができるのもちくわぶの魅力のひとつといっていいでしょう。
例えば、甘いシロップで煮込んだちくわぶをアイスと一緒に食べたり、トッポギやニョッキの代わりに使ったり、パスタソースを絡めたりと色々なアレンジに使えますよ。
煮込む以外にも、焼けばふんわりもっちりとした食感が、揚げればパイやクロワッサンのように層ができてサクサクとした食感が楽しめますよ。
ただし、ちくわぶは小麦粉100%で作られているので、あまり煮込みすぎるとドロドロと溶けてしまいます。長時間煮込んだり、何度も繰り返し煮込む料理には不向きです。
ちくわぶはアレンジしやすい食材
今回は、東京生まれのローカルフード「ちくわぶ」を紹介しました。戦後にちくわの代用品として使われてきたちくわぶは、味のないちくわの代用品と思われがちですが、実は色々な料理に使えるポテンシャルの高い食材なんです。
西日本では見る機会が少ないですが、地域によってはスーパーなどで売っている場合もあるようです。食べたことがないという人も、おでん専用と思っていた人も、ぜひ色々なちくわぶの食べ方を試してみてくださいね!