美味しそうなオムライス
ホットドッグやオムライス、ナポリタンなどに欠かせないケチャップ。実はケチャップには、普段目にするトマトケチャップ以外にも種類があることをご存知ですか?

今回は、あまり知られていないケチャップの起源や名前の由来、意外と長持ちするトマトケチャップの賞味期限について解説します!開けてもなかなか使い切れなくて不安という人は、参考にしてみてください!

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ケチャップの名前の由来と語源

ケチャップと聞くと、トマトをベースにした甘酸っぱいソースを思い浮かべる人が多いですよね。

オムライスをはじめ、卵料理にかけたり、ナポリタンなどのパスタやピザトーストにもよく使われます。ホットドッグやアメリカンドッグ、ナゲットにかけるイメージも強く、色も鮮やかなのでなんとなくアメリカ発祥の調味料というイメージが強いのではないでしょうか。

そもそもケチャップとは?

自家製のトマトソース
日本でケチャップというとトマトの甘いソース、トマトケチャップソースのことですが、本来ケチャップという言葉はそれだけを指しているわけではないんです。

ケチャップという言葉自体は野菜やきのこ、果物、魚などを原料にした調味料を意味しています。日本でよく見かけるものはトマトをベースにしたケチャップソースなので、「トマトケチャップソース」と呼ばれています。

どことなくアメリカンなイメージのあるケチャップですが、その発祥は意外にもアジアなんです。

ケチャップの語源

ケチャップという言葉はもともと、台湾で使われるホーロー語の「鮭汁(Kê-chiap)」という魚醤からきています。

魚醤とは小魚やエビの塩辛のようなもののことで、これが台湾からマレー半島に伝わったときに「ケチャップ(kichap)」と呼ばれるようになりました。

その後、マレー半島を植民地としたイギリスによりヨーロッパへ伝わったときに、くるみやトマト、きのこを原料にして作るようになったのが、現在のケチャップの始まりです。

イギリスの辞書ではケチャップソースの説明に「東インド奥地のソース」との記載があり、トマトに限定していないことがわかります。

現在でもインドネシアではケチャップというと調味料全般を指しており、ナシゴレンなどに使われるケチャップマニスや辛口醤油に近いケチャップアシンなど、さまざまなケチャップがあります。

ケチャップの賞味期限はどれくらい?

トマトケチャップ
ケチャップの起源を紹介しましたが、ここからは日本のお店で一般的に買えるトマトケチャップソースについて解説していきます。

ケチャップは普通、瓶やプラスチックボトル、個包装パックに入っていますが、その賞味期限はすべて未開封時のものです。

ケチャップは開封前と開封後では、賞味期限も保存方法も大きく変わります!

未開封

未開封のケチャップは殺菌されたあとに密封されているので、常温でも長期間の保存が可能です。

メーカーにもよりますが、だいたいどのケチャップも製造から1年から1年半が賞味期限となっています。正確な賞味期限はパッケージに書いてあるので、それを参考にするようにしましょう。

開封後

ケチャップを一度開封した場合は、なるべく1ヶ月以内に食べ切るようにと多くのメーカーが表示しています。

しかし、あまりケチャップが腐った、傷んだといった声を聞いたことはありませんよね。

ケチャップには法律上、保存料の使用が禁止されています。しかし、原料に防腐や殺菌の効果がある砂糖や塩、お酢が多く含まれているので、保存料が添加されていなくても比較的長持ちするんです。

賞味期限が切れるとどうなる?

とは言っても実際に大きいボトルや瓶の場合、1ヶ月でケチャップを使い切るのは難しいですよね。1ヶ月を過ぎてしまうとケチャップは傷んだりカビてしまったりするのでしょうか。

食品安全検査センター」が行なった研究で、実際にケチャップを開封してから冷蔵庫に保存し、5ヶ月後にキャップやパッケージの中に菌がいるかどうかを試した実験があります。

その結果はなんと、開封後冷蔵庫の中で5ヶ月経ったトマトケチャップの容器からは有害な菌が検出されませんでした。

これは特に防腐効果の高い塩や殺菌力の高いお酢のおかげで、菌の繁殖が抑えられたと考えられています。

しかし、研究結果では安全ではありますが、保存環境などにより傷んでしまう可能性もゼロではありません。また、乾燥や酸化で味が変わってしまうなど品質が劣化してしまうこともあります。

メーカーが美味しく食べられると保証している賞味期限は1ヶ月なので、開封から時間が経ったケチャップは使う前に臭いを嗅いでみるなど、なるべく気をつけるようにしてくださいね。

ケチャップは分離する

長く保存しているとトマトケチャップから水が出ていることがあります。これは一見傷んでしまったように見えますが、単純にトマトケチャップと水分が分離しただけなのでよく振って混ぜてあげれば問題なく使えます。

ケチャップの上手な保存方法は?

冷蔵庫のドアを開けている
ケチャップは塩やお酢のおかげで長持ちすることを説明しましたが、しっかり長持ちさせるためには適切な保存方法が必要です。

保存方法が悪いと、いくらケチャップでも傷んだりカビが発生してしまう可能性があります。正しい保存方法をきちんと守るようにしましょう。

未開封

未開封のトマトケチャップの場合は、そのまま常温保存で構いません。

しかし、直射日光に当たる場所や極端に暑い・寒い場所、温度の変化が激しい場所では容器の劣化や中身の品質に変化が起きることもあります。未開封のトマトケチャップを保存するときにはパントリーや戸棚など、直射日光の当たらない涼しい場所に保存しましょう。

開封後

ケチャップは一度開封すると空気に触れて酸化が始まってしまいます。この酸化は温度が高いほど早く進んでしまうため、常温保存はNGです。

開封後のケチャップは必ず蓋をしっかりと閉めて、冷蔵庫に保存するようにしましょう。

ただし、冷やし過ぎてもケチャップの品質が変わってしまうので、冷蔵庫の奥やチルド室は保存に向いていません。冷えすぎないかつ取り出すときに便利なドアポケットなどに保存をするのがおすすめです!

また、チューブ容器のケチャップは特に絞り出したあと口周辺にケチャップが残ってしまうことがあります。

このケチャップが残っていると、しっかりと蓋が閉まらないだけではなく口周辺に残ったケチャップがガビガビに固まってしまったり、お酢の成分が飛んで雑菌が繁殖してしまいます。

清潔なキッチンペーパーなどできれいに拭き取ってから、蓋を閉めるようにしましょう。

冷凍保存はできる?

大きいボトルを開封してしまったものの、使い切れそうにない…そんなときは冷凍保存してもよいのでしょうか。

結論から言うと、ケチャップは冷凍しても特に問題ありません。旨味や風味はやや落ちてしまいますが、冷凍することで酸化がゆっくりになるので、冷蔵庫で長期保存するよりも劣化しにくくなります。

使うときには冷蔵庫で自然解凍すれば元通りに使えます。

しかし、冷凍と解凍を何度も繰り返していると水分が分離して劣化が進んだり、本来の美味しさが損なわれてしまいます。

そのため、ボトル丸ごと冷凍するのではなく、製氷皿や金属製のバットに大さじ1ずつなど使いやすい分量を出して小分け冷凍すると、使いたい分だけ解凍できるので使いやすくなります。

解凍したケチャップは風味が落ちているので、そのままかけるよりも加熱する料理に使うことをおすすめします。

ガラス容器の冷凍は気をつけて

ちなみに、ガラスボトルのケチャップをボトルごと冷凍するのはNGです。水分の多いケチャップは凍るときに膨張するため、場合によってはボトルが割れて非常に危険です。

ガラスボトルの場合は必ず冷蔵保存か、別容器で冷凍保存してください。

逆さまでの保存はよくない?

チューブタイプのトマトケチャップは、蓋部分を上にして保存するか下にして保存するか、迷ってしまうことがありますよね。

逆さ保存は口の方に中身が貯まるため、中身が少なくなってきたときにはいい保存方法のように思えます。しかし、トマトケチャップの逆さ保存はおすすめしません。

というのも、トマトケチャップは保存しているうちに水が分離して下に溜まってしまうため、蓋を開けたときに水っぽいトマトケチャップが先に出てきてしまいます。

トマトケチャップの場合は蓋を上にして保存し、蓋をしっかり抑えながらよく振ってから使いましょう。

ケチャップは正しい保存で長持ち!口の部分の雑菌に注意して

今回は、意外と知らないケチャップの雑学とトマトケチャップソースの正しい保存方法を紹介しました。

塩やお酢が使われているトマトケチャップは非常に保存性に優れ、正しく保存すれば長期保存ができる調味料です。

しかし、開封後常温で放置したり口部分が汚れたまま放置してしまうと、雑菌やカビが生えてしまうこともあるので注意が必要です。

洋食だけでなく中華などにも使えるケチャップを正しく保存して、無駄なく使い切るようにしましょう!