食べる前に気をつけるべきこと
続いて、にんにくの副作用を起こさないためのポイントについてご紹介します。
副作用を防ぐためには、にんにくを食べる前にポイントがあります。それぞれ具体的にみていきましょう。
空腹時に食べない
まずは、にんにくを空腹時に食べないことです。
空腹の状態で胃腸に食べ物が入ってくると、消化液が分泌されやすくなります。さらに、にんにくに含まれるアリシンなどの成分による刺激が加わることで、胃腸の粘膜や胃壁が過剰に刺激を受けることになります。
これを防ぐために、にんにくを食べる前には先に他の食べ物や飲み物で空腹を解消しておきましょう。
アリシンは水に溶けやすい
アリシンは水溶性の成分であるため、飲み物や水分の多い食品を摂ると、スムーズに代謝・排出しやすくなります。また、タンパク質やカテキン、ポリフェノールと結合する性質があり、それによって刺激も弱まることがわかっています。
そのため、カテキンを豊富に含む緑茶やポリフェノールを豊富に含むりんごやココア、タンパク質を豊富に含む牛乳・乳製品や豆乳・豆製品、肉、魚といった食品を摂取することがおすすめです。
ちなみに、アリシンはにんにくのニオイのもととなる成分でもあります。そのため、これらの食品を一緒に摂取することで、にんにく特有のニオイを抑えてくれる効果も期待できるのです。にんにくの副作用も防ぐことができ、一石二鳥ですね。
加熱してから摂取する
次にポイントとなるのは、にんにくを加熱してから摂取することです。
生のにんにくには「アリイン」という成分が含まれています。このアリインが同じくにんにくに含まれている酵素によって、アリシンへと変化するのです。したがって、にんにくを加熱して酵素を不活性化することで、アリシンが生成されるのを防ぐことができます。
アリシンの生成量が減ることで、胃腸への刺激も抑えることができるため、副作用の予防につながるというわけです。
さらに、さきほども説明したようにアリシンはにんにくのニオイのもとであるため、にんにくのニオイの抑制にも役立ちます。
腹痛になった時の対処法
にんにくを消化吸収する能力には個人差があります。そのため、にんにくを食べるときに気をつけていても、腹痛になってしまう場合もあります。そんなときにはどうしたらよいのでしょうか?
にんにくを食べて腹痛になってしまったときの対処法をご紹介します。
水分を摂る
まずは水分を摂りましょう。にんにくに含まれる刺激成分であるアリシンは、水溶性の成分です。
そのため、水分を摂ることで汗や尿として排出しやすくなります。胃腸への刺激を抑えるために、氷の入った冷たい水ではなく、お白湯や温かいお茶などがおすすめです。
乳酸菌を摂る
にんにくが原因で腹痛が起こった場合には、腸内細菌のバランスが崩れている可能性があります。そのため、乳酸菌を多く含む食品を摂ると良いでしょう。
具体的には、発酵食品であるヨーグルトや納豆、チーズ、味噌などがあります。キムチも発酵食品ですが、辛味成分が胃腸への刺激となるため、腹痛時には控えたほうがよいかもしれません。
ヨーグルトにオリゴ糖やはちみつをかけて食べたり、あたたかいお味噌汁を飲んだりすることがおすすめです。
にんにくアレルギーが原因の場合も
にんにくを食べたときに高確率で身体に不調が現れる場合には、にんにくアレルギーである可能性もあります。アレルギーの場合、腹痛や下痢のほか、吐き気や皮膚のかゆみ、じんましん、めまいなどの症状が現れる場合があります。
少量のにんにくでも体調に変化が現れる場合には、にんにくを消化吸収する能力が低いか、アレルギーであることが考えられるため、心配であれば病院でアレルギーの診断をしてもらうとよいでしょう。
適切に摂取しておいしく健康効果を得よう!
私たちの身体にとって嬉しい健康効果をもたらしてくれるにんにくですが、食べ過ぎると腹痛や皮膚の以上など、悪影響をおよぼす可能性があることがわかりました。
適量を守っておいしく健康効果を得たいですね。今回ご紹介したにんにくを食べるときのポイントを抑えて、副作用を予防しながら上手く食事に取り入れてくださいね!