季節を問わず手軽に購入できる「玉ねぎ」。玉ねぎは血液をサラサラにして、動脈硬化や生活習慣病を予防してくれる効果があります。

しかし、そんな健康に良いとされる玉ねぎも、食べ過ぎると逆に健康を損ねてしまう可能性があるのです。今回は、玉ねぎを食べ過ぎると起きる症状とそれを防ぐための注意点、ダイエットへの活用方法についてご紹介します。

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玉ねぎの1日当たりの適量は?


食べると血液をサラサラにしてくれて、動脈硬化や生活習慣病を予防する働きがある「玉ねぎ」ですが、食べ過ぎるとかえって健康を損ねてしまう可能性があります。

せっかく健康に良い効果がある食材ですから、上手に取り入れて健康な身体に近づきたいですよね。そもそも玉ねぎが健康に良いとされている主な理由は、玉ねぎに豊富に含まれている「アリシン」という成分にあります。

アリシンは玉ねぎ以外にも長ネギやにんにく、ニラなどのネギ類に多く含まれている成分で、ネギ類の辛味の元となっている成分です。玉ねぎを切ったときに涙が出てくるのも、このアリシンの刺激によるものです。

アリシンは血液をサラサラにしてくれる効果のほか、強い殺菌作用と抗酸化作用があります。そのため、動脈硬化予防、生活習慣病予防、風邪・食中毒の予防、抗ガン作用、アンチエイジング効果などが期待できます。玉ねぎの栄養に関しては『効果的な食べ方は?玉ねぎの栄養やうれしい効能について解説』にて詳しく説明しています。

その一方で、玉ねぎの食べ過ぎによる症状を引き起こすのも、このアリシンが主な原因のひとつとなっているのです。

それでは、玉ねぎの適量とはいったいどのくらいの量なのでしょうか?

一般的に、生の玉ねぎであれば1日あたり50gほどが適量であるといわれています。大きさにもよりますが玉ねぎ1個が150~300g程度であるため、1日あたり生の玉ねぎで1/6~1/3個が目安となります。

ただし、アリシンは玉ねぎを水にさらしたり加熱することによって減少します。そのため、水にさらしたり加熱した玉ねぎの場合は、50g以上食べても食べ過ぎにはならないでしょう。

また、体質や体調によっても食べ過ぎとなる量は変わってきます。ご自身の体質や体調に合わせて、玉ねぎの量や食べ方を調節してください。

食べ過ぎにより現れる症状


玉ねぎを食べ過ぎると、具体的にどのような症状が起こり得るのでしょうか?起こる可能性の高い3つの症状についてみていきましょう。

吐き気・嘔吐

玉ねぎの食べ過ぎで起こり得る症状のひとつが「吐き気・嘔吐」です。

アリシンは強い殺菌作用がありますが、その反面刺激が強い成分でもあります。そのため、玉ねぎを食べ過ぎてアリシンを過剰に摂取すると、胃が強く刺激されて胃酸が多量に分泌されます。これによって吐き気・嘔吐が引き起こされるのです。

腹痛・下痢

アリシンを食べると、胃や腸が刺激されて蠕動(ぜんどう)運動が活発になります。アリシンを過剰に摂取することで胃腸が過活動となり、腹痛が引き起こされます。

また、大腸の活動が活発になりすぎると、通常であれば大腸で吸収されるはずの水分が十分に吸収されず便に残ります。これにより下痢が引き起こされるのです。

胃もたれ

胃もたれは、胃酸が過剰に分泌されることによって起こります。先ほども述べたように、アリシンは胃の粘膜を刺激して胃酸の分泌を促進します。玉ねぎを食べ過ぎることで胃酸の分泌が過剰になり、胃もたれや胸焼けを感じるのです。

食べ過ぎによるアレルギーは?


玉ねぎを食べ過ぎると、上記の症状以外にもアレルギーを引き起こす可能性があります。

玉ねぎによるアレルギーの原因となる成分は、「硫化アリル」です。硫化アリルとは硫黄元素を含む化合物で、アリシンもそのひとつです。

玉ねぎには、硫化アリルとしてアリシン以外にも「硫化プロピル」という成分が含まれています。玉ねぎ以外には、ネギの白い部分にも含まれている成分です。

玉ねぎアレルギーが起こると、腹痛や吐き気、嘔吐、下痢、頭痛、めまい、発熱、湿疹といった症状が起こる場合があります。

ひどい場合には、玉ねぎを触るだけで皮膚の腫れやかぶれが起こる場合もあるようです。症状が悪化したり長引いたりするときには、迷わず病院に行くことをおすすめします。

加熱した玉ねぎの場合は?

アリシンは水にさらしたり加熱することによって減少するとお伝えしましたが、加熱した玉ねぎでもアレルギー症状は起こるのでしょうか?

玉ねぎに多く含まれる硫化プロピルは、水にさらしたり加熱することによって違う物質へと変化します。

さらに、空気に触れるだけでも変化するといわれています。そのため、硫化プロピルを原因としたアレルギーの場合は、玉ねぎを十分に加熱することで症状を予防・軽減できる可能性があります。

ただし、これ以外の成分に反応してアレルギーが起こっている場合には、玉ねぎを加熱したからといって必ずしも症状を予防・軽減できるとはいえません。

玉ねぎを食べたあとに体調不良を感じる場合には、アレルギーの可能性があるため一度病院で検査してもらって良いかもしれません。

玉ねぎをダイエットに活用する際のポイント


玉ねぎは健康への嬉しい効果があることに加え、ダイエットにも役立つといわれています。

玉ねぎに豊富に含まれる硫化アリルが血行を良くして新陳代謝を促進してくれるほか、むくみを解消してくれるカリウムや腸内環境を整えてくれる食物繊維も含まれています。

また、生の玉ねぎ100gあたり(可食部)37kcalと、低カロリーな食品でもあります。しかし、玉ねぎを効率よくダイエットに活用するためには、注意すべきポイントがあります。それらのポイントについて、具体的にみていきましょう。

目安以上の摂取は避ける

いくら玉ねぎが低カロリーで健康やダイエットに効果があるといっても、食べ過ぎには注意が必要です。

ここまでご紹介したように、玉ねぎを食べ過ぎることでかえって健康を損ねてしまう可能性があります。「健康やダイエットに良い」と聞くと、たくさん食べれば食べるほど効果が出るのではないかと期待してしまうかもしれませんが、実は真逆なのです。

玉ねぎの効果を効率よく発揮させるためには、一度にたくさん食べるよりも適量を毎日継続して食べることが大切です。

加熱・水のさらしすぎに気をつける

玉ねぎを加熱しすぎたり水にさらしすぎたりすることも、玉ねぎの効果を半減させる原因となります。玉ねぎの健康・ダイエット効果の元となっている硫化アリルは、水にさらしたり加熱することによって減少してしまいます。

食べ過ぎると体調不良を引き起こす可能性もある硫化アリルですが、適量であれば私たちの身体にとって嬉しい効果をもたらしてくれます。

玉ねぎを生の状態で食べるのが理想的ですが、硫化アリルを必要以上に減らさないよう水のさらすのであれば短時間で済ませる、加熱するときはさっと済ませる、といった工夫が必要です。

適量を守って、玉ねぎの効果を十分に発揮させましょう!

玉ねぎを食べ過ぎることで起きる症状とその注意点、ダイエットへの活用方法についてご紹介しました。

血液をサラサラにしたり、風邪や食中毒、生活習慣病などを予防してくれるなど、健康への嬉しい効果のある玉ねぎですが、食べ過ぎると逆に健康を損ねてしまう可能性があります。

しかし、適量を守って食べることで、健康だけでなくダイエットにも効果が期待できるのです。玉ねぎを毎日の食事に上手に取り入れて、健康でキレイな身体を目指してみてはいかがでしょうか?

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