明太子とご飯
みなさんは「たらこ」や「明太子」、「辛子明太子」の違いってご存知でしょうか。

実は住んでいる場所によって、人によってちょっと呼び名が違ったり、意味合いが異なったりするんですよ。

たらこと明太子の違いの説明とともに辛子明太子の豆知識についても解説していきます。

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知ってる?「明太子」と「たらこ」の違い

明太子のお茶漬け

もともとの原料は同じ

明太子もたらこもスケトウダラなどの卵巣を原料として塩漬けした食品です。明太子とたらこの場合は原料に決まりはありませんが、辛子明太子の場合には規約があり、スケトウダラ以外の卵巣で作った場合には辛子明太子と名乗れないことになっています。

さて、スケトウダラとは海水温が2℃~5℃と低い温度で水深200mほどの大陸棚に生息しているマダラよりも小さな魚です。日本近海では宮城県より北の太平洋と山口県より北の日本海に生息していると言われています。

主に北海道や三陸沖で漁獲され、昔は北海道で獲れる11月〜2月ごろにたらこも売り出されていました。

しかし、現在ではロシアやアラスカでもスケトウダラが漁獲されるようになり、船内で加工し、冷凍できるようになったため、1年を通してたらこを購入することができるようになりました。

近年、スケトウダラの数は減ってきていると言われ、魚の大きさも小さくなり、それに伴ってたらこに使用する卵巣の部分も小さくなってきています。

そのため、スケトウダラの卵巣ではなく、ミナミダラやソコダラと呼ばれる別の魚の卵巣をたらこの原料として使用するようになってきています。

スケトウダラの身は傷むのが早いため、過去には卵巣や精巣のみ取り出して身は捨てられていたこともあります。しかし、現在では収穫してすぐに船内で加工する技術が開発されたため、このクセのない味を利用してかまぼこなどの加工食品に利用されています。

実はそれぞれ出身も違う!

たらこはスケトウダラ(たら)の子(卵巣)なのでたらこ、と言います。これは東日本で使われていた名称です。

一方、明太子の明太とは朝鮮半島でスケトウダラを指し、こちらも明太の子なので明太子という名称になりました。西日本ではこの呼び名が一般的で、実はたらこも明太子も同じものを指すんです。

日本国内では主に北海道でスケトウダラをとっていたために、東日本では「たらこ」と呼ばれ、西日本では「明太子」と呼ばれるというように、地域によって呼び名が変わったのではないかと言われています。

現在では辛子明太子を省略して明太子と言うことも多く、明太子は辛いもの、たらこは塩漬けのもの、という区別をしている場合も多くなってきました。

また、コンビニで売られているおにぎりは生のたらこを明太子、焼いているものをたらことして区別している場合も多いようです。

味付けの特徴

たくさんの明太子
たらこはスケトウダラの卵巣を塩漬けして作られます。明太子(辛子明太子)は唐辛子の入った調味液に漬けこんで作られます。

明太子は元々朝鮮半島で食べられていた保存食品です。朝鮮半島では17世紀ごろには一般的に食べられるようになっていたと言われ、日本では昭和初期に輸入され始めたそうです。

これを博多にある「ふくや」の創業者である「河原敏夫」氏が日本人の舌に合った味で作りたい、と開発したのが今日の辛子明太子の始まりと言われています。そのため、当初は博多から輸送の可能だった地域でのみ食べられていました。

しかし、三陽新幹線が博多に乗り入れるとともに広く知れ渡るようになり、辛子明太子は全国区の食材となりました。

辛子明太子は塩辛の仲間!?

イカの塩辛
たらこを作る際には塩漬けの工程のみとなりますが、辛子明太子は塩漬けの後、唐辛子の入った調味液に漬けこみます。そしてこの過程で実は乳酸発酵を伴っているんです。

そのため、辛子明太子は発酵食品である塩辛の仲間に分類することができます。ただし、あまり発酵し過ぎないほうが、辛子明太子は美味しいと言われているそうです。

意味を知れば見方も変わる!

実はたらこも明太子も同じ意味で使っている人がいたり、明太子と辛子明太子を同じ意味で使っている人もいるということがわかっていただけたかと思います。あなたの周りにいる人はどんな意味で使っているでしょうか。一度、聞いてみると面白いかもしれません。