おにぎり
いつでも手軽に食べられて、日本の伝統的なファストフードともいえる「おにぎり」。具材のバリエーションは多岐にわたり、最近ではもち麦や雑穀入りなど、健康意識の高まりに合わせた商品も登場しています。

そんなおにぎりですが、賞味期限はどのくらいなのでしょうか?コンビニやスーパーなどで購入したものであれば、パッケージに期限が記載されていると思います。しかし、手作りおにぎりの場合はいつまで安心して食べられるのか、わかりにくいですよね。

今回は、手作りおにぎりを中心に、おにぎりの賞味期限や長持ちさせるためのポイント、上手な保存方法についてご紹します。

Sponsor link

手作りおにぎりの賞味期限は?

賞味期限
手を汚さずにいつでも手軽に食べることができる「おにぎり」。普段の食事としてはもちろん、夏のレジャーや秋の行楽シーズンには、おにぎりを持っていく方も多いのではないでしょうか?

そんなおにぎりですが、手作りした場合はどのくらいの期間まで安心して食べられるのか気になりますよね。冷蔵庫で保存できる環境であればまだ安心ですが、湿度の高い梅雨の時期や気温の高い夏場は特に心配な時期です。

食べ物を安心して食べることのできる期間には、「賞味期限」と「消費期限」があります。

「賞味期限」とは、食べ物の品質が保証される期間のことを指します。一方、「消費期限」は食べ物を安全に食べることができる期間のことを指します。

つまり、賞味期限の場合は期限を過ぎてしまったからといってすぐに食べられなくなるわけではありませんが、消費期限の場合は期限を過ぎると食中毒などの危険があり、食べられなくなってしまうというわけです。

ただし、いずれの場合もパッケージ等に記載された保存方法で適切に保存された場合に限ります。

例えば、要冷蔵の商品を常温で保存してしまった場合には、賞味期限や消費期限を過ぎていなくても傷んで食べられなくなる可能性があります。

おにぎりは日持ちのしない生ものですから、「消費期限」という言葉を使うのが正しいでしょう。では、おにぎりの消費期限は一体どのくらいなのでしょうか?手作りのおにぎりの場合、消費期限は約12時間です。

ただし、手洗いはもちろん、清掃が行き届いた清潔な環境で作られ、さらに冷蔵庫など10度以下の環境で保存した場合の消費期限です。

作るときの手洗いが不十分であったり作業する場所が不衛生だったりすると、食中毒の原因となる細菌が付着する可能性があります。また、作ったあとに常温で放置したり持ち歩いたりした場合も、細菌が繁殖して傷みや食中毒の危険が高まります。

つまり、適切な環境で調理・保存されなければ、目安である12時間よりもずっと早く消費期限を迎えてしまうことになるのです。

おにぎりを握る際に注意すべきこと

おにぎり
おにぎりの消費期限が想像以上に短く感じた方も多かったのではないでしょうか?

食品を安心・安全に食べるには、それなりの衛生管理が必要なのです。それでも、おにぎりを少しでも長持ちさせるためにはポイントがあります。

次のようなポイントを抑えて工夫すれば、細菌の付着や繁殖を抑えておにぎりを衛生的に調理・保存することができるのです。

それぞれのポイントについて、詳しくみていきましょう。

素手で握らない

ひとつ目のポイントは、「素手で握らないこと」です。

目には見えませんが、私たちの身体には細菌が付着しています。特に、色々なものを触る手には多くの細菌が付着しやすいのです。

手に付着している細菌としては、「黄色ブドウ球菌」が代表的です。黄色ブドウ球菌は日常生活の中でどこにでも存在していますが、手指に切り傷や湿疹、化膿した箇所がある場合には特に注意が必要です。

黄色ブドウ球菌が繁殖すると、「エンテロトキシン」という毒素を産生します。エンテロトキシンは耐熱性・耐酸性があるため、この毒素が生成されたあとに再び加熱をしても、毒性を消すことはできません。これが付着した食品を食べることで、腹痛や嘔吐、下痢などの食中毒症状を引き起こすのです。

食中毒を防ぐためには、まず「食品に細菌を付けない」ということが第一です。

そのため、おにぎりを作るときにはハンドソープなどでしっかりと手洗いをしましょう。さらに、アルコールで消毒までするとより安心です。また、使い捨てのビニール手袋やラップを利用して素手で直接おにぎりを握らないことが大切です。

食品に菌がつかなければ、繁殖して食中毒を起こす心配も少なくなりますから、まずは手指の清潔と直接食品に触れないことを意識してください。

少量のお酢を加える

続いてのポイントは、ごはんに少量のお酢を加えることです。

お酢には殺菌作用があるため、おにぎりのごはんに混ぜることで傷みにくくする効果が期待できます。

加えるお酢の量は、炊いたごはん3合に対して大さじ1.5~2杯が目安です。お酢を加えるとやや酸味が出るため、お好みに合わせて量を調節してみてください。

ただし、あまりに量が少ないと殺菌効果も弱まるので注意してください。

傷みにくい具材を使う

梅干し
おにぎりに入れる具材も、傷みにくいものを使うことがポイントです。

具体的には、梅干しや塩昆布、焼き鮭、ゆかりなどが適しています。これらの具材は水分が比較的少なく、塩分が多いため傷みにくいのです。

一方、マヨネーズを使ったツナマヨや明太マヨ、加熱されていないたらこやすじこといった具材は、比較的傷みやすい具材です。そのため、食べるまでに時間があったり持ち歩く必要があるときには、これらの具材は避けましょう。

海苔は食べる前に

最後にご紹介するポイントは、海苔は食べる直前に巻くことです。

海苔は乾物であるため、一見傷みにくいように思えます。しかし、海苔を巻くときに素手で触ったり、海苔がごはんの水分を吸収することで傷みやすくなってしまうのです。

そのため、おにぎりに海苔を巻いて食べたいときには、おにぎりとは別にラップなどに包んだ海苔を用意したり、個包装の海苔を利用するなどして、食べる直前に巻くようにしましょう。

こうすることで衛生面でも安心ですし、海苔のパリパリ感も楽しめて一石二鳥です。