作り方
1.溶き卵に牛乳、砂糖、バニラエッセンスを加える。
2.食パンのミミをカットし、卵液に12時間浸す。
浸す時間を除けば、ここまでは普通の作り方となんて変わらない。
ポイント
冷蔵庫へ入れるときはしっかりとラップをすること。隙間が空いていると表面が乾いてしまい、食パンがパサパサになってしまう。あまりないとは思うが、冷蔵庫の匂いが強烈な場合、その匂いが食パンにも移り美味しさが半減してしまう、なんてこともありうるかもしれない。
12時間経過
表面まで卵液が行き届いていた。側面はちょっと“ぼよっと”なっているようにも見える。
3.ひっくり返し、さらに12時間浸す。
最初に12時間浸した表面は真っ黄色。この状態でも充分美味しそうだ。
ポイント
卵液をたっぷりと含んだ食パンはずっしりと重く、ぼよぼよの状態のため、雑にひっくり返してしまうと形が崩れてしまう可能性がある。そのため、ひっくり返す作業は優しく慎重に。ヘラなど面積の大きいものを使って返すようにすると上手に返せるだろう。
4. 片面12時間ずつ浸したあと、熱しすぎないフライパンにバター少々、サラダオイル少々入れ、弱火で蓋をし、約15分じっくり焼く。
焼き時間も普通じゃない…
片面12時間浸すことに驚いた人もいるだろう。しかし、時間のかかる工程は「浸す」だけではなかった。「焼く」工程にもたっぷりと時間をかけるのだ。弱火でじっくりと火を通すことによって、中身がふっくらと仕上がるのだそう。両面で計30分…。
5.仕上げに粉糖やメープルシロップをかけたら出来上がり!
過去最高のしっとりさ!
焼いていたときにびっくりしたことがある。それは、火が入っていくごとにフレンチトーストがふわっと膨れ上がっていくこと。ぷっくりと膨れ上がったフレンチトーストは、表面も艶やか。軽くヘラで押してみると、これまで作ったものとは比べものにならないくらい柔らかかった。
肝心のお味はというと、ふわっとしていて、噛むとほろほろと崩れる感じ。これまでのフレンチトーストは噛んだときに“食パンを食べている”という感覚があったが、この「ホテルオークラ特製フレンチトースト」はその感覚がまったくない! 噛まなくとも舌の力だけで崩れていく。
しっとりとした生地からはバターがじゅわっと溢れ出て、卵の優しい味と砂糖のほのかな甘みが口の中に残る。味といい食感といい、これまで作ったフレンチトーストのなかで間違いなくナンバーワンのクオリティだった!
出来立てをすぐに食べること
焼き終えたあと、撮影に時間をかけていたらすぐにフレンチトーストは縮んでしまい、“しっとりさ”を失ってしまった。ものすごいスピードでしっとりさを失っていくので、作ったあとはできるだけ早めに食べるようにしてほしい!
長時間の仕込みがネック
率直な感想を述べるとめちゃくちゃ美味しかった。毎朝食べたいくらいだ。しかし、ネックとなるのが食べるまでに時間がかかりすぎること。「浸す」工程に12時間×2、「焼く」工程に15分×2で最低でも24時間30分はかかることになる。
空いた片手間に作って食べる、という代物ではないので、興味のある方は休みの日に挑戦されることをおすすめする。