冬の野菜代表として鍋やスープ、炒め物に活躍する白菜。淡白な味わいで和洋中さまざまな料理に使える万能野菜です。しかし、正直大きすぎて使い切れない…という人も多いのでは。

今回はそんな白菜の選び方とよくある疑問、そして上手な保存方法まで紹介します!

使い切れずに無駄にしてしまったり、見た目が悪く食べられるか不安で捨ててしまっていたという人もぜひ参考にしてくださいね!

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白菜の形にも種類がある

白菜といえば一般的に卵型にぎゅっと丸まった形を思い浮かべますが、丸まっていない白菜もあることをご存知でしょうか?

白菜は中国原産なのですが、誕生した頃の白菜は丸まっていない、チンゲンサイのように葉が外に広がった形をしていました。それが改良を繰り返していくうちに段々と今のような卵形になって日本に入ってきたんですね。

今でも数は少ないですが長崎白菜など丸まっていない白菜も流通しており、漬物などに利用されています。

他にも、サイズが一回りほど小さいミニ白菜など変わった品種も流通しています。普通の白菜が1.5kgほどに対してミニ白菜は1kgほどなので、人数の少ない家庭でも使い切りやすいのが魅力です。

白菜の上手な選び方


白菜の旬は鍋が美味しくなる秋の終わりから冬の間です。白菜は霜に当たると“寒締め白菜”と呼ばれ柔らかく甘くなるので、冬の白菜は特においしいとされています。

そんな白菜を見分けるポイントは外葉の状態や巻き方、切り口です。丸ごとの場合とカットされた白菜では見るポイントが少し異なります。

丸ごとの白菜

外葉・色

丸々1個で買う場合は、まずは外葉の色と状態をチェックしましょう。外葉がみずみずしく、いきいきとした緑色のものが新鮮な白菜である証拠です。

外葉がしおれていたり、黄色くなってしまっているものは収穫されてからだいぶ時間が経っています。このような白菜は味も落ちてしまっているので、避けるようにします。

次に、芯の切り口部分もチェックしましょう。白菜やキャベツ、レタスのような芯のある野菜は、芯の切り口から傷んできます。切り口が白く、みずみずしいものを選びましょう。

芯が茶色く変色していたり、カサカサになっているものは収穫から時間が経っていて鮮度が落ちているサインです。

巻き方

中身がチェックできない場合は、白菜全体の巻き方も要チェックです。葉の巻き方が強く、ぎゅっとしているものは中身もしっかりと身が詰まっています。巻きがゆるそうな白菜は中身がすかすかになっている場合があります。

カットした白菜は断面もチェック


半分や1/4にカットしてある白菜を買う場合は、外葉と芯のチェックに加えて断面もチェックします。

カットするとその部分が時間と共に空気に触れて変色してきます。茶色っぽく変色しているものはカットしてからだいぶ時間が経ってしまっているので避けましょう。中までみずみずしく、葉がぎゅっと詰まっているものがおすすめです。

次に、芯の断面をチェックします。白菜は成長するにつれて芯がどんどん大きくなっていきます。成長しすぎた白菜はあまりおいしくありません。白い芯の部分が全体の1/3程度の大きさのものを目安にしましょう。

また、芯の部分が盛り上がっている白菜は収穫してから時間が経ち、栄養が芯に集まっている状態です。そのような白菜は味も落ちてしまっているので、芯が盛り上がっていないものを選ぶようにしましょう。

白菜の黒い斑点の正体

たまに見かける白菜についているごまのような「黒い斑点」。洗っても落ちないので、もしかしてカビ?虫?と心配になってしまいますよね。

調べてみると「ゴマ症」などと書いてあり、病気?とさらに心配になってしまうこともあるでしょう。

実は黒い斑点の正体は、ワインやお茶などでおなじみのポリフェノールの一種です。ポリフェノールはほとんどの植物が自分を守るために持っている成分で、抗酸化作用や殺菌作用などの私達の健康や美容に役立つ成分でもあります。

ポリフェノールは、ストレスを受けるほどたくさん作られます。つまり、ゴマ症の白菜は育つときに温度や湿度、栄養などのストレスが多かったということです。そのため、食べても体に害はありませんので、安心してくださいね。

野菜の中にはストレスが強いほど甘くなるものもありますが、白菜の場合は残念ながらストレスがかかると甘みが落ちてしまいます。

栄養の面でも鉄分が少ない傾向にあるので、わざわざゴマ症の白菜を選ぶメリットはありません。さらに、水分が多いので傷みやすく日持ちしない傾向があります。ゴマ症の白菜を使う場合はできるだけ早めに食べ切るようにしましょう。

白菜の外側の葉は使える?


白菜売り場にはよく外側の葉を捨てる箱があり、みんなさんよく捨てていますよね。

なので、白菜の外側の葉は食べられないと思っている人も多いのではないでしょうか。実は、白菜の外側の葉は食べられないわけではありません。

食べられないわけではない、というのは、他の人が触っていたかもしれない、土や虫がついていた、農薬がかかっているかもしれない、という理由から外葉を避ける人が多いのです。また、外葉は固いので、食べづらいという理由もあります。

もちろんきれいに洗えば食べられます。ただし、食感が固いので細かく切ったり、煮込み料理などに使うようにしてください。

白菜は腐るとどうなる?

黒い斑点は食べても問題ないということはわかりましたが、それでは傷んだり腐ったりした白菜はどうなるのでしょうか?

白菜は時間が経つと、だんだん茶色や黒に変色してきます。黒い変色はゴマ症の黒い斑点とは違って、大きなシミのような変色なので見分けるのは簡単です。

一部だけ変色している場合は、傷んだ部分を取り除けばまだ食べられます。

さらに時間が経つと変色が広がっていき、さらにどろどろとしてきます。変な臭いや濁った汁がでてくるような状態までくると、火を通しても酸っぱい味がしてしまいます。ここまでくるとおいしくないうえにお腹を壊す恐れがあるので、残念ですが処分しましょう。

白菜の上手な保存方法

白菜は一回では使い切れないことが多い野菜です。鍋の残りを放置しておいたら腐ったり冷蔵庫でカピカピになってしまった…という人も多いのではないでしょうか。

白菜の保存に適した温度は0〜4℃なので冷蔵保存がベストですが、冬場であれば常温保存が可能です。ただし、丸ごとの白菜に限ります。

カットした白菜は常温保存しておくとすぐに腐ってしまうので、必ず冷蔵庫に保存してくださいね。

常温保存する場合


白菜を常温保存する時のポイントは、丸ごと保存・芯を取り除く・冷暗所で立てて保存・新聞紙にくるむの4点です。

丸ごと保存

白菜はカットしてしまうと切り口から傷んでしまいます。常温で保存する場合は、必ず丸ごと保存しましょう。少しずつ使う場合も包丁は使わずに、外側から葉を一枚ずつ剥がして使います。

食べる部分をむき出しにしないように、一番外側の葉を取っておいてカバー代わりにするのがおすすめです。

芯を取り除く

2つ目のポイントは、白菜の芯を取り除くことです。実は白菜は収穫してもまだ生きています。
そして生長点である芯が残ったままだと、保存中もどんどん成長を続けて傷みやすくなってしまいます。

そこで、白菜の芯の部分を包丁でくり抜いて成長を止めてしまいましょう。くり抜いた場所には湿らせたキッチンペーパーを丸めて詰めておけば、乾燥を防げます。

冷暗所で立てて保存

3つ目は、立てて保存することです。白菜は寝かせてしまうと葉同士が触れ合って傷ついたり、床に面している部分が蒸れて傷んでしまいます。

白菜に限らず地面から生えている野菜は、生えていたときと同じ姿勢にしておくと長持ちしやすくなりますよ。

保存場所は通気性のよい冷暗所がおすすめです。冷暗所というのは、日の当たらない14℃以下程度を目安にしてくださいね。

新聞紙にくるむ

最後のポイントは、白菜全体を新聞紙で包むことです。白菜は水分をたくさん含んでいるので、ポリ袋など通気性の悪い袋に入れると蒸れて傷みやすくなってしまいます。かといって、むき出しのままでは乾燥してしまいよくありません。

先ほど説明したように一番外側の葉をカバー代わりにした上で、清潔な新聞紙で全体を包んであげるのがベストです。こうすることで、通気性よく適度な湿度を保ちながら保存できます。

保存期間

常温保存した白菜の保存期間は涼しい時期で約3〜4週間です。
しかし、季節や場所によっては気温が高すぎることもあるので、ある程度使って小さくなったら冷蔵保存に切り替えるのがおすすめです。

冷蔵保存する場合


水分の多い白菜を冷蔵保存する場合は、湿度の高い野菜室で保存するようにしましょう。

丸ごとの場合とカットした場合とでは保存方法も期間も変わってくるので、以下を参考にしてみてくださいね。

丸ごと保存

丸ごと保存する場合は、常温保存と同じです。芯を取り除く・冷暗所で立てて保存・新聞紙にくるむのポイントをおさえておきましょう。

保存期間

保存期間は約3〜4週間です。適温で保存できるので、常温保存よりも長持ちしやすいです。

カットして保存

大きくカットした白菜は、切り口が空気に触れて傷んでしまいます。そのため、芯をくり抜き、切り口が空気に触れないように、ぴっちりとラップで包んであげましょう。

また、丸ごとの場合とは違い、カットした白菜は内側から使うのがおすすめです。なぜなら、白菜は時間と共に内側から外側に栄養が移動していくという特性があるからです。

外側から使っていくと最後に残った内側の部分は味や栄養が抜けた状態になってしまいます。カットした白菜であれば内側から先に使えるので、最後までおいしく食べられますよ!

ざく切りなど小さくカットした白菜の場合は、ジッパー付きのポリ袋に入れてからできるだけ空気を抜いて保存します。

白菜の重量に対して、3%程度の塩で揉んでから保存すると漬物風になりおすすめです。かさが1/3程度に減るのでコンパクトに保存できるうえに、保存が効きます。

保存期間

大きくカットした白菜の保存期間は約1週間です。

ざく切りなど、小さくカットした場合はそれだけ傷むスピードも早くなってしまうので、数日で使い切るようにしてくださいね。

爪楊枝を刺す裏ワザ保存術

白菜を丸ごとや大きめカットで保存するポイントとして、芯をくり抜く方法を紹介しましたが大きな白菜の芯を包丁をくり抜くのは結構大変です。また、くり抜いた断面から雑菌が入ったり、空気に触れて傷んでしまうという難点もあります。

そこでおすすめしたいのが、爪楊枝を刺す方法です。清潔な爪楊枝を丸ごとなら3本ほど、カットしたものなら大きさに合わせて1〜2本用意し、芯の奥まで差し込みましょう。

こうすることで白菜の生長を止めつつも最小限の傷で済むので、より傷みにくくなります。

この方法は湿らせたキッチンペーパーもいらず、包丁で怪我をする心配もないのでおすすめです。ただし、白菜の芯は固く爪楊枝が刺さりにくいので、爪楊枝を折ったり手が滑って怪我をしないように注意してくださいね。

冷凍保存する場合


カットした白菜を長持ちさせるには、冷凍保存がおすすめです。あらかじめ使いやすい大きさにカットしてから冷凍すれば、使うときに切る手間が省けるので一石二鳥です。

白菜は生のままでも軽く下茹でしてからも冷凍できます。それぞれメリットがあるので、保存方法とあわせて紹介していきます。

どの方法で冷凍するときも、冷凍庫に入れるときは金属製のトレーやバットを用意してその上に並べるのがおすすめです。金属は熱を通しやすいので急速冷凍ができ、冷凍時の劣化を抑えることができますよ!

生のまま保存

白菜を生のまま冷凍するメリットは、なんと言っても手間がかからないことです。また、茹でるとどうしてもお湯の中に栄養が流れ出てしまうので、生のまま冷凍することでそれを防げます。

白菜をきれいに洗って使いやすい大きさにカットしたら、水気をキッチンペーパーなどでよく拭き取ってジッパー付きのポリ袋に入れましょう。

ポリ袋の中でなるべく平らになるように中の空気を抜いたらしっかりと閉じ、冷凍庫にしまえば完了です。

ここでのポイントは水分をよく拭き取ることです。水分が付着したままだと冷凍したときに氷の塊になってしまい、使いづらくなるだけでなく解凍時に味や栄養が流れ出る原因にもなります。

ひと手間かける場合は、白い部分と緑の葉の部分を分けて保存しましょう。白い部分を炒め物やスープにして葉の部分はおひたしにするなど、使い分けやすくなり便利です。

茹でて保存

白菜は茹でるとかさが減るので、生のまま冷凍をするよりもずっとコンパクトに冷凍ができます。少し手間はかかりますが、たくさん冷凍保存する場合は茹でてからの保存がおすすめです。

茹でてから冷凍する場合は、使いやすい大きさに切って沸騰したお湯で30〜40秒ほど茹でましょう。若干固めに茹でることがポイントです。

予熱でどんどん熱が入ってしまうので、すぐにザルにあけて冷水で冷やすようにしてください。

冷めてから白菜をぎゅっと絞って水気をよく拭き取り、ラップにぴっちりと包みます。このとき、一回分ずつに小分けして包めば使うときに便利です。あとはジッパー付きのポリ袋に入れて保存をしましょう。

塩もみして保存


白菜のかさを減らして冷凍する方法として、冷蔵保存でも紹介した塩もみする方法があります。塩で揉むことで茹でたときと同じようにコンパクトに保存ができます。

切った白菜の重さに対して2%程度の塩をふりかけ、しんなりとしてきたらよく手で揉みます。そうするとどんどん水分が抜けて小さくなってくるので、ぎゅと絞っても水分が滴らなくなったらラップにぴっちりと包みます。

その後、冷凍保存に対応したジッパー付きの袋などに入れて保存しましょう。塩で揉んだ白菜はそのまま解凍しておひたしのように食べてもおいしいですよ。料理に使うときは塩加減に気をつけてくださいね。

保存期間

冷凍保存した白菜の保存期間は、どの方法でも約1ヶ月ほどです。

一度解凍した白菜は再冷凍すると劣化したり雑菌が繁殖しやすくなってしまうので、小分けに冷凍して使う分だけ解凍するようにしましょう。

美味しい解凍方法

カチカチに凍った白菜を解凍するときは、冷蔵庫で自然解凍しましょう。常温では温度が高すぎて味や栄養が水分と共に流れてしまうほか、雑菌が繁殖しやすいのでおすすめできません。

自然解凍した白菜は柔らかく、スープや炒め物のほかにそのまま味付けをしておひたしのようにしても食べられます。

スープや炒め物にする場合は、解凍せずに凍ったまま鍋やフライパンに入れても構いません
。ただし、溶けるまで時間がかかるほか鍋の中の温度が下がってしまうので、火加減や加熱時間を調整するようにしましょう。

保存方法の使い分けがポイント

今回は、白菜のよくある疑問と上手な選び方、そして長持ちさせるポイントについて紹介しました。

白菜は丸ごとの場合とカットの場合で選び方や保存方法が変わってくるので、白菜の状態に合わせて使い分けるのが最後までおいしく食べるコツです。

安くて大きい白菜を買うと腐ったり毎日白菜になるから嫌、という人も、今回紹介したポイントを参考にしてお得に白菜を楽しみましょう!

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