日本人の毎日の食卓には欠かせない「ごはん」。ひと口にごはんといっても、炊き込みごはんやまぜご飯、雑炊にチャーハンと色々なバリエーションがあります。
しかし、日本人が最終的に行き着くのはやはり、白ごはんではないでしょうか?シンプルでありながらお米の甘味や旨味を存分に味うことができ、さまざまなおかずとの相性もバッチリです。
ごはんのおいしさを引き出すには、お米の研ぎ方がポイント!今回は、お米の基本的な研ぎ方を中心に、そのコツやポイントをご紹介します。
炊飯器で美味しくご飯を炊く方法
ごはんが手軽に炊ける炊飯器。どこのご家庭にもあり、なかなか自炊をしない一人暮らしの方でもごはんだけは自分で炊く、という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ごはんを炊くときはまず、計量してお米を研ぎ吸水させて炊飯する、という工程があります。さっそく、それらの工程ごとにごはんをおいしく炊くための基本的なやり方とポイントをみていきましょう。
1.計量
ごはんを炊くときにまず気をつけていただきたいのは「お米の計量」です。お米の分量によって最適な水の量が決まります。
米粒の芯まで十分に吸水させることによって、炊飯したときの加熱ムラがなくなり、炊飯後のごはんのおいしさが長続きすることに繋がります。お米の計量が正確でないと、炊きあがりのごはんの固さに影響が出てしまいます。
お米を計量するときは、お米専用の計量カップを使うといいでしょう。一般的に料理に使う計量カップは1カップあたり200mlの容量ですが、お米専用の計量カップは1カップあたり180mlの容量になっています。
これは、お米が180mlで1合に相当するためです。「たった20mlの差」と思わず、おいしいごはんのために正確に計量することが大切です。
計量カップでお米を計量するときの手順は、以下のとおりです。
1.計量カップ(180ml)にお米を山盛りにいれ、計量カップの底を1~2回たたき、お米をカップ内に程よく満たします。
2.箸などで計量カップをすり切り、あふれたお米を取り除きます。
お米専用の計量カップがない場合は、スケールを使って重量で計量することも可能です。お米1合あたりの重さは150gです。基準となる重さを覚えておくと、計量カップで計りにくい0.5合単位のお米も簡単に計量することができます。
また、使用する炊飯器の容量に対して、7~8割程度の量でごはんを炊くと、最もおいしさを引き出すことができるといわれています。
お米は、炊飯器の中で水が対流することによってムラなく加熱されますが、炊飯器の容量に対してお米が多すぎたり少なすぎたりすると、対流がスムーズに起こらず、炊きムラにつながってしまう可能性があります。
ご使用の炊飯器が3合炊きであれば2合程度、5合炊きであれば3~3.5合程度を目安に炊飯するのがおすすめです。
2.米の研ぎ方
出典:Amazon
お米の計量が済んだら、次は「研ぐ」作業に入ります。お米を研ぐときは力を入れてギュッギュッと米粒をこすり合わせるイメージがあるかもしれませんが、それはNGです。お米の適切な研ぎ方について、ポイントごとにみていきましょう。
研ぐときの水について
まずは、お米を研ぐときの水についてです。お米は乾燥しているため、最初に触れた水を最もよく吸収するといわれています。
そのため、お米を研ぐときの水がごはんのおいしさにもつながってくるのです。おいしいごはんを炊くために、ミネラルウォーターや浄水器のキレイな水を使うといいでしょう。
お湯を使ってもいい?
お米を研ぐとき、水が冷たいと手が冷えて辛いですよね。特に冬場は冷たい水には触れたくないものです。だからといって、お米を研ぐときにお湯を使うのはあまりよくありません。
お湯を使うと、お米の表面だけに熱が伝わってしまい、芯まで吸水できず加熱したときに芯が残ってしまうことがあります。
また、外側だけが吸水することでお米が割れやすくなったり、炊飯したときに「芯は残っているのに米粒はべちゃべちゃ……」という事態にもなりかねません。
さらに、お湯を使うことによってお米が糠(ぬか)のニオイを吸収してしまったり、お米の甘味・旨味のもととなる成分が流れやすくなってしまいます。おいしくごはんを炊くためには、冷水でお米を研ぐ必要があるのです。
「それでもやっぱり冷たい水に手を入れるのは辛い!」という方は、お米研ぎ用のアイテムを使用されることをおすすめします。
100円ショップやバラエティショップなどに行くと、お米を研ぐ便利なアイテムが販売されています。気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
ちなみに、そういった便利グッズの代用として泡立て器などを使用すると、お米が欠けたり割れたりする原因になるため、専用のグッズを使うようにしましょう。
上手に米を研ぐには?
それでは、お米を上手に研ぐための手順を説明します。
1.まずは、計量したお米に水を加えます。このとき、水と一緒に米ぬかや不純物を一緒に吸収してしまうため、水を加えて2~3回軽く混ぜたら、すぐに水を捨ててください。目安としては、水を加えてから捨てるまでを10秒程度で行うといいでしょう。
2.水を捨てて、お米の水が軽く切れたら、その状態のまま全体を10~20回ほどかき混ぜます。このとき力を入れすぎるとお米の欠け・割れの原因となるため、手で優しくかき混ぜるようにしましょう。
3.お米をかき混ぜたら、再び水を加えます。軽くかき混ぜて水が白く濁ったら水を捨てます。
4.手順2、3を2~3回ほど繰り返します。この作業をやりすぎるとお米の甘味や旨味まで水と一緒に流れてしまうため、やりすぎには注意してください。
ザルは使ったほうがいいの?
お米を研ぐときに、ザルを使うとお米がこぼれる心配がなく、便利ですよね。しかし、お米をザルに入れたままお米を研ぐのはやめましょう。
ザルの目にお米がぶつかり、お米の欠けや割れの原因になります。ザルを使うのはお米に入れた水を捨てるときだけにして、お米を研ぐときには必ずボールなど米粒が割れない容器に入れて行ってください。
水を入れ替える目安は?
「お米の研ぎ方」の手順でも説明しましたが、お米を研ぐときに水を入れ替える目安は2~3回ほどで十分です。
お米を研ぐ作業はお米に付いた米ぬかや不純物を取り除くためのものですが、精米技術が向上した現在では、力を入れて研いだり何度も水を取り替える必要はありません。
お米を溶いた水が白く濁るのは、米粒に残った米ぬかや不純物をはじめ、お米に含まれるでんぷんなどが溶け出しているためです。でんぷんは炊きあがったごはんの甘味のもとであるため、多く流れ出てしまうとごはんのおいしさが半減してしまいます。
お米を研ぐときには、最後に捨てる水が少し濁っているくらいにとどめ、何度も水を取り替えることはやめましょう。
3.水を加える
お米を研ぎ終わったら、お米を炊飯器のお釜に移して分量の水を加えます。使用する水は、研ぐときと同様にミネラルウォーターや浄水器の水など、きれいな水を使用してください。水の分量は、お釜の目盛線を参考に入れましょう。
もし、目盛線がない場合やお米を重さではかった場合は、乾燥した状態のお米の重量に対して1.5倍量の水が必要になります。
例えば、お米2合(300g)を炊く場合には、水450gが必要となります。ただし、ここで注意すべきことは、お米を研ぐ過程ですでに水分が吸収されているということです。
研ぎ終えたお米2合に水450gを加えてしまうと、水分が多くなりすぎてしまいます。そのため、研いだあとのお米と水を合わせて、合計で750g(300g+450g)となるように水分量を調節してください。
4.浸漬
お米を水に浸けて吸水させることを「浸漬(しんせき)」といいます。お米に分量の水を加えたら、すぐに炊飯を開始せずに、しっかりと浸漬の時間を設けましょう。
浸漬時間の目安は、夏場は最低30分、冬場は最低1時間を目安にしてください。長時間おけばおくほどいいというわけではありませんが、時間に余裕があれば2時間ほど浸漬しておくと安心です。
すぐに炊かないときは?
お米を炊飯器にセットし終わっても、すぐに炊かないときもありますよね。前日の夜のうちにセットしておく方も多いかと思います。
しかし、可能であればお米を炊飯器にセットしたまま長時間放置するのは避けたほうが無難です。長時間お米を見ずに浸けたままにすることによって、お米に含まれるでんぷんや旨味成分が水に溶けだしてしまいます。また衛生面からみても、常温に長時間おいておくのは望ましくありません。
5.炊けた後は
お米の浸漬が終わって炊飯器での加熱がスタートしたら、あとは炊きあがるのを待つだけです。ごはんが炊きあがったら、なるべく早めにごはん全体をほぐしましょう。炊きあがった直後にほぐすことで、ごはん全体の水分量が均一になるほか、余分な水分が飛んでごはん一粒一粒の弾力としゃっきりとした食感が増します。
ごはんをほぐすときには、まずはしゃもじで十字に切り込みをいれ、ひとかたまりずつ上下を返すようにほぐしましょう。このとき、ごはんの粒を潰さないように、しゃもじを切るようにさっくりと動かすことがポイントです。
炊いたご飯はどれくらい保温保存できる
ほとんどの炊飯器には、炊きあがったごはんを温かい状態に保っておくための保温機能がついています。しかし、長時間に渡ってごはんを保温しておくことはおすすめできません。
なぜなら、ごはんを長時間保温しておくことでお米の水分が飛び、ごはんが乾燥して固くなってしまうためです。さらに、高温状態が続くことでごはんの風味も飛んでしまいます。
ごはんを保温しておくのは長くても2~3時間程度にとどめ、食べ切れない分はなるべく早めに炊飯器から取り出して冷凍保存しておくことがおすすめです。
毎日のごはんをおいしく仕上げましょう!
お米の基本的な研ぎ方と、工程ごとのコツやポイントをご紹介しました。お米は日本人の主食で、ほとんどの方が毎日口にするものだと思います。
毎日食べるものだからこそ、少しでもおいしくいただきたいものです。お米の基本の研ぎ方を覚えると、同じお米でもいつもよりおいしいごはんに仕上げることができます。ぜひ今回ご紹介した方法を実践して、おいしいごはんを召し上がってくださいね!
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