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焼く前の下準備

さんまに切り込みを入れている
新鮮でおいしいさんまを購入したら、より美味しくいただくために下準備をしましょう。

下準備は面倒なイメージがありますが、これをやるのとやらないのでは焼き上がりの見た目も味も大違いです。手間もかからないので面倒がらずに下準備をしてくださいね。

臭みやぬめりを取り除く

さんまの表面は汚れていないように見えてもぬめりや汚れがついています。この汚れやぬめりは臭みの原因となるものなので、そのまま焼くと臭いが残りおいしくありません。

さんまの汚れやぬめりは水だけではなかなか落ちづらいので、水1リットルに大さじ2杯程度の塩と大さじ1杯程度の片栗粉を混ぜたものでやさしく洗うのがおすすめです。

濃いめの塩水による浸透圧効果と、片栗粉のぬめり取りの効果でしっかりと臭みの元を取り除けます。

強く洗いすぎると皮が破れたり旨味まで逃げてしまうので、洗いすぎないように注意してくださいね。

洗い終わったら、鱗が残っていないかもチェックしましょう。さんまの鱗は取れやすいので水揚げの段階や洗うときに取れてほとんど残っていませんが、時々残っていることもあります。もし鱗が残っていたら、包丁でそっと撫でるように優しくこそいでください。

切り込みを入れる

さんまを洗ったら、焼く前に忘れずに切り込みを入れましょう。さんまに切り込みを入れる理由は3つあります。

まず、切込みを入れることで中まで火が通りやすくなり、外はよく焼けているのに中は半生だった、という失敗を防げます。

また、切れ目を入れずに焼くと中の空気が膨張して身が割れてしまいます。切れ目を入れることでその部分から空気が逃げ、きれいに焼き上がります。

最後に、切れ目を入れておくことで箸できれいに食べやすくなるという理由です。洗ったさんまの水気をよく拭き取ってから、包丁で皮だけに浅く切り込みを入れましょう。

切り込みは好みで横一文字や×印など色々な入れ方がありますが、横一文字に長く入れておくと食べるときにきれいに皮ごと食べられるのでおすすめです。

半分に切ってから焼いてもいい?

フライパンで焼く場合、さんまが大きすぎて半分に切らないと入らないことがありますよね。この場合は半分に切って焼いても大丈夫です。

また、フライパンに入る場合でも大きすぎてひっくり返すのが大変なときや、片面焼きの魚焼きグリルでひっくり返す必要があるときも、難しいと思ったら半分に切ってしまいましょう。

一匹まるごと焼いたさんまは見た目も美しいですが、ひっくり返すのに失敗して皮が剥がれたり、身が崩れてしまうよりは半分に切ったほうがよい見た目になります。

塩を振る

塩は味付けだけではなく、身をぷりっと焼き上げるために重要な役割を果たします。

さんまはキッチンペーパーで水気を拭き取っても、皮の下にまだ余分な水分が残っています。この水分を塩の浸透圧で外に出してあげることで、身が引き締まってぷりっとした焼き上がりになります。

塩は焼く直前よりも、5〜20分前にパラパラとふりかけていきます。少し時間を置くことで、塩がさんまの中まで入り込んで程よく水分が抜けますよ。長めに時間をおけば塩味がしっかり入るので、醤油なしでもおいしく食べられます。

余分な水分が滲み出てくるので、焼く前にもう一度キッチンペーパーでしっかりと水分を拭き取るようにしましょう。

化粧塩で見た目を美しく

また、より美しくさんまを焼く為に化粧塩をするのがおすすめです。化粧塩とは焼く前に魚のヒレや尻尾に塩をつけておくことで、プロの料理人の間では定番のテクニックです。

魚のヒレや尻尾は薄いので、そのまま焼くと魚が焼き上がる前に火が入りすぎ焦げてボロボロになってしまいます。塩をつけておくとその部分の温度が上がりすぎず、焦げ付きを防いでピンとした美しい仕上がりになるんです。

化粧塩のやり方は簡単で、まず塩を多めにお皿や容器に入れておきます。そこにさんまの尻尾やヒレを押し付けるようにして塩をまんべんなく付けていきましょう。

このテクニックは他の魚でも同じように使えます。手軽に見た目をワンランクアップできるので、ぜひ覚えておきましょう。

さんまの上手な焼き方

秋刀魚の塩焼き
ここまでで下準備は完了です。

あとは焼くだけですが、焼き方にもコツがあります。このコツを抑えることで身崩れや皮がボロボロになってしまう、焦げや半生などの失敗を防ぐことができるので、焼く前にしっかりと覚えておきましょう!

魚焼きグリルは余熱とさんまの位置が肝心

さんまを魚焼きグリルで焼くとき、冷たいグリルに入れていませんか?これはパサパサとした焼き上がりの原因につながります。

冷たいグリルからじわじわ焼いてしまうと、余分な水分だけではなく必要な水分まで抜けてパサパサとした焼き上がりになってしまいます。

これを防ぐには、さんまを入れる前にグリルを強火で3〜5分ほど予熱してしっかりと温めておきましょう。さんまは高温で一気に表面を焼き固めることで、水分が抜けすぎてパサパサになるのを防げます

魚焼きグリルで焼くときのもう一つのポイントは、さんまを置く位置です。魚焼きグリルの熱源はコンロによって網の両サイドまたは中央にありますが、さんまはちょうど熱源の近くに来るように置きましょう。

つまり、両サイドに熱源がある場合は網の中央ではなく、端の方にさんまを置くのが正解です。熱源が遠いとやはり表面が早く焼き固まらずに、水分が抜けすぎてパサパサとした焼き上がりになってしまうのです。

魚焼きグリルの場合、しっかりと予熱したグリルに入れたら強めの中火で焼いていきましょう。片面焼きなら5〜7分で焼き目がつくので、ひっくり返してもう5〜7分焼いて焼き上がります。

両面焼きの場合はひっくり返さずに10分ほど焼けば、プリッとふっくらとしたおいしいさんまが焼き上がりますよ。

フライパンで焼くコツはじっくり時間をかけること

魚焼きグリルがなかったり、後片付けが面倒で魚焼きグリルを使いたくない場合はフライパンを使うと手軽に焼けます。

フライパンで焼くときのコツはまず、フライパン用の魚焼きシートを使うことです。さんまの皮は剥がれやすいので、そのままフライパンで焼くとどうしても皮がフライパンにくっついて剥がれてしまいます。

フライパン用の魚焼きシートは特殊なコーティングがされているので、油をひかなくても皮がくっつかず、きれいに焼けますよ。フライパンの油残りや焦げ付きもほとんどないので、洗うときも簡単です。

次に、フライパンで焼くときは冷たいフライパンから弱火〜中弱火でじっくりと焼くことがコツです。

魚焼きグリルでは予熱と強めの中火で焼くのに?と思うかもしれませんが、網焼きと違ってフライパンの場合はフライパンが触れている表面だけ高温になりやすく、火が強いと中に火が通るまでに表面が黒焦げになってしまうのです。

このため、フライパンでは弱火でじっくり火を入れていきましょう。目安としては、片面7〜8分焼いて焼き色がついたらひっくり返してもう7〜8分焼きます。両面にきれいな焼き色がついたら完成です。

フライパンで焼いたさんまは魚焼きグリルのような皮のパリパリ感はありませんが、後片付けが簡単で気軽に焼けるのでおすすめです。

トースターは焼き加減をこまめに確認して

魚焼きグリルは使いたくないけれど皮のパリパリ感はほしい、という場合はオーブントースターを使うのもおすすめです。

オーブントースターを使う場合もしっかりと予熱で温めておくのがぱさつかずに焼くコツです。

また、オーブントースターでは網に直接さんまを乗せてしまうと落ちた脂が下側のヒーターに触れてとても危険です。下側にヒーターがない場合でも皮が網にくっついてしまうので、オーブントースターを使う場合は必ず天板の上にホイルを敷いてからさんまを乗せるようにしてくださいね。

このとき、フライパン用の魚焼きシートをホイル代わりに使ったり、アルミホイルに油を塗っておくとくっつかずに焼けますよ。オーブン用のクッキングペーパーは温度の高いオーブントースターでは燃えてしまう危険性が高いので、絶対にやめてください。

オーブントースターで焼くときは、機種によって焼き加減が異なるので様子を見ながら10分ほど焼きましょう。使い終わったあとのトースターは庫内に脂や汁が残っていると臭いの原因となってしまいます。他の料理にも臭いが移ってしまうので、早めに庫内を掃除してくださいね。

七輪で焼けば極上の美味しさに!

さんまを七輪で焼いている
手間を惜しまず最高の焼きさんまを食べたい!という場合は、七輪で焼くのが最もおすすめです。

炭と七輪自体が発する遠赤外線でじっくりと焼いたさんまは外はパリパリ、中はふっくらジューシーな焼き上がりで、魚焼きグリルとはひと味もふた味も違う味わいになりますよ。

七輪で焼く場合のコツは、まずさんまがすっぽりと入るサイズの七輪を使うことです。

さんまが七輪からはみ出ていると焼きムラができ、しっかりと焼くことができません。よく見る丸型の七輪はさんまがはみ出してしまうことが多いので、角型の七輪がおすすめです。

次に七輪では火加減と風に注意しながら焼くことが重要です。魚焼きグリルやガスコンロと違って炭火を使う七輪は火力の調節が難しいのです。火力が十分になく生焼けになってしまったり、風で消えてしまわないように気をつけましょう。

七輪焼きさんまの焼き方はまず、焼く前にしっかりと七輪の炭を起こします。炭に十分に火がついて、しっかりと温まってからさんまを乗せるようにします。

風を防ぐためには、ダンボールなどで周囲を囲ってあげるのが最も手軽で確実な方法です。できれば七輪がちょうどすっぽり収まるサイズのダンボールの上下を開けて、囲うように立ててあげると良いでしょう。ダンボールで囲ってあげると熱が逃げるのも防げるので、より効率的にさんまが焼けます。

焼いている間も、火加減を常に注意しておきましょう。炭火は場所によって火力が一定ではなく、安定しません。さらにさんまから滴り落ちる脂が燃えて火柱が立ち、その部分だけ黒焦げになってしまうこともあります。

このような失敗を防ぐため、さんまをこまめにひっくり返したり火柱に当たらないように位置を調整するなどして、焦げすぎないように焼いていきましょう。

ちょっと焼きすぎかな?というくらいに焼き目がつくくらいが七輪焼きさんまの焼き上がりの目安です。七輪焼きさんまは慣れないとなかなか難しいですが、ぜひマスターしてみてくださいね。