手のひらに載ったミニトマト
カラフルで料理の彩りに便利なミニトマト。パックや袋詰で売っていることが多く、使いきれずに余らせてしまいがちという人も多いのではないでしょうか?

今回は、そんなミニトマトを無駄にしない、上手な保存方法と使い方を紹介します!おいしい調理方法や1ヶ月近く保存できる方法も紹介しているので、特売でたくさん買ったときなど、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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ミニトマトのカロリーはどれくらい?

ミニトマトのカロリーはいったいどれくらいなのでしょうか?ミニトマトに含まれる代表的な栄養素とともにみていきましょう。

可食部100gあたり 含有量
エネルギー(kcal) 29
タンパク質(g) 1.1
脂質(g) 0.1
炭水化物(g) 7.2
カリウム(mg) 290
βカロテン(μg) 960
ビタミンB6(mg) 0.11
ビタミンC(g) 32
葉酸(μg) 35
食物繊維(g) 1.4

参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂) 野菜類

ミニトマトのカロリーは、可食部100gあたり29kcalです。ミニトマト1個が10~20g程度ですから、1個あたり約3~6kcalとなります。

炭水化物は100gあたり7.2gですが、そのうちの1.4gが食物繊維で糖質は5.8gです。

続いて、ミニトマトに含まれる代表的な栄養素について、その働きや効果をみていきましょう。

カリウム

カリウムは私たちの身体に欠かせないミネラルのひとつで、主に体内の水分の代謝に関わっています。

細胞内の余分な水分を排出させる働きがあり、むくみ防止・解消や血圧上昇の抑制に役立ちます。また、筋肉の収縮にも関与しており、不足すると筋力低下に繋がる場合もあります。

βカロテン

βカロテンはビタミンAの一種で、体内に吸収されると必要な分だけビタミンAに変換されます。

また、βカロテンはカロテノイド色素であり、ミニトマトの赤色の素となっている成分でもあります。βカロテンは、ビタミンAとして視力の正常維持や皮膚・粘膜の維持、免疫力アップに役立ちます。

さらに、抗酸化作用があるため細胞を健康に保ち、抗ガン作用や生活習慣病の予防、アンチエイジングにも効果が期待できると言われています。

トマトに含まれるβカロテンは100gあたり540μgであるのに対し、ミニトマトは960μgとトマトの約2倍です。同じトマトでも、含有量に大きな差があります。

ビタミンB6

ビタミンB6は糖質やアミノ酸、脂質の代謝に関与しています。また、セロトニンやドーパミン、アドレナリンといった生理活性物質の合成にも必要な成分です。ホルモンの働きを調整する働きも担っており、不足すると口内炎や皮膚炎、貧血の原因にもなります。

ビタミンC

ビタミンCは水溶性ビタミンで、体内の物質代謝や酸化還元反応などに広く必要とされる成分です。免疫力アップやコラーゲンの生成を助けます。

また、鉄の吸収を促進する作用があり、貧血の予防・改善にも効果的です。さらに、抗酸化作用がありアンチエイジングや生活習慣病の予防にも役立ちます。

ミニトマトに含まれるビタミンCは100gあたり32mg、トマトに含まれるビタミンCは15mgです。βカロテンと同様に、ミニトマトはトマトの約2倍のビタミンCが含まれています。

葉酸

葉酸はビタミンの一種で、赤血球の産生に必要な成分です。そのため、鉄とともに貧血の予防・改善に繋がります。また、胎児の神経系の発達にも欠かせない成分であるため、妊産婦さんは積極的に摂取することが推奨されています。

食物繊維

食物繊維は腸内環境を整え、お通じを改善します。さらに、一緒に摂取した糖や脂質の吸収を穏やかにするため、血糖値や血中脂質の上昇を緩やかにしてくれます。

リコピン

上記の表には記載されていませんが、ミニトマトにはリコピンも豊富に含まれています。

「リコピンといえばトマト」といっても過言ではないほど、トマトに含まれる代表的な栄養素のひとつです。リコピンはカロテノイドと呼ばれる赤色の色素のひとつで、同じくカロテノイド色素であるβカロテンなどとともに、トマトの赤色の素となっています。

同じカロテノイドの中でもリコピンは特に抗酸化作用が強く、その効果が高いといわれています。

同様に抗酸化作用が強いといわれているビタミンEと比べても、リコピンの抗酸化作用は100倍以上あるともいわれています。そのため、リコピンは抗ガン作用や生活習慣病の予防などに高い効果が期待できます。

ミニトマトの食べ過ぎによる影響

栄養豊富でおいしいミニトマトですが、食べ過ぎると身体に悪影響を及ぼす可能性もあります。

ミニトマトには「シュウ酸」という成分が含まれており、過剰に摂取し続けると、尿路結石を引き起こす可能性があります。

尿管結石について

尿路結石とは、尿を作る腎臓から尿を排泄する尿道までの経路に結石ができる疾患です。結石はシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムなどが結晶化したもので、これができると脇腹のあたりに激しい痛みが生じます。

これを予防するためには、シュウ酸を多く含む食品を摂り過ぎないようにしたり、調理の過程で取り除くといった工夫をすると効果的です。

シュウ酸はミニトマトのほかにもホウレンソウや小松菜、キャベツ、ブロッコリーといった野菜に多く含まれていますが、茹でることでシュウ酸が溶出します。こういった野菜を食べるときには、下茹でや茹で調理をすると良いでしょう。

また、カルシウムを一緒に摂取すると、シュウ酸と結合して体内に吸収されずに便として排出されることがわかっています。そのため、シュウ酸を多く含む食品を摂るときは、乳製品などカルシウムを多く含む食品を一緒に食べることもおすすめです。

また、ミニトマトは夏野菜でカリウムを多く含みます。そのため、水分を排出して身体を冷やす作用があります。食べ過ぎると身体の冷えや代謝の低下につながるため、食べ過ぎには注意しましょう。

トマトの食べ過ぎによる影響は『トマトは食べ過ぎると身体が冷える!?食べ過ぎによる影響や賢い食べ方を解説!』でも説明しています。

参照:尿路結石症診療ガイドライン 2013年版

ミニトマトは普通のトマトより甘い!?

ミニトマトと大きいトマト
可愛らしい見た目とひと口サイズの食べやすさでお弁当やおつまみに大活躍のミニトマトですが、実は甘みも栄養も普通のトマトより高いんです。

そもそも「ミニトマト」や「プチトマト」という特別な品種はなく、5g〜30gくらいの小さいトマトをまとめて“ミニトマト”と呼んでいるんです。ミニトマトに分類される品種は丸いものや細長いもの、赤や黄色など色や形のバリエーションがたくさんあります。

そしてトマトの甘みや栄養は大きさに関係しており、小さいトマトのほうがよりぎゅぎゅっと濃縮されているんです。

生のまま彩りに使うイメージの強いミニトマトですが、栄養価や甘みの高さを活かしてスープやトマトソース、煮物や焼き料理など、大きなトマトの代わりに使うのもおすすめです。まるごと瓶に入れやすいので、ピクルスやオイル漬けにしてもおいしく食べられますよ。

甘くて美味しいミニトマトの選び方

おいしいミニトマトを選ぶには、いくつかの重要なポイントを抑えておくことが肝心です。ポイントは、色・ハリツヤ・みずみずしさです。

ミニトマトは品種によって色がさまざまですが、どの品種でも実とヘタの色が濃く、鮮やかなものを選びましょう。色が褪せていたり薄いもの、ヘタが茶色く枯れかけているものは避けます。

さらに、身にハリやツヤがあり、ぷりっとみずみずしいものがおいしいミニトマトです。シワシワになっているものや、身が割れてしまっているものは熟しすぎていておいしくありません。また、ぶつかったような傷ができているものも痛みやすいのでやめておきましょう。

ミニトマトのおしりが黒い場合は“尻腐れ病”と言って、成長時の栄養不足や水やりの失敗が原因です。腐っているわけではないので気になるところを切り取れば食べられますが、避けるか調理に使って早めに食べてしまうのがおすすめです。

お弁当やおかずの飾りに少しだけ使うのにパックで買ってしまったり、思いがけず家庭菜園でたくさん収穫できたり、ミニトマトが使いきれずに余ってしまうことも多いのではないでしょうか?

そんなときに傷んで無駄にならないように、上手な保存方法を紹介します!常温や冷蔵保存だけでなく、長期間保存できる冷凍保存や、ひと味違ったドライトマトにオイル漬けなど、ミニトマトはさまざまな形で保存できます!

使いたい料理に合わせていろいろな保存方法を試してみてくださいね。