栄養が豊富で色々な料理に使いやすい「キャベツ」は常備しておきたい野菜のひとつ。しかし、キャベツの難点は大きすぎるところ。丸ごとを買っても使い切れず、ダメにしてしまった人も多いのではないでしょうか?
今回は、そんなキャベツを長持ちさせる保存の秘訣を紹介します!コツを押さえるだけでキャベツがいつもよりグッと長持ちするので、ぜひ試してみてくださいね。
キャベツは収穫時期によって3種類に分けられる
キャベツは一年中出回っていますが、旬というものはあるのでしょうか?
キャベツは収穫時期で春キャベツ、夏秋キャベツ、冬キャベツに分けられます。品種が同じキャベツでも見た目や味わいがかなり違っていて、それぞれに旬があるといってもいいでしょう。
春キャベツ
秋に種撒きをし、春(3月〜5月)に収穫されます。春玉や新キャベツとも呼ばれていて、巻きがゆるくふわっとしているのが特徴です。芯の方まで柔らかくてみずみずしく甘いので、レタスのように生で食べるのに向いています。
夏秋キャベツ
品種としては冬キャベツと同じものですが、夏から秋(7月〜10月)に収穫されます。長野などの涼しい高原で栽培されるので、別名“高原キャベツ”とも呼ばれています。夏秋キャベツはしっかりとした巻きが特徴ですが、冬キャベツよりも葉が柔らかく、みずみずしさも残っています。生でも加熱料理でもおいしく食べられる、オールラウンドに楽しめるキャベツです。
冬キャベツ
秋の終わりから冬の間(11月〜3月)に収穫されるキャベツで、感玉キャベツとも呼ばれています。夏秋キャベツよりもさらにぎゅっと巻きが強く、葉も固くしっかりしているのが特徴で煮物などに最適です。スーパーに並んでいる冬キャベツは白いことが多いのですが、これは外の葉を剥いてから出荷しているためです。
美味しいキャベツの選び方
コールスローなどあらかじめ加工されているものを除けば、丸々1個で買う場合と、1/2や1/4のカットキャベツで買う場合が多いのではないでしょうか。
それぞれ美味しいキャベツを見分けるためのポイントがあります。ひとつずつ見ていきましょう。
丸々1個の場合
葉
まず、葉は緑色がほどほどに濃くて虫食いがなく、みずみずしいものを選びます。白っぽいものは外側が汚かったり、枯れていたり、虫食いがあってお店や農家の人が何枚か剥いてしまったものです。品質も落ちていることが多いので、避けるようにしましょう。
緑色が不自然に濃かったり、葉の虫食いがひどいキャベツは、肥料の硝酸が多く苦味やえぐみが強かったり、虫に抵抗できないくらい弱い成長を遂げた可能性があります。硝酸が多いキャベツはあまり美味しくないので、これらも避けるようにしてください。
冬キャベツで部分的に紫色になってしまっているものがありますが、これは霜に当たってしまったために変色したものです。傷んでいるわけではないので安心してください。
重さ
次に重さをチェックします。手に持ってみて同じ大きさでも重さが違う場合は、冬キャベツならより重い方を、春キャベツならよりふんわりしたものを選びましょう。
重い冬キャベツは巻きがしっかりとしていて、葉もみずみずしく美味しいです。妙に軽いキャベツは成長不良で中身がスカスカなうえ、味もあまりよくありません。逆に、春キャベツはある程度ふわっとしているほうが、弾力もあり美味しいです。
芯
丸々1個のキャベツは芯から傷みます。芯が茶色や黒に変色していないか、枯れたり割れたりしていないかをしっかりとチェックしましょう。
芯に刃物で切れ込みが入っているものが時々ありますが、これはお店の人が劣化を防ぐために切れ込みを入れています。カットキャベツでは劣化を抑えるためによくされることですが、丸々1個で切れ込みが入れられたものはキャベツ自体が古いことが多いので避けるようにしましょう。
カットされているキャベツの見分け方
カットされているキャベツは外側の葉と芯に加えて、断面をチェックします。春キャベツと冬キャベツでは判断の方法が違うので、それぞれ見ていきましょう。
どちらの場合も、まずは切り口が変色していないかどうかをチェックしましょう。カットしたキャベツは切り口から傷んでしまうので、時間が経っているものは茶色や黒く変色してしまいます。
春キャベツの場合
春キャベツは冬キャベツや夏秋キャベツと違って巻きがゆるくふんわりしているので、すき間があってもさほど気にする必要はありません。
ただし、芯が大きくなりすぎているものは成長し過ぎで固く、苦味が強いことがあります。芯の大きさは直径が500円玉くらい、高さが全体の2/3の大きさがベストです。
冬キャベツの場合
冬キャベツや夏秋キャベツの場合は巻きが強いほうが美味しいので、しっかりと葉の密度が高いものを選びましょう。春キャベツのときと同じく、芯の大きさは直径が500円玉くらい、高さが全体の2/3の大きさがベストです。
キャベツの保存方法
キャベツはなかなか1回では使い切れない野菜。一人暮らしや家族が少ないとカットキャベツでも残ってしまうことが多く、無駄になってしまった経験のある人は多いのではないでしょうか。
実はキャベツは適切に保存をすれば、かなり長持ちをする野菜です。常温、冷蔵、冷凍それぞれの保存方法と保存期間を紹介します。
常温保存する場合は丸ごと
キャベツを保存する適温は5℃前後なので、冬場以外は冷蔵保存がおすすめです。冷蔵庫に入り切らない場合は常温でも数日は大丈夫ですが、気温が高い日はなるべく早めに使ったり、冷蔵冷凍保存をしてくださいね。
キャベツはカットすると切り口からどんどん傷んでしまいます。そのため、基本的に丸々1個で買った場合は切らずに丸ごと保存しましょう。カットキャベツで購入した場合はすぐに傷んでしまうので、冬場以外の常温保存は避けます。
さらに、芯が残っていると栄養を吸ってしまうため持ちが悪くなってしまいます。キャベツを購入したらすぐに芯をくり抜くようにしてください。
キャベツの芯を処理する方法
くり抜いたところに湿らせた新聞紙やキッチンペーパーを詰めておけば、切り口が乾かないのでいつまでもみずみずしさを保てます。この詰めものは放置しておくとカピカピに乾いたり雑菌の温床になってしまうことがあるので、2〜3日を目安に定期的に交換するようにしましょう。
時間がないときは、芯に包丁で切り込みを入れる、爪楊枝を刺すだけでも長持ちをさせることができますよ。
芯を処理したキャベツは新聞紙に包んでからポリ袋に入れて、芯を下にして保存します。密閉すると呼吸ができなくなってしまうので、袋の口は少し開けておきましょう。
使うときは切るのではなく、外側から葉っぱを一枚ずつ剥がして使います。これで切り口から劣化することを防ぐことができますよ。
保存期間
常温での保存期間は約3〜4日です。寒い時期ならもう少し長く日持ちしますが、常温での保存はできるだけ早く食べきりましょう。
冷蔵保存する方法
生のままのキャベツは、カットでも丸ごとでも野菜室で保存するのがベストです。通常の冷蔵庫では乾燥してしまうので、野菜室に入れましょう。
丸ごと1個保存する場合
常温保存の場合と同じように芯を処理して新聞紙に包み、ポリ袋に入れて保存します。丸ごと1個のキャベツはこのように冷蔵庫で保存すれば、季節に関係なく長期保存が可能です。
保存期間
丸ごと1個のキャベツの保存期間は、約2週間です。使うときは常温保存のときと同じく、外側から一枚ずつ葉っぱを剥がして使うようにしましょう。
カットしたキャベツの保存
カットキャベツや大きすぎてカットしたキャベツは、痛みやすいので冷蔵保存して早めに使うようにしましょう。
カットしたキャベツの場合も、必ず芯を取り除いてくださいね。冷蔵庫に入れるときは、新聞紙に包んで切り口を下にするのがポイントです。
カットキャベツの場合も、使うときは外側から一枚ずつ葉っぱを剥いて使うのがおすすめです。時間が経つと切り口が参加して黒ずんでくるので、その部分は切り落として使うようにしましょう。
保存期間
カットしたキャベツは切り口の断面が大きいほど痛みやすく、保存期間が短くなります。目安としては、1/2や1/4のキャベツは数日で使い切るようにしてください。
冷凍保存する方法
ざく切りにしたキャベツや千切りキャベツ、みじん切りのキャベツは空気に触れる面積がが大きいので、常温はもちろん冷蔵保存でもすぐに傷んでしまいます。このようにカットしてしまったキャベツは、冷凍保存するのがおすすめです。
スライスしたキャベツの保存
ざく切りにしたキャベツはそのまま冷凍する方法と、下茹でしてから冷凍する方法があります。
生のまま冷凍する場合はよく洗ってから、水気をしっかりとキッチンペーパーなどで拭き取って冷凍用の保存袋に入れて冷凍しましょう。
下茹でをする場合は熱湯にさっとくぐらせて、同様に水気をよく取ってから冷凍袋に入れて保存します。あまり長く茹ですぎるとクタクタになってしまうので、さっと茹でる程度にするのがコツです。
千切りにスライスしたキャベツは冷凍の最中に水分がでてしまうので、先に塩もみをして水分を抜いておきます。
適量の塩を振ってよくもんだら、全体の量が1/3程度になるくらいまでしんなりとさせましょう。仕上げにぎゅっとよく水を絞ってから冷凍用の保存袋に入れて空気を抜き、薄い板状になるように平らにして冷凍庫に入れます。
どちらの場合も、金属製のバットやトレーに乗せてから冷凍庫に入れると急速冷凍できるので、風味が落ちにくくなりおすすめです。
保存期間
冷凍したスライスキャベツの保存期間は、約1ヶ月です。
一度解凍したキャベツは再冷凍するとひどく品質が落ちたり雑菌がついてしまうので、使う分だけ解凍するようにしてくださいね。
みじん切りしたキャベツの保存
みじん切りキャベツの場合も千切りのキャベツと同じように切り口から水分が出てきてしまうので、塩もみをしてから冷凍をします。
みじん切りしたキャベツをきれいに洗い、塩を適量振ってから塩もみします。千切りのときと同様に、全体の量が1/3程度になるくらいまでしんなりとさせましょう。
仕上げにぎゅっとよく水を絞ってから冷凍用の保存袋に入れて空気を抜き、薄い板状になるように平らにして冷凍庫に入れます。このとき、割り箸などで袋の上から押さえるなどをして筋を付けておくと、使うときにポキポキと折って使えるので便利です。
保存期間
冷凍したみじん切りキャベツの保存期間は、約1ヶ月です。
一度解凍したキャベツはスライスキャベツと同様に、再冷凍すると品質が落ちたり細菌がついてしまうので、使う分だけ解凍するようにしてくださいね。
キャベツの美味しい解凍方法
冷凍したキャベツは、解凍しても味や栄養が変わらずそのまま冷凍前と同じように食べられます。食感は生のときよりも少ししんなりしてしまうので、気になる場合はコールスローや加熱調理に使うとおいしく食べられます。
特に加熱調理する場合は冷凍のまま鍋やフライパンに入れて調理ができます。冷凍したキャベツは細胞が壊れているため火が通りやすくなっています。
干して保存する方法
干し野菜のイメージがないキャベツですが、他の野菜と同じように干して保存できます。干し野菜にすると甘みや栄養がぎゅっと凝縮するうえ、1ヶ月以上持つので長期保存したい場合にもおすすめです。
おすすめのキャベツは?
干し野菜にするキャベツはオールマイティな夏秋キャベツがおすすめ。キャベツを干す場合は、厚さ3センチ程度のくし形に切ります。芯を取ってしまうとバラバラになってしまうので、芯はついたまま切りましょう。
しっかり乾燥させること!
カットしたキャベツを野菜干しのネットやざるに並べて、天気のいい乾燥した日に風通しのいい場所で3〜4日ほど干します。夜は夜露で濡れてしまうので、家の中に取り込みましょう。
雨や湿気に注意しながらカサカサになるまで乾燥させたら完成です。きれいに消毒した保存瓶に乾燥剤と一緒に入れて、冷蔵庫で保存ができます。使うときはそのまま食べるほか、スープや炒め物に入れるのもおすすめです。
キャベツを上手に保存しておいしく楽しもう
さまざまな料理に使える栄養豊富なキャベツは、自炊するならぜひ常備しておきたい野菜です。使い切るのが大変ですが、いくつかポイントを押さえるだけで長持ちさせることができます。
大きめカットや丸ごとキャベツを買ってだめにしてしまった経験のある人も、ぜひ今回紹介した保存方法を試してみてくださいね。
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