低カロリーでぷるんとした食感が楽しいこんにゃくは、おでんや煮物に欠かせない食材ですよね。でも、こんにゃくの歴史や種類など、意外と知らないことも多いのではないでしょうか?
今回はこんにゃくの豆知識や選び方、上手な保存方法を紹介します! お肉の代わりに使える冷凍こんにゃくの作り方も紹介するので、こんにゃく料理のレパートリーを増やしたいときなどにぜひ参考にしてみてくださいね!
何処からきた?こんにゃくのルーツ
ぷるんっとした独特の食感と低カロリーが特徴のこんにゃくは、「こんにゃく芋」という芋から作られています。そして、こんにゃく芋の故郷は日本から遠いインドシナ半島なんです。
日本へは、縄文時代に里芋と一緒にやってきたのが始まりという説や、中国経由で仏教と共に伝わったという説など、さまざまな説がありますが、実は今のところ正確なことはわかっていません。
そのままでは煮ても焼いても食べられない、こんにゃく芋からこんにゃくを作る方法を一体誰が発明したのかもわかっておらず、いまだに謎の多い食材です。
中国では紀元前から栽培されていた記録がある歴史の古い作物ですが、日本で本格的に定着したのは江戸時代といわれており、安定して生産されるようになったのは実は戦後です。
こんにゃく芋はとてもデリケートで栽培も保管も難しい作物のため、安定した生産が難しかったのが理由のひとつです。
どれだけ知ってる?こんにゃくの種類
そんな歴史のあるこんにゃく芋ですが、加工の仕方によってさまざまな形の種類があります。
ちなみにどの形のこんにゃくにも、黒いものと白いものがありますが、これはこんにゃく芋をそのまま使っているのか、精製した“こんにゃく粉”を使っているかどうかの違いです。
精製していない生こんにゃく芋を使ったこんにゃくは、皮も使うため黒くなり、こんにゃく粉を使ったこんにゃくは皮が除かれているので白くなります。
昔からこんにゃくを作っている地域では黒こんにゃくが好まれ、馴染みのない東北や北海道では白こんにゃくが好まれる傾向があります。
ときどき白こんにゃくにも黒い点が入っていることがありますが、これはこんにゃく芋の皮が入ってしまったことによるものです。
最近は保存や加工のしやすさから、黒こんにゃくでも精製された粉を使うものも多いです。その場合は、黒色にするためにひじきなどの海藻を混ぜています。
それでは、それぞれのこんにゃくの特徴をみていきましょう。
板こんにゃく
こんにゃくを固めるときに板を使って成形したもので、こんにゃくといえばこの形をイメージする人も多いのではないでしょうか。
料理に合わせて色々な形にカットできるので、オールマイティに使いやすいこんにゃくです。
玉こんにゃく
こんにゃくを固めるときに型を使わずに、丸めて茹でると玉こんにゃくになります。コロンと可愛い形でおでんや鍋料理、煮物などに好まれます。一般的な白と黒の他にも、ピンクや緑色などカラフルな色があり料理のアクセントにも使えます。
特に山形県では醤油で煮た玉こんにゃくを「玉こん」と呼び、串にお団子のように刺した熱々の玉こんにゃくがソウルフードとして愛されています。
つきこんにゃく
つきこんにゃくは、板こんにゃくをところてんのようなつき器で突き出したものです。糸こんにゃくと混同されがちですが、こちらは板こんにゃくを作ってから細く突き出すタイプのこんにゃくです。
板こんにゃくの程よい弾力と硬さを残しつつも、細いので味がしみやすいという利点があります。
糸こんにゃく
糸こんにゃくはまだ固まる前の柔らかい状態のこんにゃくを細い穴に通しながら茹でたものです。白いものはしらたきとも呼ばれています。
つきこんににゃくよりもさらに細く味がしみやすいので、和え物やすき焼きに使われることが多いです。なお、関西方面では糸こんにゃくをより細くしたものがしらたきと区別することもあるそうです。
刺身こんにゃく
こんにゃくの水分を多くして作られたのが刺身こんにゃくです。
他のこんにゃくは水分が少なく、アクもあるのでそのままではあまりおいしく食べられませんが、刺身こんにゃくはそのままお刺身のように食べられます。
魚の刺し身と同じようにわさび醤油や塩をつけて食べたり、生のままサラダや和え物にもおすすめです。玉こんにゃくと同様に緑や赤などカラフルなものも多いので、料理のアクセントにも活躍しますよ。
粒こんにゃく
粒こんにゃくはお米ほどの大きさの小さな粒状に固めたこんにゃくです。白いものが多く、ご飯に混ぜて炊けばボリュームはそのままに、大幅なカロリーダウンになります。
保存しやすい乾燥タイプやご飯の代わりに粒こんにゃくを使ったレトルト食品などもあり、ダイエットによく利用されています。
変わったところでは、シロップなどに合わせやすい白い見た目とプチプチとした食感を活かして、タピオカ風のデザートなどにも活躍します。