お菓子はもちろん、料理にも欠かせない調味料の砂糖。特に和食ではコクを深めたり照りを出したりと、おいしさアップに不可欠です。
そんな砂糖の正しい保存方法はご存知でしょうか?砂糖には賞味期限が書いてありませんが、正しく保存をしないとカチカチの塊になってしまったり、虫害が発生してしまいます。
今回は、砂糖に賞味期限が書いていない理由と正しい保存方法について解説します!
目次
砂糖に賞味期限はあるの?
砂糖のパッケージには賞味期限が書かれていませんが、砂糖に賞味期限や消費期限はあるのでしょうか。
結論から言うと、砂糖に賞味期限・消費期限はありません。なぜなら、砂糖は腐らないからです。
日本では食品衛生法により品質が十分に保てる期間を賞味期限として表示しなければいけませんが、砂糖は腐ったり傷んだりということがないため賞味期限はありません。
たとえ開封した状態で常温で何年も放置しても、砂糖の品質が劣化することはないのです。
なぜ腐らないかというと、砂糖の持つ浸透圧、脱水作用のためです。
砂糖には浸透圧という作用があり、食品や生き物の細胞に触れると中の水分を吸い取ってしまいます。腐敗菌も生き物なので生きていくには水分が必要ですが、砂糖に触れると水分を奪われてやがて死んでしまいます。
このため、砂糖の中では腐敗菌は増殖することができず、腐ったり傷んだりすることがないのです。
砂糖がたくさん入った羊羹(ようかん)やジャム、砂糖漬けが腐りにくいのは、砂糖が腐敗菌を脱水作用で増えにくい環境にしているためなんですね。
ちなみに、同じく浸透圧作用のある塩も賞味期限がありません。塩の保存については『塩が固まらない保存方法は?固まる原因やサラサラに戻す方法を解説』にて詳しくご紹介しています!
とはいえ、腐らないからといって適当に保管しても大丈夫かというとそうでもありません。
確かに砂糖は腐らないのですが、保管環境によっては石のようにカチカチの塊になってしまったり、虫害が発生してしまいます。
砂糖は開封・未開封問わず容器で保存
保存する際、気をつけてほしいことが、砂糖は開封・未開封にかかわらずタッパーなどの密閉された容器に入れて保存することです。
未開封でも密閉する理由は、砂糖の袋には目に見えなくらいの小さな穴が空いているからなんです。この穴は出荷時に空気をしっかり抜くために開けられているのですが、袋の外の湿気の影響を受けてしまうというデメリットがあります。
また、そのまま置いておくと虫害が発生する恐れがあります。
虫が沸く可能性は?
砂糖には脱水作用があるので、虫は砂糖の中に入ると水分を取られてやがて死んでしまいます。
このため、お米や小麦粉のように中に虫が住み着いたり卵を産んでしまうということはありません。
しかし、開封した袋の口の隙間からアリなどが入り込んでしまう危険があるので要注意です。
未開封でも、シバンムシという小さな虫は噛む力が強いので袋を食い破って中に入ってしまいます。
このような虫害を防ぐためにも、砂糖は必ず密閉容器に入れて保存してくださいね。
砂糖は常温?それとも冷蔵保存?
虫害を防ぐために冷蔵庫や冷凍庫に入れるのもNGです。
寒い場所と常温の場所を繰り返し移動すると、結露の水分を砂糖が吸ってベチャベチャになってしまうことがあります。
大袋で買って調味料容器に入れた残りを長期保管する、という場合でない限り、砂糖は常温で保存するようにしてください。
砂糖が固まる原因は湿度にアリ!
砂糖がケースや調味料容器の中で石のようにカチカチに固まってしまい、困ったことはありませんか?
これは、湿気を含んだ砂糖が乾燥してしまうためです。
砂糖は周りの湿気の影響を受けやすく、湿度の高い場所ではどろどろになってきます。逆に、乾燥した場所に置いておくと砂糖の持っている水分が外に出ていきます。このときに砂糖の粒同士がくっついてしまい、それが繰り返されることで大きなカチカチの塊になってしまいます。
このため、砂糖をサラサラのまま保存するには湿度管理が重要となります。湿度の変化によりカチカチになってしまうので、湿度がなるべく一定の環境で保存するようにしましょう。
固まった砂糖を戻す方法
砂糖を気を付けて保管していても、気が付くとカチカチになってしまうことがあります。
ここでは、すでにカチカチになってしまった砂糖をサラサラの状態に戻す方法を紹介します!身近にあるものを使って簡単にサラサラにできますよ。
水分を加える
砂糖の粒同士がくっついてしまうのは乾燥が原因なので、霧吹きなどで適度な水分を与えてあげればすぐに元通りのサラサラな状態に戻ります。
ここでのポイントは適度に水分を与えるということです。あまりたくさんの水分を加えてしまうと、サラサラを通り越してドロドロの砂糖水のようになってしまうので注意しましょう。
食パンを入れる
霧吹きに比べると多少時間がかかりますが、食パンを砂糖のケースに一緒に入れておくと食パンの水分がちょうどよく砂糖をサラサラにしてくれます。目安は1kgあたりに食パン1枚程度です。
乾燥した食パンを使う場合は、あらかじめ霧吹きで食パンを少し湿らせておきましょう。数時間から一晩程度放置すればサラサラになります。
注意点としては、食パンは砂糖と違って腐ったりカビてしまうので、放置厳禁な点です。砂糖がサラサラになったら忘れずに取り出してくださいね。
生のキャベツを入れる
食パンを使うのはもったいないときは、生のキャベツの葉っぱでも代用できます。
普段捨ててしまう外側の葉っぱでいいので、カップ3あたり葉っぱ1枚を目安にきれいに洗って砂糖のケースに入れておきましょう。
キャベツの葉っぱも腐ったり傷んだりしてしまうので、砂糖がサラサラになったら忘れずに取り出すようにしましょう。
電子レンジで加熱する
食パンやキャベツがない場合は、電子レンジを使いましょう。
この方法は水分を与えるのではなく、水分を飛ばす方法です。砂糖の粒と粒は水分でくっついているので、電子レンジで水分を飛ばすことによってサラサラになります。
電子レンジで砂糖を加熱するときは、必ず耐熱ガラスなどの高温に耐えられる容器に入れて少しずつ様子を見ながら加熱するようにしてください。砂糖は加熱しすぎるとどろどろに溶けてしまったり、焦げてカラメルのように真っ黒になってしまいます。
フロストシュガーと混ぜる
大きな塊になっていない砂糖の場合は、製菓やヨーグルトに使うフロストシュガーを使ってもサラサラにできます。この方法はどちらかというとカチカチの塊ができる前に予防のために使うのがおすすめです。
フロストシュガーは顆粒状で固まりにくい性質を持っているので、砂糖に混ぜるとちょうどよく砂糖の粒同士がくっつくのを防いでくれます。
目安としては砂糖5に対し、フロストシュガー1くらいの割合で混ぜておくといいでしょう。どちらも砂糖なので味が変わる心配もありません。
砂糖が黄色になる原因は?
長期保存していると、真っ白だった砂糖が黄色っぽく変色してしまっていることがあります。
砂糖は腐らないはずなのに、変色していると心配になりますよね。
砂糖はほとんどが糖でできていますが、微量のアミノ酸を含んでいます。これが熱によって糖と結びつくときに「メイラード反応」という化学反応を起こして褐色に変化します。
お米やパンが焦げたり、砂糖を加熱すると褐色のカラメル色になるのもこのためです。砂糖は常温でも少しずつメイラード反応が進むため、黄色っぽく変色してしまいます。
このため、ムラなく変色している場合は気にしなくても大丈夫です。
ただし、一部だけ異常に変色が激しかったり、どろどろになっている場合は保管条件が悪かった可能性があります。使うのは避け、破棄するようにしてください。
おすすめの保存容器
出典:Amazon
砂糖を保存するのにおすすめなのは、ホーローやガラス製など空気を通さずにしっかりと密閉できるものです。
プラスチック製で密閉せずにパカパカと開くものは取り出しやすいですが、保存の面ではあまりおすすめできません。
多くのメーカーがおしゃれな容器を出しているので、お気に入りのものを見つけてみてくださいね。
砂糖は賞味期限なし!湿気と虫には注意して
今回は砂糖に賞味期限がない理由と保存する際の注意点を紹介しました。
砂糖は保存性が高く長期間保存していても劣化はしにくいですが、湿度と虫害には注意するようにしましょう。
しっかりと密閉した容器に保存をして、湿度の変化に気を付けるだけで砂糖の保存トラブルはぐっと減ります。もしカチカチに固まってしまったときは、今回の記事を参考にサラサラに戻して使ってくださいね!