水で薄めるだけで、簡単においしい“つゆ”ができる市販のめんつゆ。そばやうどん、そうめんなどの麺類以外にも重宝する言わずと知れた万能調味料です。
しかし、開封後のめんつゆは意外と日持ちがしないということをご存じでしたか?
今回は甘辛な味付けがバッチリ決まるめんつゆの魅力と、保存をするときの注意点について紹介します!
目次
めんつゆは万能調味料のひとつ!
そばやうどん、そうめんに便利な市販のめんつゆ。そのまま使ったり水で薄めるだけで、お手軽においしいつゆが楽しめますよね。
自分で醤油や出汁を使ってめんつゆを手作りしても、なんだか市販のめんつゆのようにおいしくならなかった……という人も多いのではないでしょうか。
それもそのはず、市販のめんつゆはただ出汁と醤油、砂糖を混ぜているわけではないんです。
めんつゆは基本的に醤油、みりん、砂糖で作る「かえし」と出汁を混ぜて作りますが、この「かえし」がめんつゆの味を決めるといっても過言ではありません。
「かえし」は1〜2週間も熟成させるという、時間のかかる工程が必要です。しかも下準備の段階で「本返し」「生返し」「半生かえし」と工程が3種類もあります。
おそば屋さんはどの「かえし」を使うか、どのくらい熟成させるか、そしてどんな出汁とどれくらいの分量で混ぜるか……という試行錯誤でオリジナルのおいしいめんつゆを作っているんです。
老舗のおそば屋さんには、「かえし」だけは門外不出で弟子にも触らせないという店も多いほど。このような本格的なめんつゆは、家庭ではなかなか気軽に作るのが大変ですよね。
そんなめんつゆを家庭でも簡単に使えるように、メーカーが研究を重ねて作られたのが市販のめんつゆなんです!
そして、しっかりした熟成工程と絶妙な配合バランスで作られた市販のめんつゆは、そばやうどん、そうめんだけに使うのは正直もったいないのです。
市販のめんつゆは麺類に使うだけではなく、調味料として使うだけで味の方向性がバッチリ決まる、万能調味料なんです!
出汁とみりんの旨味に加えて、料理の基本「さしすせそ」のうち「さ(砂糖)」と「し(醤油)」のバランスが良いので、自分で砂糖と醤油を入れるよりも簡単においしい料理に仕上がるんです。
おすすめなのは煮物や親子丼、お肉の下味やおひたしなど、砂糖と醤油を使う甘辛な味付けの料理です。ごま油、酢と混ぜてサラダドレッシングとしても重宝しますよ!
めんつゆの賞味期限は?
お手軽で便利なめんつゆですが、麺類にしか使わなかったり大きなボトルで買ってしまったりすると使い切れずに時間が経ってしまうことがありますよね。
また、いただきものや買い置きのめんつゆはついつい気がついたら未開封のまま賞味期限が切れていた、なんてことも。
めんつゆは賞味期限がどれくらい過ぎても大丈夫なのでしょうか。
めんつゆは醤油に似た調味料なので、醤油と同じように常温でも日持ちのするイメージを持っている人もいるかもしれません。
しかし、めんつゆは出汁が入っていたり、醤油よりも塩分濃度が低いために醤油と比べると傷みやすく、賞味期限の短い調味料です。
特に市販のめんつゆの賞味期限は、開封前と開封後で大きく異なります。それぞれの賞味期限について見ていきましょう。
未開封
市販のめんつゆは殺菌されてから密封されているので、未開封の状態ではほとんどのメーカーで製造日から12ヶ月程度の賞味期限を設定しています。
ただし、これは高温多湿や直射日光の当たる場所を避けて、涼しい場所で保存した場合です。
紫外線が当たったり高温多湿の場所に保存してしまうと、腐りはしませんが中身が変質や劣化しておいしくなくなってしまったり、プラスチックボトルの場合はボトルが劣化してしまうことがあるので気をつけましょう。
開封後
開封後のめんつゆは空気に触れて雑菌が繁殖し腐りやすくなったり、カビが生えやすくなってしまいます。
めんつゆのラベルを見ると、「開封後はお早めにお使いください」と書いてありますよね。この「お早めに」は具体的にどれくらいの期間を言っているのでしょうか。
この期間は濃縮タイプかストレートタイプかでも変わってきますが、実はかなり短いのです。
基本的に塩分濃度の高い濃縮タイプのほうが賞味期限が長く、そのまま使えるストレートタイプは賞味期限が短いと覚えておきましょう。
メーカーや商品にもよりますが、目安としては濃縮タイプは3倍希釈では3週間、2倍希釈では1〜2週間程度です。
ストレートタイプはとても腐りやすく、メーカーの推奨は3日程度としています。めんつゆは使用頻度と相談して、期限内に使い切れるボトルで買うのがかしこい方法です。
開封後は冷蔵保存が基本
市販のめんつゆは未開封では密閉されているので常温保存ができます。しかし、開封してしまうと雑菌が入ってしまうため、必ず冷蔵保存をするようにします。
特に夏場は、使うときに食卓や台所に放置しないように、使ったらすぐに冷蔵庫にしまうように気をつけましょう。
期限内に使い切れない場合は冷凍!
しかし、毎日めんつゆ料理や麺類を食べるわけではないので、どうしても期限内に使い切れないこともあります。
そんな場合は、早めに冷凍保存してしまうのがおすすめです。めんつゆは冷凍保存をすれば数ヶ月は保存ができ、使うときも自然解凍でそのまま使えるので便利です。
しかし、ボトルまるごと冷凍してしまうと解凍と再冷凍を繰り返してしまうことになり、品質が劣化したり雑菌が繁殖して傷んでしまう恐れがあります。めんつゆを保存するときは一回分ずつ小分けにして冷凍をするようにしましょう。
製氷皿を上手に活用しよう!
ここでおすすめなのが、製氷皿を使って冷凍する方法です。製氷皿を使えばちょうどいい大きさに冷凍できるので、使う分だけ解凍して使えます。
冷凍しためんつゆを使うときは、冷蔵庫での自然解凍がおすすめです。めんつゆは完全には凍らずシャリシャリとしたシャーベット状になるので、夏場などはそのまま麺や料理にのせても涼しく楽しめます。
常温解凍では解凍していくうちに雑菌が繁殖してしまう恐れがあるのでやめましょう。
調味料として使う場合や温かいつゆを作るときは、凍ったまま鍋やフライパンに入れても大丈夫です。このように冷凍をすれば、余りがちなめんつゆも最後まで使い切ることができますよ。
手作りのめんつゆを保存する場合は?
市販のめんつゆはお手軽でおいしいですが、やはり手間暇をかけても手作りにこだわりたいという人もいるのではないでしょうか。せっかく時間をかけて作っためんつゆなので、最後までおいしく使い切りたいですよね。
手作りのめんつゆも開封後の市販のめんつゆと同じように腐りやすいので注意しましょう。
しかも、手作りの場合は工場で作るときと比べて完全に滅菌できるわけではないので、より注意する必要があります。
濃いめに作った手作りめんつゆは1〜2週間、ストレートとして作っためんつゆは3日程度を目安に冷蔵庫で保存しましょう。このとき、保存容器は必ず煮沸消毒をした密閉容器で保存するようにしてくださいね。
冷蔵庫の中にも雑菌やカビ菌は存在しているので、密閉していない容器で保存するとめんつゆが腐ったり、カビが生えやすくなってしまいます。
煮沸消毒をするときは、大きな鍋で水から容器を茹でるようにしましょう。ガラス容器などに急激に熱湯をかけると、温度の急激な変化で割れて危険なので注意してくださいね。
煮沸消毒する方法は『瓶を消毒する方法は?煮沸消毒のやり方や時間、ポイントを解説』にて詳しくご紹介しています!
たくさん作ってしまって使い切れない場合は、市販のめんつゆと同じように冷凍保存がおすすめです。
めんつゆは腐るとどうなる?
めんつゆをつい賞味期限切れにしてしまったとき、使えるかどうか心配になりますよね。
未開封の賞味期限は特に余裕を持って設定されているので、賞味期限が切れたからと言ってすぐに使えなくなってしまうわけではありません。
逆に、開封後は保存状態が悪いと期限内でも腐ってしまうことがあります。
めんつゆが腐ったときのサインを覚えて、賞味期限だけに頼らずに自分で判断できるようにしておきましょう!
めんつゆが腐ると、まず見た目や臭いに変化が現れます。澄んだ褐色ではなく濁っていたり、浮遊物が浮いている場合、妙な臭いがしている場合は傷んでいる可能性が高いので、使わずに破棄するようにしましょう。
見た目や臭いに変化がなくても、心配なときはほんのちょっとだけなめてみます。すっぱいような味や、ピリピリとした刺激がある場合も傷んでいるので使うのはやめておきます。
意外と日持ちしないので気をつけて!
今回は麺類だけでなく、お手軽な万能調味料としてのめんつゆの魅力と、保存方法について紹介しました。
めんつゆは旨味と塩分、糖分のバランスが絶妙なので、甘辛の料理の味がバッチリと決まります。麺だけにしか使わなかったという人も、この機会にぜひ料理に使ってみてくださいね!
保存の面では、意外とめんつゆは日持ちはしないという点に要注意です。手作りはもちろん、開封後のめんつゆは必ず冷蔵庫に入れて早めに使い切るようにしましょう!