あっさりしていてどんな料理にも合わせやすく、調理のしやすいカリフラワーは便利な野菜の一つです。
しかし、一回で食べきれない場合もありますよね。「食べきらないうちに悪くしてしまう」という方も多いでしょう。そんな方のために、今回はカリフラワーのおいしさをそのままに、長期間保存する方法をご紹介します。
知ってる?カリフラワーとブロッコリーの違い
もこもことした見た目がそっくりなカリフラワーとブロッコリーの違いをご存知でしょうか?実はカリフラワーとブロッコリーはどちらもキャベツの仲間で、アブラナ科の野菜です。カリフラワーは別名「花きゃべつ」「ハナヤサイ」「ハナカンラン」などど呼ばれています。
ブロッコリーの突然変異で生まれたといわれており、15~16世紀頃からヨーロッパやアメリカで品種改良されたのが、現在のカリフラワーであるとされています。
日本に伝来したのは第二次世界大戦後ですが、先に日本で広く食べられるようになったのはカリフラワーだったそうです。
今ではブロッコリーのほうが一般的ですが、1980年代以降に緑黄色野菜の重要性が認知されるまでは、カリフラワーのほうが多く生産されていたのです。
味と触感を比べると、ブロッコリーはほんのりとした甘味と独特の風味があり、シャキッとした食感をしています。それに対して、カリフラワーはクセのないあっさりとした味わいで、食感はさっくりとしています。
さらに、栄養分にも違いがあります。淡色野菜であるカリフラワーに対して、ブロッコリーは緑黄色野菜です。
そのため、ブロッコリーには色素成分でもあるβカロテンが豊富に含まれています。また、ブロッコリーにはビタミンEや葉酸も豊富です。
一方カリフラワーは、エネルギーがブロッコリーよりもやや低く、カリウムやパントテン酸がブロッコリーよりも多く含まれています。
どちらにもビタミンCが含まれていますが、その量はブロッコリーのほうがやや多くなっています。しかし、カリフラワーに含まれるビタミンCは加熱に強いといわれており、より効率よくビタミンCを摂取することができるのが特徴です。
美味しいカリフラワーの選び方
カリフラワーを美味しく保存する方法をお伝えする前に、まずは美味しいカリフラワーの選び方をご紹介しましょう。野菜にとって鮮度がいいということはすなわち美味しさに比例します。ですから、美味しいカリフラワーを選ぶポイントはイコール、新鮮なカリフラワーを選ぶということにつながるのです。
1.葉が生き生きとしている
収穫したばかりのカリフラワーは白いつぼみの部分のまわりについている葉が、ピンとしていて艶があり、生き生きとしています。緑が濃く、生き生きとしている葉のついたカリフラワーは鮮度がよい証です。
2.枝の切り口がみずみずしい
葉が生き生きとしていることに加えて、新鮮なカリフラワーは枝の切り口がみずみずしいのが特徴です。乾燥していたり空洞化してカサカサしているものは枝を切ってから時間が経っていることを意味します。カリフラワーを購入する時には切り口にも注目してみてくださいね。
3.白い部分が硬く、重みがある
収穫したばかりの新鮮で美味しいカリフラワーは、白いつぼみの部分がぎゅっと固まっています。また、水分と栄養が隅々まで行き渡り、ずっしりと重みがあるのも特徴です。
スーパーや八百屋さんで購入する際にはいくつかのカリフラワーを手に取って重さを比べてみるとよくわかりますよ。
カリフラワーに含まれる栄養素
カリフラワー(花序、生)可食部100gあたり | 栄養素量 |
エネルギー(kcal) | 27 |
タンパク質(g) | 3.0 |
脂質(g) | 0.1 |
炭水化物(g) | 5.2 |
カリウム(mg) | 410 |
カルシウム(mg) | 24 |
ビタミンB1(mg) | 0.06 |
ビタミンB2(mg) | 0.11 |
葉酸(μg) | 94 |
パントテン酸(mg) | 1.30 |
ビタミンC(mg) | 81 |
食物繊維(g) | 2.9 |
カリフラワーは100gあたりタンパク質が3.0g、脂質が0.1gと野菜の中では高タンパク低脂質な食材です。
炭水化物から食物繊維を除いたものである糖質はカリフラワー100gあたり2.3g、エネルギーは27kcalです。エネルギー・糖質ともに低くダイエットや減量中にも役立ちます。
さらに、それぞれの栄養素の持つ働きと効果についてもみていきましょう。
カリウム
カリウムは私たちの身体に欠かせないミネラルのひとつで、主に体内の水分の代謝に関わっています。細胞内の余分な水分を排出させる働きがあるため、むくみの防止・解消や血圧上昇の抑制に役立ちます。
カルシウム
カルシウムは体内で歯や骨の原料となるだけではなく、筋肉の収縮にも欠かせないミネラルです。
また、カルシウムが不足すると肥満を引き起こしたり、高血圧や動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病の原因にもなるといわれています。
ビタミンB1
ビタミンB1は水溶性ビタミンで、糖代謝やアミノ酸代謝、エネルギー代謝に関与しています。
そのため、摂取した糖などの栄養素をスムーズにエネルギーに変換するために必要な栄養素です。また、神経機能の正常維持にも役立っています。
ビタミンB2
体内で主に補酵素として働き、脂質代謝やエネルギー代謝に関与しています。また皮膚・粘膜の正常維持にも役立ちます。
葉酸
葉酸は水溶性ビタミンの一種で、アミノ酸・タンパク質代謝に関与しています。また、赤血球の正常な産生や、胎児の神経系発達でも重要な役割を果たしており、特に女性や妊産婦で不足しないよう注意が必要な栄養素のひとつです。
パントテン酸
パントテン酸は糖質やアミノ酸、脂質などに広く関与しています。、エネルギー代謝にも関わっているため、疲労回復にも役立ちます。通常の食事をしていれば不足することは少ないですが、不足すると頭痛や不眠、疲労感、食欲不振などを引き起こす可能性があります。
ビタミンC
ビタミンCは水溶性ビタミンで、体内の物質代謝や酸化還元反応などに広く必要とされる成分です。免疫力アップやコラーゲンの生成を助けます。
また、鉄分の吸収を促進する作用があり、貧血の予防・改善にも効果的です。さらに、抗酸化作用がありアンチエイジングや生活習慣病の予防にも役立ちます。
食物繊維
食物繊維は腸内環境を整え、お通じを改善します。さらに、一緒に摂取した糖や脂質の吸収を穏やかにするため、血糖値や血中脂質の上昇を緩やかにしてくれます。
カリフラワーの保存方法
冷蔵保存する場合
カリフラワーは傷みが早いため、できるだけ早めに調理をするのが望ましいのですが、冷蔵保存する場合には水分を逃がさないように注意しましょう。
そのため、保存する際はきっちりラップをして空気に触れないようにするか、密閉できる容器やビニール袋にカリフラワーを入れましょう。白い部分が周りに当たると、そこから傷みますので、できるだけ冷蔵庫の中で立てて保存するようにしてください。
保存期間
約1週間
冷凍保存する際は茹でてから
冷凍保存する場合には、固めに茹でておきましょう。電子レンジで加熱したり蒸し器を使う方法でも構いません。生のまま冷凍することも可能ですが、生のまま冷凍すると解凍したときに風味が損なわれてしまいます。
そのため、加熱してから冷凍する方法をおすすめします。食感を残すため、茹でたあとはできるだけ速く冷凍するといいでしょう。
茹でたカリフラワーをまんべんなく速く冷凍するためには、保存容器に入れて冷凍するのではなく、少し広めのバットや皿などに固ゆでしたカリフラワーを重ならないように均等に載せていっきに冷凍するのがおすすめです。
保存期間
約1ヶ月