独特の香りと辛味で料理の美味しさを際立たせてくれる「生姜」は、薬味として欠かせない食材です。
また、生姜に含まれる成分は、夏バテ防止や風邪の引き始めにも効果的と言われており、私たちの食生活を大きく支えてくれている食べ物でもあるんですよ。
最近では、使いやすさからチューブ生姜を利用する方も多いですが、香り高い生生姜はピリッとした辛さで料理をより華やかにしてくれます。今回はそんな生姜の保存方法についてご紹介します。
買ったはいいものの、ついつい余ってしまいがちな生姜も、上手に保存することでなるべく鮮度を落とすことなく楽しめます。意外な保存方法も紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね!
目次
生姜ってどんな野菜?
生姜には独特のさわやかな香りと辛味があり、薬味や香辛料、肉や魚の臭み消しなどとして世界各地で広く利用されています。
一般的に「生姜」と呼ばれているものは、生姜の「根茎」と呼ばれる部分です。「根茎」とは、土の中で成長する茎のことです。一見根のように見えますが、実は茎の一部なのです。
一般的によく見かける黄色っぽい生姜は「ひね生姜」または「根生姜」といい、生姜の根茎を収穫してから数カ月間貯蔵されたものです。
常温保存する場合
常温で生姜を保存する場合は、乾燥しないように新聞紙にくるんで冷暗所で保管しましょう。
適温は15度ほどなので、夏と冬は常温保存に向いていません。そのため、これらの時期は野菜室で保管してください。この場合、2週間程度保存が可能です。
冷蔵保存する場合
カットせずに保存する場合
次に購入した生姜をカットせずにそのまま冷蔵庫で保存する方法です。
袋に入っている場合は取り出し、キッチンペーパーでくるみ乾燥を防ぎます。そのあと保存用袋に入れて冷蔵庫で保存しましょう。この場合も常温保存と同じく、2週間ほど保存が可能です。
カットしたものを保存する場合
すりおろしてから保存
生姜はすりおろした状態で保存することも可能です。すりおろした生姜は保存容器に入れ、密閉して冷蔵庫で保存すると、1週間は保存可能です。
生姜はすりおろしても栄養価がそれほど変化しないため、ある程度すってから保存しておくと、調理の際に手間が省けてとても便利ですよ。
カットされた生姜の保存は?
スライスされたものやすでにカットされた生姜は、水につけてから保存すると長く持ちます。
スライスした生姜は保存容器に入れ、生姜がひたひたになるまで水を入れます。そこに輪切り唐辛子を加えます。約1か月ほど保存可能です。水は3~4日で新しいものに交換してくださいね。
唐辛子を入れすぎなければ、ほとんど辛味はありません。最初のうちは唐辛子の量を調整しながら入れていくといいでしょう。
日本酒に漬けると2ヶ月持つ
しょうがを千切りにして密閉容器で日本酒(清酒が望ましい)や焼酎に漬ける、という保存方法もあります。
この場合、冷蔵庫で2か月は保存が可能です。つけ汁の日本酒にも生姜の香りが残るので、料理のアクセントに使えて一石二鳥です。
冷凍保存する場合
カットしてから冷凍
冷凍保存したい場合はスライスまたは千切りにしておきましょう。1回分ずつラップにくるんで平らにして冷凍庫へ入れます。使いたいときに使いたい分だけ解凍できるので便利ですよ。
すりおろしてから冷凍
すりおろした生姜も冷凍庫で保存することができます。この場合もラップの上に平らにして広げ、密閉して冷凍庫へ入れます。製氷機などに小分けにして冷凍すると都度使用できるので便利です。
上手な解凍方法
丸ごと冷凍した生姜であれば解凍せず、凍ったまますりおろすことができます。すりおろして冷凍したものは凍ったまま調理できるので便利ですよ。
干してから保存する場合
最後に生姜を干してから保存する方法を説明しましょう。まず、生姜の繊維に沿ってスライスし、ざるなどに重ならないように並べて干します。日中は外気に触れさせ、夜になったら家に入れます。
これを繰り返して、完全に乾燥(約3日ほど)したら密閉容器に入れて保存します。保存期間は2か月程度です。乾燥した生姜は生姜紅茶などに利用することも。
生姜には大・中・小の種類がある
生姜にはいくつかの品種があり、いわゆる「生姜」と呼ばれる根茎の部分の大きさによって「大生姜」「中生姜」「小生姜」の3種類に分けられます。この3種類について詳しくみていきましょう。
大生姜
大生姜は一般的に「生姜」として使用される、根茎が大きく育つ生姜です。収穫時期や貯槽期間の違いによって「ひね生姜」と「新生姜」に区別されます。
日本で流通している生姜はほとんどがこの大生姜で、国内で生産されているうちの90%以上を占めています。
代表的な品種としては「八郎」「お多福」「大身(印度)」などがあります。
中生姜
「新しょうが」の商品名で有名な生姜です。大生姜よりも根茎が小さく、主に甘酢漬けなどの漬物や加工品に利用されます。代表的な品種としては「房州」「らくだ」などがあります。
小生姜
中生姜よりも根茎が細くて小さく、葉生姜として使用されることが多い品種です。甘酢漬けなどの漬物のほか、生食や料理の付け合せとしてよく使用されます。代表的な品種としては「三州」「谷中」「金時」などがあります。
新鮮な生姜の選び方
「生姜」にもいくつか種類があることをご存知でしょうか。ここでは「ひね生姜」「新生姜」「葉生姜」の選び方をご紹介します。
見分けるポイントはそれほど難しくありません。それぞれのポイントを押さえてなるべく新鮮な生姜を選ぶようにしてくださいね!
ひね生姜(根生姜)
大きな塊で表面に艶がある
大きな塊の生姜は土の中で栄養をたっぷり吸収して大きくなった証拠です。ひね生姜を購入するときは、できるだけしっかりとして大きな塊の生姜を選びましょう。
逆に小さい生姜は繊維質が多く、筋っぽいことが多いです。店頭に並ぶ生姜をよく見比べてみましょう。
傷がなくハリがある
表面に傷があるものはそこから乾燥して鮮度が失われていきます。生姜は時間の経過とともに水分が蒸発して表面にしわが出てきますので、傷がなく表面にハリのあるものを選ぶようにしましょう。
収穫してから時間が経つと、表面に艶がなくなってきますので、表面がつるつるとして艶のあるものは新鮮な証拠です。
切り口がみずみずしい
店頭で見られる生姜のほとんどは、葉の部分がカットされたり、実の大きさを均等するにするためにカットされています。このような場合は切り口に注目してみてください。
収穫後、出荷前に葉をカットしてから時間が経っていると、この切り口が乾燥して繊維が毛羽立ってきます。そうすると生姜は劣化してしまいます。できるだけみずみずしい切り口の生姜を選ぶといいでしょう。
新生姜
綺麗な表面で艶がある
新生姜の場合もひね生姜と同様に、表面が綺麗で艶があるものを選びましょう。収穫してから時間が経つと、水分が蒸発して表面にはしわが発生しますし、収穫時などに傷がつくとそこから傷みやすくなります。
茎側の切り口が綺麗な紅色をしている
新鮮な新生姜は茎側の切り口が綺麗な紅色をしているという特徴があり、この点はひね生姜と異なります。
茎をカットしてから時間が経つと、だんだんと色褪せていき、ひね生姜のようになってきますので、新生姜を選ぶときにはこの点に注目して選んでみてください。
葉生姜
葉っぱが青々として元気がいい
葉がついている葉生姜を選ぶときには、葉っぱが青々として元気がいいものを選びましょう。葉がしなびているものは収穫してから時間が経っている証拠です。
茎が太すぎない
茎が太いものは育ちすぎてしまい、生姜の根部分が繊維質ばかりになってしまい、筋っぽくて美味しくありません。茎が適度に太いものは根の部分が柔らかくておいしいですよ!
腐った生姜の見分け方
生姜か腐ると、いくつかの変化が見られます。生姜に以下の変化が現れたら食べずに廃棄しましょう。具体的には以下のような経過をたどります。
かび臭い
まず、最初に見られる変化は臭いです。生姜は腐ってくるとカビ臭くなってきます。表面にカビがなくても、すでに傷み始めています。そのため、カビ臭くなってきたら食べずに破棄しましょう。
変色しカビが生える
生姜にカビが生え始めます。また腐食している部分が変色してきたりもします。古くなった生姜を食べるときは、よく確認するようにしましょう。
ぶよぶよして液体が出てくる
最終的に、腐った生姜は触るとぶよぶよとして場合によっては液体が出てくることもあります。
部分的にこのような状態になっていたとしても、全体的に腐っている可能性が高いので、食べないようにしましょう。
生姜を上手に保存しよう!
生姜はさまざまな方法で保存できることがおわかりいただけたかと思います。上手に保存することで、保存期間を長くするだけではなく、料理の手間を省くこともできますよ。用途に応じて、上手に保存してみてくださいね!