健康食品として取り上げられることが多い黒にんにく。身体にいいと気になっていても、にんにくの臭いに抵抗があったり、味の想像がつかなくて試したことがない人も多いのではないでしょうか。

今回は、意外と食べやすい黒にんにくの味や驚きの健康美容効果を紹介します!炊飯器で作る方法も紹介するので、ぜひオリジナル黒にんにく作りにもチャレンジしてみてくださいね!

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黒にんにくってどんな味なの?


名前の通り炭のように真っ黒な黒にんにく。食べたことがない人は一体どんな味なのか想像しにくいですよね。

値段も安くないので、買って口に合わなかったらどうしよう…と手を出しにくい人も多いのではないでしょうか。にんにくのきつい臭いや味が苦手ならなおさらです。

しかし、黒にんにくの味や臭いは、よく口にする白いにんにくとは全く違うものなんです!

クニっとした食感と、ほんのりフルーティーな優しい甘みはどちらかというとドライフルーツに近い味わいで、「これがにんにく!?」と驚く人も多いようです。

そのまま食べるほか、細かく刻んでパスタやピザ、サラダのトッピングにすると見た目や食感がアクセントになっておすすめです。ほのかな甘みがあるので、焼き菓子に混ぜ込んでも美味しく食べられますよ。

粒が大きいものはややにんにく臭が残っていることがありますが、小さい黒にんにくにはほとんどにんにく臭がありません。にんにく臭が苦手な人でも気軽に食べられるでしょう!

黒にんにくに含まれる主な栄養素

黒にんにくには、健康や美容に欠かせない栄養成分がぎっしり詰まっています。スーパーフードとして取り上げられることも多く、“天然のサプリメント”として人気があります。

豊富な栄養素が含まれていますが、なかでも健康成分として取り上げられるのは「S-アリルシステイン」「ポリフェノール」「アスパラギン酸」の3つです。

S-アリルシステイン

S−アリルシステインは黒にんにくを代表する健康成分で、生にんにくの臭いのもとであるアリシンが発酵熟成により変化したものです。

その量は生のにんにくのおよそ4倍近くにもなり、そのぶんアリシンが減るので臭いが生にんにくよりずっと少なくなっています。

このS−アリルシステインには2つの働きがあります。

1つ目は、身体の中の免疫を司る「NK(ナチュラルキラー)」細胞を活性化させる働きです。

NK細胞はがん細胞や有害な細菌、ウイルスと戦ってくれるだけではなく、身体を老化させる原因の活性酸素を除去する、認知症の原因になる以上タンパク質を除去するなど、アンチエイジングにも非常に重要な細胞です。

2つ目の働きは抗酸化作用です。抗酸化作用は次に紹介するポリフェノールにもある働きで、身体の中にある活性酸素を除去してくれます。

身体の中の活性酸素が多すぎると細胞が壊れてぼろぼろになったり、コレステロールが酸化して血管を固くしてしまったりと、どんどん身体に疲労や老化の原因となるダメージが溜まってしまいます。

S−アリルシステインはそんな活性酸素を除去して、身体の老化を防いでくれます。いつまでも若々しい身体と瑞々しい肌を保ちたい方は積極的に摂取するといいでしょう!

ポリフェノール

ワインやチョコレートなどでよく聞くポリフェノールは、もともとは植物が自分の身体を守るために作り出している抗酸化成分です。

これらはポリフェノールという1つの物質ではなく、ワインならアントシアニン、チョコレートならカカオフラボノイドなど、植物によって違いがあります。

このポリフェノールは日の光を浴びるほど多く作られるため、地中で育つにんにくには本来あまり含まれていません。しかし、黒にんにくとして熟成する工程で、なんとにんにくの10〜20倍ほどに増加するんです。

ポリフェノールの効能はなんと言っても抗酸化作用です。S−アリルシステインでも紹介したように、身体に活性酸素が多すぎてしまうと疲労が回復しなかったり、老化がどんどん進んでしまいます。ポリフェノールもそんな身体の酸化を防いでくれる、健康や若さのために欠かせない成分です。

アスパラギン酸

野菜のアスパラガスに含まれているアミノ酸で知られるアスパラギン酸は、黒にんにくにも含まれています。

アスパラギン酸はスタミナドリンクやサプリメントに使われているほど、身体のスタミナ強化や疲労回復に欠かせない成分です。

主な働きはエネルギー代謝のサポートで、代謝に必要なマグネシウムやカリウムなどのミネラルを全身に運んだり、疲労の原因である乳酸を分解する働きがあります。

その他にも、肝臓や腎臓をサポートして体内の毒素を尿として排出する働きがあり、スポーツをする人以外にも重要な栄養素です。

黒にんにくに期待できる効果&効能


黒にんにくの栄養を紹介しましたが、実際に黒にんにくを食べ続けるとどのような効果や効能が期待できるのでしょうか?

特に期待できるのは「免疫力の強化」「抗ガン作用」「疲労回復」の3つです。

免疫力の強化

最も期待できるのが、免疫力の強化です。

免疫力の強化にはリンパ球内のNK細胞の活性化だけでなく、身体を酸化させない、毒素を貯めないということも非常に重要になってきます。

黒にんにくを食べることでS−アリルシステインがNK細胞を活性化します。さらにポリフェノールの抗酸化作用により身体の酸化を予防、そしてアスパラギン酸のサポートにより毒素をすばやく排出するという多方面からのサポート効果により、病気に負けない身体作りが期待できます。

抗ガン作用

黒にんにくにはガン予防にも効果があると言われています。

黒にんにくのS−アリルシステインによりガン細胞を倒すNK細胞が活性化することはもちろん、にんにくそのものが持つ有機ゲルマニウムという成分がガン予防に役立つ可能性があるとされています。

有機ゲルマニウムは朝鮮人参や霊芝など、漢方でも薬として使われてきた植物に多く含まれている成分で、ガン以外にも健康効果が期待できます。

中国・山東医学研究所の研究結果では、毎日にんにくを食べる人はそうでない人と比べてガンにかからない確率が非常に高かったそうです。

疲労回復

にんにく注射やサプリなど、昔からにんにくは疲労回復に素早い効き目があるとして重宝されてきました。

にんにくにはアリシンという臭い成分があり、これがビタミンB1と結びつくことでスタミナアップと疲労効果を発揮します。

黒にんにくになると、このアリシンはほとんどなくなってしまうのですが、代わりに力を発揮するのがS−アリルシステインとポリフェノールの抗酸化作用です。身体の中の活性酸素を除去することにより、疲労を溜め込みにくい身体にしてくれます。

さらに、アスパラギン酸の乳酸を除去する働きと毒素を排出する働きにより、疲労のもとをすばやく身体の中から追い出すことが期待できます。

黒にんにくに副作用ってあるの?

このように健康や美容にいいことばかりのように思える黒にんにくですが、副作用は無いのでしょうか?

結論から言うと、食品である黒にんにくに重篤な副作用と呼ばれるものはありません。

普通の白にんにくに多く含まれるアリシンには強力な殺菌効果があるため、大量に食べると腸内環境を崩してしまいます。黒にんにくにアリシンはほぼなくなっているので、このような心配はありません。

しかし、アリシンとは別に食べ過ぎによる胃の不快感や下痢症状が出るという声もあるため、あまりにも大量に食べるのは避けたほうがいいでしょう。

健康食品は一度に大量に、食べれば食べるほど効果があるというものではないため、毎日少しずつ食べるようにしてください!

黒にんにくは炊飯器でも作れる!


このようにメリットばかりの黒にんにくですが、唯一のデメリットは価格が高めなことです。プロが作る黒にんにくは味も品質も高いですが、気軽に毎日食べるにはちょっとお財布に厳しいですよね。

そんなときにおすすめなのが自作の黒にんにくです。実は黒にんにくは自宅で簡単に作ることができるんです。しかも、必要な道具は炊飯器、竹ざる、ガーゼだけとお手軽です。

黒にんにくは、にんにくを70〜80度の温度で長時間熟成させて作ります。炊飯器の保温モードはメーカーによりますが70〜75度なので、黒にんにくの熟成にピッタリなんです。

基本的に保温モードで放置しておくだけで黒にんにくが作れます。

臭い移りに注意して!

注意したい点は、熟成中の臭いがきつい点と、にんにく臭が炊飯器に残って取れなくなる点です。

特に黒にんにくを作った炊飯器でご飯を炊くとご飯に臭いがついてしまうので、できればリサイクルショップなどで売っている古い炊飯器を黒にんにく専用に用意したほうがいいでしょう。

たけざるやガーゼも同様に臭いが染み付いてしまうので、100円ショップなどで安いものを専用に用意することをおすすめします。

にんにくは粒を揃えて大きめなものを

黒にんにく作りに最適なにんにくは、粒が揃っていて大きめなもの、よく乾燥しているものです。

熟成する際に水分が抜けてひと回り小さくなってしまうので、小さいにんにくでは出来上がったときにかなり小さくなってしまいます。また、粒が揃ったにんにくを使うことで熟成が均一に進むので、出来上がりにムラができにくくなります。

新にんにくなど水分の多いにんにくを使うと水分が抜けきらず、べちゃべちゃとした仕上がりになってしまいます。

しっかりと乾燥させてあるものを買うか、2〜3日ほど外で干すといいでしょう。干す場合はネットやストッキングに入れて、にんにく同士が触れ合わないように1つずつ紐や輪ゴムで縛ってから吊るすときれいに乾燥できます。

黒にんにくの作り方


黒にんにく作りに必要な材料は、にんにくと酢です。にんにくの量の目安は3合炊きなら6個前後、5合炊きなら10個前後程度です。酢は臭いを消すために使うので、安い穀物酢でも構いません。

道具は炊飯器、竹製のザル(炊飯器の窯の底に入る大きさ)、ガーゼを用意しておきます。

1.漬け込む

まずはにんにくの臭いを軽減するために、にんにくを酢に漬け込みます。炊飯釜ににんにくを入れたら、ひたひたになるくらいまで酢を注いで1日置いておきましょう。

酢を節約したいときは、保存袋などの丈夫なビニール袋を使います。袋ににんにくと酢を入れて空気を抜くようにすると少ない酢でもしっかり浸かります。

2.乾かす

一日漬けたにんにくは半日〜1日ほど外で干して乾かします。

漬けておいた酢は何度でも使えるので、次回黒にんにくを作るときのために取っておきましょう。

3.熟成させる

にんにくを干し終えたら、いよいよ炊飯器での熟成に取り掛かります。

熟成の間はかなり強烈な臭いが炊飯器から出てくるので、部屋の中で作るのはおすすめできません。庭やベランダなどの外で作るようにして、近所の迷惑にならないように発泡スチロールの箱やダンボールなどで囲っておきましょう。

まず、直接にんにくが炊飯釜の底に当たらないように竹ざるを敷きます。次に、にんにくを玉のままか皮付きの粒にほぐして入れて、最後にガーゼをかけてから蓋をします。ガーゼをかけることで熱が均一に回り、発酵ムラを防げます。

入れ替えてムラを防ぐ

保温モードにして10日〜2週間ほど熟成させます。作り始めてから1週間ほどの間は下のにんにくのほうが熟成が進むので、1日に1回程度上のにんにくと下のにんにくを入れ替えるようにしてください。

粒を1つ取り出してねっとりとしていたら熟成完了です。再び外で1日ほど干して乾かせば黒にんにくの出来上がります。

黒にんにくの保存に関して

出来上がった黒にんにくは常温保存でも1ヶ月ほど保存ができますが、真夏など気温が高い場合や長期保存をしたい場合は、冷蔵か冷凍保存がおすすめです。

黒にんにくは水分がかなり抜けているので、冷凍してもカチカチに凍らずそのまま食べられます。別途『黒にんにくは常温保存OK?常温、冷蔵、冷凍の保存方法&保存期間とおいしい食べ方を紹介!』でも詳しく説明しています。

スーパーフードの黒にんにくを味わって!

今回は、健康と美容効果抜群のスーパーフード、黒にんにくを紹介しました。

健康食品と聞くとあまり美味しくなかったり、クセの強いイメージがありますが、黒にんにくは見た目に反して、かなり食べやすく比較的食べやすい食材です。

毎日の疲れが気になる人やいつまでも健康と美容を保ちたい、若々しくありたい人にはぜひともおすすめしたい食品です!

気になっていたけれど食べたことがなかったという人は、この機会に試してみてはいかがでしょうか。

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