すっきりとした味わいと程よい爽快感が人気のお酒「ハイボール」。最近では特に人気が高まっており、「最初の一杯はハイボール!」という方もいらっしゃるかもしれません。
性別・世代を問わず人気のあるハイボールですが、実はダイエットに向いている、という話を聞いたことはありませんか?ハイボールはカロリーや糖質が低く、ダイエット中でもお酒が飲みたい方にとっては強い味方なのです。
今回は、そんなハイボールの特徴とダイエット中に飲むときの注意点についてご紹介します。
目次
ハイボールとは?
そもそもハイボールとは、どのようなお酒なのでしょうか?
一般的にはウイスキーをソーダ水で割ったものを「ハイボール」と呼んでいます。
しかし、「ハイボール」とはカクテルの一種で、広義ではウイスキー以外にもスピリッツやリキュールをノンアルコールの飲料で割ったものを示します。ノンアルコールの飲料には、ソーダ水やトニックウォーターなどの炭酸飲料のほか、フレッシュジュースなども含まれています。
私たちが普段「ハイボール」と認識しているよりも、多くのお酒がハイボールに分類されるわけです。
また、「ハイボール」という名前の由来にはいくつかの説があります。
列車の水分補給説
・開拓時代のアメリカでは、蒸気機関車で長距離移動する際に途中で水分補給のため停車をすることがありました。
このときの合図として、棒の先にボールを付けたものを掲げていたそうです。この水分補給のときのサービスとして、バーボンのソーダ割りが提供されていたことが由来であるとする説です。
鉄道の信号説
・アメリカの鉄道において、ボール信号というものが使用されていました。ボール信号とは、ボールがあがっていれば進行、さがっていれば停止を知らせる信号機でした。
駅員は、隣駅にあるボール信号を望遠鏡で確認しながらバーボンを飲んでいたそうです。ボールがあがったら(ボールがハイになったら)駅に列車がやってくるため、それを迎えるために駅員は飲んでいたバーボンにソーダ水をいれて一気に飲み干して駅にいっていた、ということが由来とする説です。
ゴルフ場説
・イギリスのゴルフ場でプレイの合間にウイスキーを飲んでいた人が、急に自分の打つ順番が来たことを知らされたときに、慌ててウイスキーにチェイサーを混ぜて飲んだそうです。
このとき飲んだお酒が非常においしく、さらにこのとき打ったゴルフボールが高く打ち上がった(ハイ・ボール)ことが由来とする説です。
炭酸の泡をボール信号に例えた説
・お酒に炭酸水を入れたときに炭酸の泡(玉)が上に上がっていく様子を列車のボール信号にたとえ、早く飲み干し、出来上がる、出かける、という洒落が由来とする説です。
バーテンダーの発祥の地であるアメリカでは、バーテンダーの養成学校などでひとつめかふたつめの説がハイボールの名前の由来として有力であると教えているそうです。
一方、日本のある飲料販売メーカーでは、ホームページ上でイギリスのゴルフ場での説が有力であると記載しているようです。
ハイボール1杯当たりのカロリーは?
ハイボールというお酒についてわかったところで、気になるカロリーをみていきましょう。
ハイボールを作るときに使うウイスキーは、100gあたり237kcalです。
ハイボールはウイスキー:炭酸水=1:3か1:4の割合で割ることが多く、200ml(ジョッキ1杯分、氷を除く液体の容量)のハイボールを作るとすると、1杯あたり約70~110kcalになります。
ビール1杯(350ml)が約150~170kcalですから、ウイスキーを炭酸水で割ったハイボールのほうが低カロリーと言えそうです。
ただし、ウイスキーをコーラやジンジャエール、フルーツジュースなどの清涼飲料水で割った場合には注意が必要です。
200mlのハイボール1杯に使うウイスキー自体は約70~110kcalですが、それを割るための清涼飲料水は約60~80kcalになります。つまり、清涼飲料水で割ったハイボールは1杯で約130~190kcalとなるのです。
こうなると、ビールを1杯飲むのとほとんど同じか、それ以上のカロリーを摂取することになってしまいます。
炭酸水で割ったシンプルなハイボールは低カロリーですが、コークハイやジンジャーハイの場合は決して低カロリーではないことを覚えておきましょう。
飲んでも太りにくい?ハイボールのメリット
ハイボールは、ビールに比べて低カロリーであることがわかりました。しかし、それだけでは「ハイボールはダイエット向き」とは言えません。
飲んでも太りにくいとされるハイボールのメリットについて、詳しくみていきましょう。
カロリーが低い
まずひとつ目のメリットは、カロリーが低いことです。
先ほども説明したように、ウイスキーを炭酸水で割ったハイボールは、1杯あたり約70~100kcal程度です。ビール1杯が約150~170kcalですから、たくさん飲めば飲むほど、このカロリーの差はダイエットにとって大きな違いを生みます。
ただし、ウイスキーをコーラなどの清涼飲料水で割ったコークハイやジンジャーハイでは、ビールや甘いカクテルと同じかそれ以上のカロリーになってしまうため、飲み方には注意してください。
糖質も低い
ふたつめのメリットは、糖質が少ないことです。
ウイスキーをはじめとした蒸留酒は、ビールや日本酒などの醸造酒と違って糖質が少なくなっています。
醸造酒は麦や米などの穀物を原料に、酵母などを使ってアルコール発酵させることで作られます。
それに対して、蒸留酒は醸造したお酒を蒸留させることでアルコールを気化させ、それを冷やして再び液化させることで作られます。このため、原料として使われた穀物の糖質が含まれず、糖質の低いお酒となるのです。
飲酒量が減る
続いてのメリットは、飲酒量が減るということです。
ハイボールは炭酸水などで割っているとはいえ、アルコール度数の高いウイスキーを使用しています。ウイスキーは、一般的にアルコール度数が40度近くあります。炭酸水などで割ってハイボールにしたとしても、アルコール度数は8~10度近くなるでしょう。
個人差もありますが、アルコール度数が高ければそのぶん少ない量でお酒に満足できます。そのため、結果的に摂取するカロリーや糖質の量が抑えられるというわけです。
ハイボールを飲むときの注意点
ハイボールがダイエットに向いているといわれるのには、きちんとした理由があったのですね。
とはいえ、ダイエット中にハイボールを飲むときにも注意すべきポイントがあります。それぞれについて、順にみていきましょう。
ノンカロリーの飲料で割ること
ひとつ目の注意点は、ノンカロリーの飲料で割ることです。
先ほども説明したように、コーラやジンジャエール、フルーツジュースなどの清涼飲料水で割ると、そのぶんロリーや糖質の量が一気に増えてしまいます。
せっかくウイスキー自体は低カロリー&低糖質ですから、割るときには無糖の炭酸水を使うのがおすすめです。
味に変化がほしいときには、ジュースなどで割るのではなく、炭酸水で割ったハイボールにフレッシュなレモンを加える程度にしたほうが良いでしょう。
揚げ物などの食べ過ぎにも注意!
続いての注意点は、おつまみについてす。
お酒を飲むときには、必ずと言ってもいいほどおつまみを一緒にいただくことでしょう。このとき、唐揚げやフライといった揚げ物の食べ過ぎに注意しましょう。
いくらお酒のカロリーや糖質を抑えても、おつまみで大量に摂取してしまっては元も子もありません。ダイエット中に選ぶおつまみは、枝豆や野菜サラダ、適量のチーズなど、なるべく低カロリーで高タンパク、ビタミン・ミネラルを含む食品がおすすめです。
適量を守って正しく飲酒しよう!
ハイボールは低カロリー&低糖質のお酒ですが、ダイエット中に限らず飲み過ぎはNGです。
厚生労働省が推進している「健康日本21」では、1日のアルコール摂取量の目安を20g程度までとしています。アルコール度数が40度程度のウイスキーであれば、1日に60ml程度が目安となるでしょう。
これをハイボールに換算すると、シングルのハイボールで2杯程度の量になります。
低カロリーとはいえ、ハイボールは0kcalではないため、飲めば飲んだぶんだけカロリーを摂取することになります。
また、アルコール自体のカロリーはエネルギーとして発散されやすいといわれていますが、アルコールを分解するためには内臓に負担がかかります。
そのため、アルコールを多量に摂取すると糖質や脂質の代謝が滞りやすく、結果的にダイエットにとってはマイナスになってしまうのです。
こうしたことを踏まえて、アルコールを摂取するときには内臓に負担をかけすぎない適量で楽しみましょう。
ちなみに、もともとお酒に弱い方や普段あまり飲まない方、身体の小さい方は、上記のアルコール摂取の目安量に満たない量であっても、身体に負担がかかる場合があります。ご自身の体質や体調に合わせて、お酒の量をコントロールしてくださいね。
ポイントを抑えて、ダイエット中にもお酒を楽しみましょう!
ハイボールがダイエットに向いているといわれている理由と、ダイエット中にお酒を飲むときの注意点についてご紹介しました。
すっきりとした味わいと程よい爽快感で、性別や世代を問わず人気のあるハイボール。低カロリー&低糖質で、「ダイエット中だけどお酒は飲みたい・・・」という方にとっては強い味方です。
とはいえ、飲む量やウイスキーを割る飲料、一緒に食べるおつまみによっては、ダイエットにとって逆効果になってしまう場合もあります。ハイボールを飲むときのポイントを抑えて、ダイエット中でもお酒を楽しんでくださいね!