自宅でパラパラチャーハンを作ろうと思ってネットで調べてみると、「冷たいお米を使うのがいい」「温かいお米を使うのがおすすめ」「お米を洗うと〇」──と、さまざまな情報に混乱してしまったという経験がある方も多いはず。

そこで今回は、ご家庭でパラパラチャーハンを作るベター&ベストな方法を解説とともにご紹介します!

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パラパラチャーハンに卵は必須!?


画像引用:ぱくたそ
べちゃっとしたチャーハンは、いくら味がよくても残念な気持ちになりますよね。「チャーハンをパラパラにするには、お米を卵でコーティングすればいい」というのは、果たして本当なのでしょうか?

中華料理店などで料理人がチャーハンを作っている様子を見ていると、中華鍋に油を入れてすぐに溶き卵を加えているのがわかります。これには“お米を卵でコーティングする”という狙いがありますが、本当に大切なのは「お米を油と卵でコーティングする」ということなんです。

そもそも、チャーハンがべちゃべちゃになってしまう原因はふたつあります。ひとつは「具材を加熱し過ぎて水分が出てしまうこと」によるもの。もうひとつは「加熱によってお米のデンプン質が溶け出てくること」です。

でんぷん質の流出を防ぐ

油と卵でお米をコーティングするのには、お米のデンプン質が流出してベタつくのを防ぐ狙いがあるのです。

熱々に熱した鍋に温度の低い油を注ぎ、それからすぐに溶き卵を入れることで卵の半熟状態を保ち、かつ鍋の温度を下げずに調理することができます。

そこへご飯を加えることで、油と卵がちょうどよく混じったコーティング液でお米をコーティングする──といった具合。プロはこれを瞬時に行ってパラパラチャーハンを作っているんですよ。

つまり、お米をパラパラコーティングするには、順序が大切だということ。

パラパラチャーハンを作るための手順とポイント

①フライパンを熱する

鉄のフライパンを使う場合

画像引用:無印良品
鉄のフライパンを使う場合は、鍋から煙が上がるくらい加熱してください。そうすることで油のノリがよくなり、ご飯がフライパンにくっつかないちょうどいい温度になります。

テフロンのフライパンを使う場合


画像引用:ruhru
テフロンのフライパンは空だきできませんので、油をひいてから温めてくださいね。油から煙が出る直前くらい温まったら、一度油を油缶などに戻します。そして新しい油(冷たい油)をひき直して使います。

②フライパンに油を入れる

コツは、思い切った油の量を使うこと。油が少ないと卵が油をすべて吸ってしまったり、お米全体に油が行き渡らなかったりして焦げつきやべちゃべちゃチャーハンの原因になります。油は多め!これが鉄則ですよ!

③溶き卵を入れる

フライパンを十分に熱して新しい油をたっぷりとひいたら、すぐに溶き卵を入れます。フライパンに溶き卵を入れたら、菜箸などでかき回して卵を広げてください。そうしたら、すぐに次の工程に移ります。

④お米を入れる

溶き卵と油が混然一体となっているところにお米を投入します。慌てることはありませんよ。フライパンは熱々の状態ですが、油はゆっくりと加熱されています。

卵が半熟状態のうちにお米を投入し、最初はおたまの背でご飯を押しながらほぐすように。徐々に鍋を振りながら卵と油でお米をコーティングしていってください。

⑤具材と調味料を入れる

お米がコーティングされてパラパラになってきたら、お好みの具材と調味料を入れます。ただし、このときに加える調味料は固形調味料(塩やコショウなど)のみ。

しょうゆなどの液体調味料はくっつきや焦げつきの原因になるので、最後に加えます。

⑥しょうゆを一回し入れる

しょうゆは最後の香りづけ&色づけ程度に、鍋のふちから回し入れるようにして加えます。混ぜすぎと加熱のし過ぎに注意! 加熱しながらかき混ぜ過ぎるとべちゃべちゃチャーハンになってしまいます!

⑦盛りつけて完成


この流れをマスターすれば、プロ級の味を自宅で再現することができるようになりますよ!

弱火でじっくりパラパラチャーハンも可能!

先ほどご紹介した①~④の手順は、料理を始めたばかりの方や不慣れな方には少し難しいかもしれません。でも心配はいりませんよ。

料理テクニックがなくても、上手にパラパラチャーハンを作る方法があります。それは「ご飯をあらかじめ卵やマヨネーズでコーティングしてしまう」というもの。

卵でコーティングする方法

ご飯を電子レンジでチンしたら、卵を加えてよく混ぜます。いわゆる「卵かけご飯」を作る要領です。

卵と和えたご飯を油をひき弱火で熱したフライパンに入れます。あまりかき混ぜすぎると卵がボロボロになってしまうので、卵がある程度固まってくるまでしばらく放置しておいてください。

卵が固まり始めてきたら、木べらなどでゆっくり全体を混ぜていきます。

最初はべちゃべちゃで「本当にパラパラチャーハンになるんだろうか?」と不安になってしまうかもしれませんが、気長に弱火で炒め続けてくださいね。最後には立派なパラパラチャーハンになります。

卵が全体的に固まってきたところで、お好みの具材を加えてください。

マヨネーズでコーティングする方法

そもそもマヨネーズの原料は油と卵と酢です。お米のコーティングに必要な油と卵が最初から入っているので、パラパラチャーハンになるのは不思議ではありません。

マヨネーズを使ってチャーハンを作る場合は、油の代わりにマヨネーズを使います。熱したフライパンにマヨネーズをひき、マヨネーズが溶け始めてきたところでご飯を投入。

その後、具材を入れて炒めて完成という流れになります。意外と酢の味や香りも気にならず、おいしい仕上がりになりますよ。

チャーハンには温かいご飯?それとも冷たいご飯がいいの?


パラパラチャーハンを作るには、温かいご飯を使うのがいいのか。それとも冷たいご飯を使うのが正解? さまざまな説があり、どれが正しいのかわからず戸惑ってしまいますよね。

結論からお話しすると、パラパラチャーハンを作るには「温かいご飯を使う」のが正解です。

とはいっても、必ずしも熱々のご飯を使わなければならないわけではありません。常温以上であれば大丈夫。冷蔵庫から出したばかりの固いご飯ではうまくパラパラにならないので、冷蔵したお米を使う場合は一度電子レンジで温めてくださいね。

温かいご飯を使う理由

パラパラチャーハンを作るのに温かいご飯を使う理由は、鍋やほかの具材の温度を下げずに済むからです。つまり「温め直す必要がないから」。

冷たいご飯を使うと、どうしても鍋の温度が下がってしまいます。そこから鍋や具材を温め直すのに時間がかかり、そのあいだに具材の水分が出てしまいべちゃべちゃになったり、お米のデンプン質が出てきてべちゃべちゃになったり──

パラパラチャーハンを作るうえで意識したいのは「できるだけ手早く調理する」こと。ですから、わざわざ冷たいお米を使うことはありません。温かいお米で鍋の温度を下げず、手早く行うのが一番ですよ!

結論:パラパラチャーハンを作るには、温かいお米を使うこと!

パラパラチャーハンにならない理由は、火力よりも“量”にあった


画像引用:ぱくたそ
「家庭でプロのようなチャーハンを作るのが難しいのは、家庭用ガスコンロと業務用ガスコンロでは火力が違うから」というのを耳にしたことはありませんか?

事実、家庭用ガスコンロと業務用ガスコンロの火力には雲泥の差があります。まして中華料理用のガスコンロ(中華レンジ)はいっそう火力が強く、家庭用ガスコンロとは比べものになりません。

「じゃあ家庭でパラパラチャーハンを作れないのもしかたない……」と、あきらめるのはまだ早いですよ!

実は、火力はさほど問題ではないんです。確かに業務用のガスコンロは火力が強いですから、それなりの量を一度に調理できます。家庭用のガスコンロで同じことはできませんが、火力が弱いなら「具材の量」も減らせば問題ありません。

具材の量を減らすことがポイント


画像引用:ぱくたそ

いくら本格的な中華鍋などを使っても、家庭用のガスコンロで3人前以上の量を作るのは至難の業です。なぜ家庭で大量調理ができないかというと、これもやっぱりフライパンの温度に原因があります。

具材が多いとどうしてもフライパンの温度が下がってしまうのです。結果、具材の水分やデンプン質の働きでチャーハンがベチャベチャになってしまいます。火力が弱いというのもひとつの原因ですが、見方を変えればそれは「具材が多い」ということにほかなりません。

ですから、ご家庭でチャーハンを作るときは、一人前ずつ作るのがオススメ&確実です。

IHの場合はどうするの?

オール電化のご家庭ですと、キッチンもガスではなく電気式のIHというケースがあります。IHはガスコンロと違い、コンロからフライパンを離して振ることができません。フライパンをヒーターパネルにつけておいて、始めて熱伝導が起こるからです。

しかし、チャーハンを作るのに「フライパンを持ち上げて振る」という行為は必須ではありません。IHを使うなら、木べらなどで具材をよく混ぜるようにしてください。

そしてIHを使う場合もガスと同様に鍋の温度に留意すること。ここをしっかり意識していれば、ガスコンロに見劣りしないパラパラチャーハンが作れますよ。

チャーハン作りには強い火力が適しているのは間違いありません。でも、パラパラチャーハンを作るにあたり、火力よりも「火力に見合った量」を作ることの方が大切です。「家庭用ガスコンロでパラパラチャーハンは無理」という先入観は捨てて、火力と量は相対的なものだと考えてくださいね。

フライパン別、パラパラチャーハンを作るためのワンポイント


画像引用:パブリックドメインQ
火力と具材の量を意識して手早く調理するのが、パラパラチャーハンを上手に作る秘訣です。

鉄製とアルミ製、テフロン製、それぞれの特性と照らしながら、おいしいパラパラチャーハンを作るためのワンポイントをご紹介します。

鉄製のフライパン

鉄製のフライパンは「くっつきやすい」という弱点がありますが、これは油の量と鍋の温度によるもの。具材に対して油が少なすぎるとくっつく原因になりますし、鍋の温度が低過ぎても高過ぎてもくっつく原因になります。

鉄製のフライパンを使ってチャーハンを作るときはまず、煙が出るまでしっかりと空だきをし、一度多めの油を全体に馴染むように入れ、加熱した油を戻して新しい(冷たい油)をひいてから調理を始めましょう。

こうすることで鍋が調理準備OKの状態になり、温度も適切に保たれます。

アルミ製のフライパン

アルミ製のフライパンも基本的に扱いは鉄製と同じですが、鉄製よりも熱伝導が早いので、くっつきよりも焦げつきに気をつけたいところ。

また、高温に弱い特性があるため、煙が出るまで空だきするのはよくありません。鉄製のようにじっくり加熱して準備するのではなく、油をひいてある程度加熱したら、その油を一度戻して新しい(冷たい)油をひき調理を開始する、というのが吉です。

「アルミは熱に弱い」「熱伝導が早い」というのを意識して、鍋の温度をうまくコントロールしてくださいね。

テフロン製のフライパン

テフロンの場合、くっつきやこげつきに神経質になる必要がありません。ただしアルミのフライパン同様、熱に弱いという弱点があります。やはり空だきはせず、油をひいてある程度温め、調理前に油を引き直す、というのがいいでしょう。

また、テフロンは「くっつかない」「焦げにくい」という強みがあるので、油の量は控えめで大丈夫です。

コツを抑えれば家でもパラパラチャーハンが作れる!


画像引用:フリー素材.com
パラパラチャーハンの作り方、いかがでしたか?

パラパラチャーハンを作る上うえで大切なのは、「フライパンの温度」と「油と卵のコーティング」、そして「具材の量」です。この3つを意識するのが、失敗しないパラパラチャーハンを作る秘訣ですよ。

チャーハンが上手に作れる人は料理上手という印象がありますよね。卵かけご飯からパラパラチャーハンを作る方法や、マヨネーズを使ってパラパラチャーハンを作る方法なら、料理初心者でも簡単に実践できます。パラパラチャーハンを極めて、周囲をあっと驚かせましょう!

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