サラダのトッピングやパスタの具材、炒めものなど、さまざまな料理で活躍してくれる「ベーコン」。ベーコンはすでに塩味がついており、具材として使うと料理の味付けのひとつにもなります。
また、加熱すると溶け出す脂質には旨味があり、食欲をそそる香りも加えてくれます。影の立役者ともいえるベーコンには色々な種類があることをご存知ですか。今回はベーコンの種類や選び方とともに、長持ちさせるための適切な保存方法をご紹介します!
目次
ベーコンの賞味期限はどれくらい?
食品には品質が保証され美味しく食べられる期間を示す、消費期限と賞味期限の2種類があります。簡単に言うと、「消費期限」は安全に食べることのできる期間、「賞味期限」は品質が保証される期間を意味します。
ベーコンに表示されているのは「賞味期限」であるため、この期限を過ぎたからといってすぐに食べられなくなるわけではありません。ただし、未開封の場合やパッケージに記載された正しい保存方法で保存した場合に限られます。
未開封で正しく保存したベーコンであれば、賞味期限の目安は10~21日程度となります。ベーコンの塩分量や製造方法によって異なるため、必ず購入したベーコンのパッケージに記載されている賞味期限を確認してください。
開封後の賞味期限は?
賞味期限は、「未開封」の状態で品質が保証される期間のことをいいます。一度開封してしまうと、空気に触れて酸化しやすくなったり、雑菌がついて腐敗する可能性が高まります。
一度開封してしまった場合は、賞味期限にかかわらず2~4日以内には使い切るようにしましょう。
ベーコンの保存方法について
次に、ベーコンの保存方法についてです。ベーコンはもともと保存食として作られたもので、塩分濃度が高く本格的に熟成・燻製されたものであれば常温保存も可能です。
しかし、スーパーなどで販売されているものは、塩分濃度があまり高くなく、水分量も比較的多くなっています。そのため、ベーコンは基本的に冷蔵保存するものと覚えておきましょう。
冷蔵保存する場合
冷蔵保存する場合は、パックのまま冷蔵庫に入れておきましょう。先程ご説明したとおり、一度開封するとベーコンが傷みやすくなってしまいます。そのため、賞味期限内でまだ使用しない場合は、未開封のまま保存するのが正解です。
使いきれなかった場合や、小分けにして使用したい場合は、残ったベーコンをラップでピッタリと包み、ジッパー付きの保存袋などに入れて、できるだけ空気を抜いて冷蔵保存してください。
保存期間
保存期間は、未開封であれば10~21日が目安となります。ただし、製品によって賞味期限が異なるため、必ず購入したベーコンのパッケージに記載されている期限を確認してください。
また、開封してしまった場合は2~4日が目安となります。賞味期限にかかわらず、なるべく早めに食べ切るようにしてください。
冷凍保存する場合
次に、ベーコンを冷凍保存する場合についてです。ベーコンは、冷蔵保存でもそれなりに日持ちしますが、冷凍保存をすることでより長く保存できます。
そのため、ベーコンを多めに買って小分けに使用したい場合や、一度に使い切れなかった分は、すぐに冷凍保存されることをおすすめします。
まずは、ベーコンを一度に使いやすい分量に分けましょう。数枚ずつに小分けにしたベーコンを、それぞれラップでピッタリと包み、ジッパー付きの保存袋などに入れます。できるだけ空気を抜いて口を閉じ、冷凍庫に入れておきましょう。
保存期間
冷凍保存する場合、ベーコンの保存期間は約1ヶ月ほどと言われています。あまりにも長い期間保存しておくと、冷凍焼けを起こして風味や食感が損なわれてしまいます。ベーコンを冷凍保存するときは、できるだけ空気に触れないように密封し、1ヶ月以内に使い切るようにしてください。
ブロックベーコンは小分けにしてから冷凍
ブロックのベーコンを冷凍保存する場合も、まずは一度に使いやすい分量に小分けしておきましょう。一度、冷凍・解凍したものを再冷凍しようとすると、品質が低下しやすく、衛生的にもよくありません。
また、ブロック状のままだと冷凍するまでに時間がかかり、品質の低下に繋がります。小分けしたベーコンは、それぞれラップにピッタリと包んでジッパー付きの保存袋などにいれ、できるだけ空気を抜いて冷凍保存しましょう。
保存期間
ブロック状のベーコンも、スライスされたベーコンと同じく1ヶ月ほど保存が可能です。ベーコンの美味しさを損なわないように、上手に冷凍保存を活用しましょう。
冷凍ベーコンの上手な解凍方法
ベーコンの美味しさを保つためには、冷凍保存の仕方にコツがありました。しかし、冷凍するときだけでなく、実は解凍するときにもポイントがあるのです。
それは、冷蔵庫で時間をかけて解凍することです。ベーコンに限らず、お肉やお魚を解凍するときに電子レンジを使ったり常温で解凍したりすると、急激な温度変化によって「ドリップ」と呼ばれる水分が出てきます。
ドリップが多く発生すると、食材の風味を損なったり、食感が変化するなど、美味しさが半減してしまいます。また、気温が高い時期は食中毒の危険性も高まります。そのため、冷凍したベーコンを解凍するときは、あらかじめ冷蔵庫に移しておき、ゆっくりと解凍するようにしましょう。
なるべく早く解凍したい場合は?
もし、ベーコンを使うまでに時間がない場合は、流水解凍がおすすめです。常温や電子レンジでの解凍に比べ、ドリップの量を少なくすることができます。ボールなどの容器に水を流し入れ、ベーコンを密閉袋などに入れたまま水に浸けておいてください。
ベーコンが直接水に触れてしまうと、風味が落ちたり味が抜けてしまいます。ベーコンが直接水に触れないよう、必ず密閉袋やビニール袋に入れて、しっかりと口を閉じた状態にしておきましょう。
また、ベーコンを凍ったまま加熱調理するのもよいでしょう。スライスされたベーコンであれば、冷凍状態でも簡単に切ることができます。
ブロック状のベーコンであっても、10分ほど常温においておけば比較的簡単にカットできるようになります。電子レンジなどで完全に解凍して品質の低下を招くより、冷凍庫から取り出してすぐに調理するほうが、手軽で美味しくベーコンを調理できるでしょう。
ベーコンは腐るとどうなる?
長期間保存が可能なベーコンですが、保存状態や保存期間によっては、腐ってしまうこともあります。ベーコンが腐ると、次のような変化が起こります。
・酸味のある異臭がする。
・ベーコンが白っぽくなるなど、変色する。
・表面にぬめりが出たり、糸を引いたりする。
・通常とは異なる味がする。
ニオイや見た目に明らかな変化があった場合は、無理に食べようとせず捨ててしまいましょう。もったいなく感じる気持ちもありますが、食中毒を起こす危険性があります。
また、ニオイや見た目の変化に気が付かずに食べてしまったときにも、味に違和感を感じたら飲み込まずに廃棄してください。こうした傷みを防ぐためにも適切な方法で保存し、なるべく早めに食べきるようにしましょう。
知ってる?ベーコンの種類
ベーコンとは、お肉を塩漬けして熟成させ、燻製(スモーク)した加工品のことをいいます。しかし、ひと口にベーコンといっても、実はお肉の部位と製法によりいくつかの種類に分けられます。具体的なベーコンの種類は、主に以下のようなものがあります。
ベーコン
豚バラ肉を使用し、塩漬け・熟成してスモークしたものを「ベーコン」と呼びます。ベーコンの中で最も一般的な種類です。豚バラ肉を使用しているため脂質が多く、コクのある味わいとなっています。
ロースベーコン
豚ロース肉を使用したものを「ロースベーコン」といいます。豚バラ肉を使用したベーコンに比べると脂身は少なく、赤身とのバランスもほどよいベーコンです。
ショルダーベーコン
豚肩肉を使用したベーコンです。豚バラ肉や豚ロース肉よりも脂質が少なく、ベーコンの中ではあっさりとした味わいになっています。比較的ヘルシーなベーコンではありますが、塩分が高いためサラダやパンと合わせて食べることが多いです。
生ベーコン
「生ベーコン」とは、スモークをしていないベーコンのことです。豚バラ肉を塩漬けにした後、乾燥・熟成を行います。加熱処理をおこなうこともあります。
パンチェッタ
「パンチェッタ」とは、イタリア語で「豚バラ肉」という意味です。生ベーコンの一種であり、豚バラ肉を塩漬けにしたあと、乾燥・熟成を行います。スモークをしておらず、生ハムのように加熱せずにそのまま食べることができます。
ベーコンのカロリーは多い?少ない?
ベーコンは高カロリーなイメージがあるかもしれませんが、実際にどれくらいのカロリーが含まれているかご存知でしょうか?
実は、ベーコンの部位によってもカロリーは大きく異なります。ベーコンの部位ごとに含まれる栄養素をみていきましょう。
可食部100gあたり | ベーコン(バラ) | ロースベーコン | ショルダーベーコン |
エネルギー(kcal) | 405 | 211 | 186 |
たんぱく質(g) | 12.9 | 16.8 | 17.2 |
脂質(g) | 39.1 | 14.6 | 11.9 |
炭水化物(g) | 0.3 | 3.2 | 2.5 |
部位ごとに可食部100gあたりのエネルギー量をみてみると、バラ肉を使ったベーコン405kcal、ロースベーコンで211kcal、ショルダーベーコンで186kcalです。
バラ肉のベーコンは、ロースやショルダーのベーコンのおよそ2倍のカロリーがあることがわかります。
ベーコン1枚あたり20gとすると、バラ肉のベーコンは81kcal、ロースベーコンは42kcal、ショルダーベーコンは37kcalです。
また、脂質はバラ肉のベーコンが39.1g、ロースベーコンが14.6g、ショルダーベーコンが11.9gです。バラ肉のベーコンとショルダーベーコンを比べると、3倍以上も含有量に差があります。
ベーコンは高カロリーではありますが、部位による差も大きい食品です。カロリーや脂質が気になる場合には、ベーコンの選び方や調理方法に工夫が必要ですね。
ベーコンのカロリーを抑えたい!そんな時は…
それでは、ベーコンのカロリーを抑えるためには具体的にどのような工夫をすると良いのでしょうか?具体的な対策をいくつかご紹介します。
ヘルシーな部位を選ぶ
ひとことにベーコンといっても、使われるお肉の部位によってエネルギーや脂質には大きな差がありました。
ベーコンのカロリーを抑えたいときは、エネルギーや脂質の量が少ない部位で作られたベーコンを選びましょう。
例えば、毎日朝食に1枚(20g)のベーコンを食べているとすると、1ヶ月(30日)でバラ肉のベーコンでは2,430kcalで脂質235g、ショルダーベーコンでは1,116kcalで脂質71gを摂取することになります。
その差はなんと1,314kcal、脂質は164gにもなります。ちなみに、体脂肪1kgを落とすためには約7,200kcalを消費する必要があるといわれています。
習慣的にベーコンを食べている方は、ベーコンの部位を変えるだけでもカロリーや脂質を抑えることができます。
調理のときに脂質を落とす
ベーコンは加熱すると脂が溶け出してきます。ベーコンは脂質の含有量が多く、脂質を取り除くことで大幅なカロリーカットにつながります。
ベーコンをフライパンで焼くときは、溶け出してきた脂をキッチンペーパーなどで吸い取りながら焼くと良いでしょう。焼き上がったあとにキッチンペーパーの上に取り出し、数分置いておくのも効果的です。
また、ベーコンは強火で焼くとすぐに表面が焦げてしまいます。弱火で焼くことで中心部までじっくりと温度が上がり、脂が溶け出しやすくなります。
ベーコンの焦げ付きも防ぎつつカロリーカットもできるため、ベーコンを焼くときは弱火でじっくりと加熱するのがおすすめです。
「フライパンで焼くのがめんどう…」という方は電子レンジを活用しましょう。ベーコンをキッチンペーパーなどを敷いたお皿に載せ、電子レンジで加熱します。
加熱時間はベーコンの厚さや分量によって異なります。ベーコン全体が温まり、キッチンペーパーに脂が十分に吸収されていることを確認しながら加熱時間を調節してください。
他の食材と組み合わせて、少量で満足感を出す
ベーコンを単品で食べようとすると、どうしても食べる量が増えてしまいがちです。
そこで、他の食材と組み合わせて、ベーコンの旨味を味わいつつも少量のベーコンで満足感を出してみましょう。
例えば、ブロッコリーやレタス、水菜、パプリカなどたっぷりの野菜とゆで卵のサラダに、カリカリに焼いたベーコンをトッピングするだけで「ごちそうサラダ」になります。
卵とブロッコリーは高タンパクな食材ですし、野菜をたっぷり使うことでビタミンやミネラルも摂取できます。ヘルシーなサラダにベーコンの塩気と旨味が加わるため、ドレッシングの量も少なく済みます。
さらに、野菜を電子レンジで加熱すれば、かさが減ってよりたくさん食べられます。ダイエット中にベーコンが食べたくなったときでも、ちょっとした工夫でカロリーカットをして、ヘルシーにおいしくいただきましょう!
ベーコンの選び方
ベーコンにはさまざまな種類があることをお分かりいただけたでしょうか。続いてはベーコンの選び方をご説明したいと思います。
スーパーなどでベーコンを買おうとすると、スライスやブロックなど、色々な形のものがありますよね。ベーコンを選ぶときは、どのようなポイントに注目して選べばよいのでしょうか?ここではベーコンを選ぶ際に注目するべき3つのポイントをご紹介します。
ベーコンの食味・カロリーで選ぶ
さきほど、ベーコンには使用するお肉の部位によっていくつかの種類があることをご紹介しました。お肉の部位が違えば、含まれる脂身と赤身のバランスも異なります。
豚バラ肉を使用したベーコンであれば、脂身が多いためカロリーが高くなりがちですが、そのぶん脂の旨味や甘味が味わえるという特徴があります。豚肩肉を使用したベーコンであれば、脂身が少なく比較的ヘルシーで、さっぱりといただくことができます。
また、パンチェッタのようにスモークしていない生のベーコンであれば、加熱する手間もなく、ナチュラルな肉の旨みや食感を楽しむことができます。
作りたい料理やシーンに合わせて、お好みのベーコンを選ぶとよいでしょう。
ベーコンの形で選ぶ
スーパーなどでは、ブロックのベーコンやスライスしたベーコンが売られています。ベーコンエッグや炒めものの具材として使う場合は、スライスしてある状態のベーコンが使いやすいでしょう。
食べ応えを楽しみたい場合やパスタなどの具材として使う場合は、ブロックのベーコンを買って好みの大きさに切り分けるのがおすすめです。
ただし、スライスしてあるベーコンは空気に触れる面積が大きい分、酸化しやすくなります。長期間保存したい場合は、スライスよりもブロックのままのベーコンを選ぶほうがいいでしょう。
ベーコンの添加物で選ぶ
ベーコンはお肉の加工品になります。そのため、加工する際に発色剤や保存料などの添加物が使用されている場合があります。
「家族の健康や食の安全面から添加物が気になる…」という方は、「無塩せきベーコン」や「無添加ベーコン」といった、なるべく添加物が使用されていないベーコンを選ぶとよいでしょう。
用途に合わせてベーコンを選び、適切な方法で保存しましょう
ベーコンは使用するお肉の部位や製造方法によって、さまざまな種類があることをご紹介しました。
また、適切に冷蔵・冷凍保存することによって、ベーコンの美味しさを保ちながら長持ちさせることができます。今回ご紹介した保存方法を参考に、日々の献立にベーコンを取り入れてみてはいかがでしょうか?