カットしたメロン
表面の網目模様が特徴で、果肉は甘くてジューシーな「メロン」。香りもよく、赤肉・青肉など種類によって違う味わいが楽しめるのも嬉しいポイントですよね。

メロンは一年を通してスーパーなどで購入できますが、晩春から夏にかけてが旬であると言われています。サイズや品質にもよりますが、メロンは高級品であるイメージも強いですよね。そのため、贈答品や人が集まる機会など、特別なときに購入するという方が多いかもしれません。

せっかくメロンを購入するのであれば、よりおいしいメロンを選びたいですよね。また、ちょうどよい食べ頃を見極めて最もおいしい状態でいただきたいものです。

今回は、おいしいメロンの選び方と食べ頃の見極め方、またおいしさを長持ちさせるための上手な保存方法についてご紹介します。

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捨てがちなワタにも栄養がたくさん!

カットしたメロン
甘くてジューシーな果肉がたっぷりと詰まっていて、完熟すると香りも一層引き立つ「メロン」。メロンはとてもおいしい食べ物ですが、実は栄養もしっかり詰まっているのです。

メロンを食べるときは、まずは実を半分に切り分け、種を取って切り分けていきますよね。このとき、種と一緒にワタも捨ててしまってはいませんか?

メロンの栄養は果肉だけではなく、捨ててしまいがちなワタにもたくさん含まれています。メロンに含まれる代表的な栄養素について、以下の表でみていきましょう。

メロン(生、赤肉種、露地栽培)可食部100gあたり

栄養素量
エネルギー(kcal) 42
タンパク質(g) 1.0
脂質(g) 0.1
炭水化物(g) 10.4
カリウム(mg) 350
βカロテン(μg) 3600
葉酸(μg) 24
食物繊維(g) 0.5

出典:食品成分データベース
メロンに含まれている代表的な栄養素は、それぞれ次のような働きをしています。

カリウム

カリウムは私たちの身体に欠かせないミネラルのひとつで、主に体内の水分の代謝に関わっています。

細胞内の余分な水分を排出させる働きがあるため、むくみの防止・解消や血圧上昇の抑制に役立ちます。また、筋肉の収縮にも関与しており、不足すると筋力低下に繋がる場合もあります。

βカロテン

βカロテンはビタミンAの一種で、体内に吸収されると必要な分だけビタミンAに変換されます。

また、βカロテンはカロテノイド色素であり、赤肉種のメロンの赤色のもととなっている成分でもあります。そのため、青肉種のメロンは可食部100gあたり140μgのβカロテンが含まれているのに対し、赤肉種のメロンでは3600μgと、なんと26倍以上も多く含まれているのです。

βカロテンは、ビタミンAとして視力の正常維持や皮膚・粘膜の維持、免疫力アップに役立ちます。さらに、抗酸化作用があるため細胞を健康に保ち、抗ガン作用や生活習慣病の予防、アンチエイジングにも効果が期待できると言われています。

葉酸

葉酸はビタミンの一種で、赤血球の産生に必要な成分です。そのため、鉄とともに貧血の予防・改善に繋がります。

また、胎児の神経系の発達にも欠かせない成分であるため、妊産婦さんには特に意識して摂取していただきたい栄養素です。

食物繊維

食物繊維は腸内環境を整え、お通じを改善します。さらに、一緒に摂取した糖や脂質の吸収を穏やかにするため、血糖値や血中脂質の上昇を緩やかにしてくれます。

この他にも、メロンにはビタミンB群が豊富に含まれており、エネルギー代謝や皮膚・粘膜の維持にも役立ちます。

おいしいだけではなく栄養もたっぷり含まれており、メロンを食べておいしく健康になりたいですね!

おいしいメロン選び方

ここからは、おいしいメロンの選び方についてご紹介します。

よりおいしいメロンを選ぶためには、チェックすべきポイントがいくつかあります。それらのポイントについて、詳しくみていきましょう。

まずは形についてです。

甘みの強いメロンは、左右対称で均衡の取れた形をしています。メロンの品種によって平均的な大きさは異なりますが、その品種にあったサイズのものがいいでしょう。

つまり、メロンの品種ごとの平均的な大きさと比べて、大きすぎたり小さすぎたりしない適度なサイズのものがおいしいメロンと言えます。

香り

続いて、香りについてです。

メロンは熟すと、実のおしりの方から甘い香りを発します。特に、実が詰まって甘みが強いもののほうが香りもいいと言われています。メロンの香りを確認するときは、メロンをやさしく持ち上げて実のおしりの方の香りをチェックしてみてください。

重さ

次に、重さについてです。

実が詰まって甘みが強いメロンは、持ち上げたときにずっしりとした重みがあります。

重みがある方がワタと種の割合が低く果肉が厚い傾向があります。甘みが強くて水分もたっぷりと含まれており、メロンのジューシーさを味わえるでしょう。

最後に、皮についてです。

メロンの皮は、色むらがなくハリのあるものがいいでしょう。網目模様のできる品種であれば、網目がメロン全体に細かく均一に張り巡らされており、網目の盛り上がりがはっきりとしているものがおすすめです。

メロンの皮の網目模様が細かく、全体に均一についているものほど、果肉の甘みや香りが強いと言われています。

また、メロンは実のおしりの方から熟していきます。そのため、実のおしりを指で押したときに、適度な弾力があるものを選んでください。やわらかすぎると熟しすぎ、固すぎると未熟であると考えられます。

メロンの上手な保存方法

丸々のメロン
続いて、メロンの上手な保存方法についてご紹介します。

購入した時のメロンの状態にもよりますが、メロンは完熟するまでは比較的日持ちがする食材です。上手にメロンを保存して、おいしい状態でいただきましょう。

食べごろになるまで常温で追熟

メロンはトマトやアボカドと同じように、収穫後に追熟する作物です。そのため、一般的にスーパーや市場などで販売されるときには、少し早めに収穫してやや未熟な状態で集荷されていることが多いでしょう。

メロンを完熟状態でおいしくいただくには、メロンを購入したあとに追熟させる必要があります。

メロンを自宅で追熟させるときは、常温で保存します。未熟なメロンを冷蔵保存してしまうと、追熟しなくなってしまいます。それだけではなく、逆に傷みが早くなってしまう場合もあるため注意が必要です。

追熟させるときの室温は20~25℃が目安で、暑すぎる環境は避けてください。直射日光の当たらない風通しのいい場所にメロンを置いておくのがポイントです。

完熟を見極めるポイント

メロンが完熟したかどうかを見極めるためには、次のようなポイントを確認してみましょう。

・メロンの実、特におしりの方から甘い香りがし、香りが強くなっている
・メロンの実のおしりを指で押すと、適度にやわらかく弾力がある
・メロンのツルが乾燥してしなびている

上記のような特徴が見られたら、メロンが完熟したと判断していいでしょう。

完熟したメロンは、食べる2~3時間前に冷蔵庫に入れて冷やしておくと、ちょうどよく冷えておいしくいただけます。

メロンをはじめとしたフルーツに含まれる糖である「フルクトース(果糖)」は、温度が低いほうが甘みを強く感じることがわかっています。そのため、より強い甘みを楽しみたい場合には、常温よりも冷やして食べるのがおすすめです。

ただし、冷やしすぎるとメロンの甘みや香りが損なわれる原因にもなります。食べる2~3時間前を目安とし、適度に冷やすようにしましょう。

保存期間

メロンを常温保存する場合の保存期間の目安は、追熟させる期間も含めて約7〜10日ほどとなります。

メロンは完熟するまでは常温で日持ちがしますが、完熟したあとは傷みやすくなります。そのため、メロンが完熟したら冷蔵庫で保管し、なるべく早く食べ切るようにしてください。

冷蔵保存する場合

冷蔵庫のドアを開けている
次に、メロンを冷蔵庫で保存する場合についてです。

先ほども説明したように、未熟なメロンを冷蔵庫で保存してしまうと、追熟しなくなってしまいます。そのため、冷蔵庫で保存するのはメロンを追熟させて食べ頃になってからにしましょう。

メロンを冷蔵庫で保存すると、水分が奪われて乾燥しやすくなります。そのため、まるごとのメロンの場合はポリ袋などに入れて軽く口を閉じてから冷蔵庫に入れてください。

カットしたメロンの場合は、メロンの切り口がなるべく空気に触れないようにぴったりとラップをしてください。

保存期間

メロンを冷蔵庫で保存する場合、保存期間の目安は約2〜3日となります。完熟したメロンは傷みやすいため、なるべく早く食べ切るようにしましょう。

冷凍保存する場合

完熟したメロンは日持ちがしませんが、実は冷凍保存しておくこともできるのです。食べ頃になったメロンを冷凍保存しておけば、おいしさはそのままに長期間にわたって保存しておくことができます。

メロンを冷凍保存するための手順は、以下のとおりです。

1.メロンをカットし、種と皮を取り除きます。
2.メロンを一口大の食べやすい大きさにカットします。
3.ジッパー付きの保存袋に並べて入れ、できるだけ空気を抜いて口を閉じ、冷凍庫で保存します。

メロンを冷凍するときは、一度に食べやすい量に小分けしておくと便利です。その場合、小分けしたメロンをラップなどに包み、ジッパー付きの保存袋に入れておくといいでしょう。

保存期間

メロンを冷凍保存する場合、保存期間の目安は約1ヶ月となります。完熟したメロンは冷蔵保存だと2~3日程度が目安となるため、比較するとかなり長期間保存しておくことができます。

冷凍保存だとメロンのおいしさや品質もキープしやすく、食べたいときに食べたい量だけ取り出せるため、おすすめの保存方法です。

おいしい解凍方法

ひと口サイズにカットしたメロン
冷凍保存しておいたメロンは、冷凍庫から取り出してすぐの状態でもおいしくいただけます。冷凍庫から出してすぐ、あるいは半解凍の状態だと、シャーベットのような味わいのメロンを楽しむことができます。

解凍して生のメロンの食感を味わいたい場合には、事前に冷蔵庫に移してゆっくりと解凍させておくといいでしょう。

また、それ以外のおすすめの食べ方としては、ミキサーにかける方法があります。

冷凍状態、または半解凍状態のメロンをミキサーにかけて、ピューレにして使います。メロンピューレをゼリーやシャーベットにしたり、牛乳やヨーグルトと一緒にミキサーにかけてジュースやスムージーのようにしていただくのもおすすめです。

メロンを上手に保存しよう!

おいしいメロンの選び方をはじめ、メロンの追熟方法や上手な保存方法についてご紹介しました。

メロンは購入後に追熟させることで完熟になり、甘みが増して最もおいしい状態になります。完熟したメロンの食べ頃を見極めて、よりおいしくメロンを味わってください。

また、完熟後のメロンは傷みやすく、日持ちがしません。しかし、保存方法を変えればおいしさをキープしつつ長期間保存してくことができるのです。おいしいメロンを上手に保存して、メロンのおいしさを存分に味わってくださいね!