みりん
食材にツヤを出したり、柔らかい甘みや風味を足したりと、料理に欠かせない「みりん」。特に照り焼きや魚の煮物などには臭み消しや照りに大活躍です。

どのご家庭にもあって当たり前のみりんですが、実は成分によって3タイプあることをご存知ですか?しかも、同じみりんでもタイプによって保存方法が全く違うんです!

今回はそんなみりんの違いとそれぞれの保存方法、保存期間について紹介します!

Sponsor link

みりんは酒類・非酒類がある

みりん
みりんとして売られているものには、「本みりん」「本直し」「みりん風調味料」の3種類があり、本みりんが酒類、他の2つが非酒類に分類されています。この違いは、アルコールの量や塩分が入っているかどうかで決められています。

そして、成分が違うため保存方法や賞味期限もそれぞれ違ってくることに注意しましょう。

まずは、これら3タイプの違いについて解説します。

本みりん

アルコールが12.5〜14.5%入っているので、みりんの風味をつける以外にも料理酒のように肉や魚のくさみ消し、煮崩れの防止にも活躍します。また、もち米を発酵して作ることから濃厚な甘みがあり、そのままでも美味しく飲めるのが本みりんの特徴です。

アルコール度数が高く、飲用できるため本みりんは料理酒と同じように法律上では「酒類」に分類されています。酒類には酒税がかかるため、本みりんは他のタイプのみりんに比べて価格が高くなりがちです。

本直し(みりんタイプ調味料)

本みりんに塩や酒、調味料を加えたものを「本直し」や「みりんタイプ調味料」と呼んでいます。アルコール度数は8〜20%と高いのでくさみ消しや煮崩れ防止に使えますが、塩が入っているので本みりんのように飲んでも美味しくありません。味付けの際も気をつける必要があります。

アルコール度数が高くても飲用に適さないので、「酒類」ではなく「非酒類」に分類されて酒税もかからないため、本みりんに比べて価格が抑えられています。

みりん風調味料

みりん風調味料は、お酒の代わりに砂糖や香料などでみりんのような風味を再現した調味料です。アルコールは1%未満とほとんど入っていないため、アルコールを飛ばす必要がありません。アルコールが苦手な人や非加熱の料理に加えたいときにおすすめです。

ただし、アルコールの作用であるくさみ消しや煮崩れ防止の効果はないので、あくまで風味や艶を加える調味料として作られています。

みりん風調味料はアルコール度数がかなり低いので、「非酒類」に分類されます。本みりんや本直しと比べても原料が安価なので、3タイプの中では一番価格が抑えられます。

本みりん・本直しの保存方法

本みりんと本直しはアルコールの度数が高いため、開封後も常温で保存できます。しかしデリケートな調味料なので、保存環境には注意が必要です。

開封前

開封前の本みりん、本直しは常温で保存します。

常温といっても、あまり高温の場所や温度変化のある場所で保存をすると風味が落ちてしまったり、紫外線が当たると変質してしまうことがあります。

特に紫外線は直射日光以外にも、蛍光灯の紫外線程度でも劣化してしまいます。高級なみりんが茶色や緑の色付き瓶に入れられているのは、紫外線を通さないためなんです。

涼しく直射日光の当たらない場所で保存するようにしてください。

開封後

アルコール度数の高い本みりんと本直しは常温保存ができます。

アルコールの殺菌作用のおかげで保存性が高まっていますが、やはり高温や直射日光はNGです。また、空気に触れることでもみりんの劣化は進んでしまいます。こぼさないためにも、栓はしっかりと閉めるようにしてください。

開封前と同じように、涼しく光の当たらない場所で保存するようにしましょう。

保存期間

本みりん・本直しの保存期間は、開封前では製造日から1年半程度です。

また、開封後は1〜3ヶ月は保存できますが、それほど長く持たないので大きな瓶で買う場合は注意しましょう。

これからご紹介するみりんが腐った場合の特徴もよく覚えておいて判断材料にしてくださいね。

冷蔵保存するとどうなる?

涼しく光が当たらない場所、と聞くと冷蔵庫で保存すればいいと考えてしまいますが、本みりんや本直しは冷蔵庫保存はNGなんです。

本みりん・本直しの中に入っている糖分は、あまりにも寒い場所に置いておくと白い結晶となって分離してしまいます。みりんの風味も弱くなってしまうので、本みりんや本直しは必ず常温で保存するようにしてください。

真冬などかなり気温が低くなる季節にも気をつけるようにしましょう。

みりん風調味料の保存方法

みりん
みりん風調味料は他の2タイプのみりんとは違い、アルコールやみりん本来の成分はほとんど入っていません。アルコールによる保存効果が期待できないので開封後は冷蔵庫での保存が必須となります。

開封前

開封前のみりん風調味料は、本みりんなどと同じように涼しくて光の当たらない場所で常温保存します。

みりん風調味料もやはり高温や紫外線によって変質してしまう他、パッケージに使われているペットボトル自体も劣化してしまいます。

開封後

アルコールがほとんど含まれていないみりん風調味料は腐りやすいため、開封後は必ず冷蔵庫で保存しましょう。みりん風調味料の糖分は冷蔵庫に入れても白い結晶に分離することはありません。

みりん風調味料も空気に触れたり、温度変化で品質が落ちてしまうことは本みりんなどと同じです。

つい使いやすいドアポケットなどに保存してしまいがちですが、この場所は冷蔵庫の開け閉めによる温度変化が大きいためみりん風調味料の保存には向いていません。

また、冷蔵室内に立てておくのはスペースの都合上難しいうえに、出し入れのときにぶつかって倒してしまう恐れがあります。

しっかりと蓋を閉めて、温度変化の少ない野菜室などに立てて保存するのがベストです。

保存期間

みりん風調味料の保存期間は未開封の場合で製造日から1年程度です。開封後は、冷蔵庫で2〜3ヶ月程度保管できます。

他の2タイプと同じように保存状況により差が出てくるので、下記で紹介するみりんが腐ったときの特徴をしっかりと覚えて判断できるようにしておきましょう。

みりんは腐るとどうなる?

みりん
アルコールのおかげで腐りにくい本みりんや本直し、冷蔵保存をするみりん風調味料でも、保存期間や保存条件によっては腐ってしまうことがあります。

これらは腐ると白いものが浮いていたり、カビが生えていたりと見た目に変化がある他、すっぱい臭いがします。

みりんの本来の香りは甘い香りなので、すっぱい香りのほか変な臭いがしたら使うのはやめて処分するようにしてください。

みりんはタイプによって開封後の保存方法が違うことに注意!

今回は、みりんのタイプによる違いとそれぞれの保存方法、保存期間について紹介しました。和食に欠かせないみりんですが、大量に使うものではないため使い切るのに時間がかかりますよね。

みりんの大敵は高温、温度変化、紫外線と空気です。今回紹介した保存方法を参考に、なるべく長く使えるように上手に保存してみてくださいね。

他の調味料の保存も要チェック!