秋の味覚のひとつ「きのこ」。炒め物や鍋など、さまざまな料理で活躍しますが、先日そんなきのこに関する興味深い商品を見つけました。それがこちら!

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きのこ栽培キット「もりのしいたけ農園」

簡単に説明すると、発芽準備をしたあと放置しておくだけで、勝手にしいたけが生えてくるというすごい商品。数日~2週間でしいたけが育ち、ちゃんと食べられるとのこと。しかも1度だけでなく、2回ほど収穫できるのだとか。

箱の裏には栽培手順が詳しく記載されています。

収穫までの主なサイクルは浸水→発芽→収穫→休養(2~3週間)→2巡目。

一度収穫するとブロックが休養期間に入り、次の発芽まで2~3週間ほどかかるのだそう。その後、浸水させ同じように育てることで再び発芽するようです。

問題なく発芽すれば料理に使えるということもあって、実際に育ててみることにしました!

きのこも気になるけど、会社も気になる

「しいたけ栽培キット」なんて斬新な商品を発明したのはどのような会社なのか気になったので、調べてみました。

この商品は、森産業株式会社という会社が作っているらしく、「森喜作(通称:Dr.Mori)」という人が創業しました。

森さんは学生時代、借財して購入した原木にしいたけの胞子が自然付着するように日々研究を行い、挫折と失敗を幾度となく重ね、しいたけの菌を栽培させたチップを原木に入れ込む「純粋培養菌種駒法」を発明したのだそう。この発明エピソードは小学生の国語の教科書にも取り上げられたのだとか。意外とすごい人でした。

この人が森さん。今ではキャラクター化されているようですね。よく調べてみるとちゃっかりLINEスタンプにまでなってました…。

開封

開けると箱の中には栽培キットのほかに、育成用の袋と詳しい栽培方法が記された説明書が入っています。

栽培キットはずっしりと重く、箱の重さこみで約1.7キロほど。

菌類ということもあり、ちょっとカビくさいのかな?と思っていましたが、ほぼ無臭でした。かすかに森の中にいるような匂いがする程度。意識して匂いを嗅がないと気づかないくらいです。

衝撃の事実!

栽培キットが入っている袋は密閉されていますが、開封前にしいたけが発芽している場合もあるのだそう。親指大のサイズであればそのまま育成していいそうですが、それ以上成長している場合は、一旦収穫してから浸水の工程に進むのだとか。違った意味で“フライングゲット”ですね…。おそるべし生命力。

浸水

開封したあとは栽培キットを水洗いします。撫でるように表面を濡らすといいそうです。6~9月(高温期)頃はバケツに栽培キットが半分ほど浸かるくらい水を入れ、30分ほど放置するのだとか。気温が高い時期は浸水の作業が少し変わるようです。

発芽準備

栽培キットを付属の袋に入れたら、霧吹きで表面をまんべんなく濡らすそうですが、霧吹きがなかったのでコップでジャバジャバと水をかけました。霧吹きがない場合はコップでもいいと説明書に書いてありましたが、かけたあと栽培袋の中に水が溜まるので、溜まった水は捨てた方がよさそうです。

濡らしたあとは、少し隙間を開けた状態で袋を閉じます。このとき、栽培キットの表面が乾いているとしいたけの芽が出ないこともあるそうなので、丁寧に水をかけてあげましょう。

大人になると仕事に追われ、自然に植物を育てなくなるもの…。久しぶりに“植物に水を与える”という行為を行なった気がします。小学生の頃、夏休みにやっていた植物観察の気分を思い出しました。

発芽と育成

しいたけ栽培キットの成長スピードはとても早く、5日~2週間経つと小さいしいたけの芽が出てくるのだそう。

栽培温度は朝~夕方が20~23℃、夕方~朝は18℃以下がおすすめなのだとか。気温が高く室内が18℃以下にならない時期は夕方は屋外へ、朝は室内に入れるといいそうです。ここからはしいたけの成長をお届けします!

※浸水作業を行ってから12時間おきに撮影を行っています。

0.5日目(12時間経過)

浸水させてからわずか12時間しか経っていませんが、すでにしいたけの頭とおぼしきものが!

取説には5日ほどで芽が出ると書いてありましたが、1日と経たず発芽しました。生命力が半端じゃない! このペースだと1週間と経たずに収穫できるのではないでしょうか。成長ぶりが楽しみです。

1日目(24時間経過)

1日目で小さいしいたけが発芽しました。しかもななめに発芽するというアウェイスタイルで…。

周りのしいたけもぐんぐんと育っています。オフィスで育てているため温度管理が心配でしたが、ガンガン暖房がかかっているのが逆に好作用だったようです。

1.5日目(36時間経過)

朝、出勤して見てみると、ななめに発芽したしいたけはしっかりと軌道修正していました。

全体的にまんべんなく成長しています。成長具合を見るに、上の方から順に大きくなっているようです。

圧迫されると上手く育たないことがある

まんべんなく発芽していますが、芽が多く出すぎると互いに圧迫し合い、一向に大きくならないこともあるそうです。その場合は、軽く芽をつまみ固ければそのまま、柔らかい場合は弱っている芽を摘み、また浸水の工程に戻るのだそう。

正常な芽が出るまで多少時間はかかりますが、結果的に発芽までの時間は少なく済むそうです。

2日目(48時間経過)

ミニマムサイズのしいたけが誕生しています。発育の悪いしいたけもなく、どれも元気に育っているようです。

2.5日目(60時間経過)

形はもう立派なしいたけ。この状態で傘が開き、裏側にヒダが見えるようになったら収穫の合図。収穫できるまであと1〜2日ほどではないでしょうか。

3日目(72時間経過)

栽培キットがしいたけ山に。サイズはちょっと小さめですが、サイドもみっちりです。

たった3日間でここまで成長を遂げるとは。傘が開いているしいたけもちらほら。おそらくこの状態になれば収穫しても問題ないと思いますが、もうちょっと成長を観察してみたいので、そのままにしておきましょう。

間引きをすれば大きくなる

芽がたくさんついた状態で育成を続けると、しいたけのサイズは小さめになってしまうのだそう。それぞれのしいたけを大きく育てたいときは、小さくて弱そうな芽を取り除くことで、残ったしいたけが大きくなるそうです。

3.5日目(84時間経過)

ついに…スーパーなどで目にするしいたけの姿になりました。72時間経過した姿を比べてみると傘が開いているのがお分かりいただけるかと思います。もう収穫しても大丈夫な頃合いですが、もうちょっとだけ置いてみましょう。

傘が白くなっている理由

市販のしいたけは茶色をさらに濃くした色合いをしていますが、栽培キットのしいたけは傘の部分が白っぽくなっています。

これは

1.しいたけや栽培キットの水分が少ない

2.光の量が少なく、暗い場所で栽培している

3.育てている環境の温度が高く成長が早い、などの場合に見られるものだそう。

先ほども述べたように暖房がガンガンかかった室内で育てているので、おそらく原因は[3]が当てはまるのだと思います。

4日目(96時間経過)

3.5日目より若干傘が開いたな、という感じ。しいたけも全体的に白っぽくなっています。

収穫4.5日目(108時間経過)

ついに収穫のときがやってきました! 4日目を迎えた栽培キットがこちら。

めちゃくちゃ育ってます。というかギッチギチの大渋滞。間引きの重要さがよくわかりました。

ぶつかってしいたけの形が変わっているものもちらほら。

ちなみに、真上から見たらこんな感じ。栽培キットがほとんど見えない状態です。

収穫するときのポイント

栽培キットは柔らかいため、手でもぎ取ろうとするとキット自体が痛んでしまいます。収穫するときは茎の根元をハサミで切り落とすようにしてください。また、柄の一部が残っているとそこから傷むそうなので、収穫時に切り落とす良いとのこと。

収穫時に陥りやすい失敗

本来であれば、傘が開いたものは収穫して構いません。収穫時期が遅くなるとヒダから胞子が飛び始めるそうなので、傘の裏側にヒダが見えるようになったら収穫するようにしてください。

収穫した数を数えてみるとなんと、72個でした!生え過ぎて逆に食べきれない…。

しいたけの保存方法を3種類ご紹介!

ものすごいスピードでどんどん成長するのは嬉しいことですが、料理に使っても5~6個くらいですよね。収穫したはいいものの食べきれない、そんなときに役に立つ保存方法をご紹介します。

乾燥させる

収穫したしいたけを乾燥用ネットなどを使い、雨にさらされない場所で乾燥させます。市販の干ししいたけのように長期保存はできませんが、乾燥することで体積が小さくなり、うま味成分が増え美味しくなります。

冷凍させる

食べやすいサイズにカットしたら、ジップロックなどの保存パックに入れ冷凍庫で保存します。また、乾燥させたものを冷凍することで長期保存ができるようになります。さらに冷凍により細胞壁が壊れ、うま味成分が増えます。

塩を振って保存する

適当なサイズにカットし、しいたけを数十秒湯通しします。ザルに上げたら、熱いうちに塩を振り容器に入れて冷蔵庫で保存します。長期保存はできないですが風味が増したり、いろいろな料理にすぐ使うことができます。

無限に採取できる?

こんな短期間で育つなら無限にしいたけが手に入るやん、と思った方もいるのでは。取説によると、サイクルは3回巡目までなのだそう。しいたけ菌に余力があれば3巡目に少しだけ芽が出るそうです。また、使い終えた栽培キットは崩して肥料としても使えるのだとか。成長スピードといい、終えたキットの使い道といい無駄がないところもすごい。

料理

たくさんのしいたけが収穫できたのは喜ばしいことですが、一番気になるのはやはり味。暖房がガンガンかかったオフィスで育てたしいたけは美味しいのか、しいたけ本来の味を味わえるように調理はシンプルにトースターで焼くだけにしてみました!

トースターで焼いたしいたけからは、独特の匂いがしっかりと感じられます。焼いたことにより中から水分も出てきています。

食べてみると、ちゃんとしいたけの味を楽しめました。特に味が変わることもなく、言い方は悪いですが市販のしいたけと同じくらいです。ですが、自分で育てたということもあり、また違った“美味しさ”を感じました!

きのこは食べる前に洗った方がいいの?

水で洗うと綺麗になる、という先入観から調理前にきのこを洗っている方もいるのでは。きのこ類は野菜と違って水をかぶってしまうと香りが逃げ、ぶよっとした食感になってしまいます。

栽培されたきのこはしっかりと管理された環境で育成されているため、ゴミなどの付着物もほとんどありません。そのため、基本的には洗う必要もありませんが、「どうしても気になる」という方は、種類別に適した洗い方を行うようにしてください。

しいたけ

傘裏のヒダの部分が水分を吸ってしまうため、濡らしたキッチンペーパーや布巾などで傘の上部だけを軽く拭くだけにしましょう。

えのき

束のまま根元を掴み、頭から中間までを水に入れ軽く振る程度で大丈夫です。

しめじ・きくらげ

しめじやきくらげは水で濡らしても味が落ちにくいため、汚れが気になるときは流水で軽く洗いましょう。

購入後はすぐに育成を始めよう!

やろうやろうと思っていても、気分が乗らない、疲れているなんて理由でついついだらけてしまうもの。しかし、この「もりのしいたけ農園」は箱の中に入っていても勝手に“フライング発芽”してしまうため、購入した時点で、宅配の人から箱を受け取った時点で育成がスタートしています!

しいたけ栽培キットはどこで買えるの?

撮影したものは東急ハンズで購入しましたが、ヤフーショッピングやAmazon、楽天市場でも購入できるようです。

 

農園シリーズは全部で7種

今回はしいたけの栽培キットをご紹介しましたが、しいたけ以外にも、えりんぎ・なめこ・ひらたけ・えのきたけ・ぶなしめじ・きくらげの6種類があります。好きなきのこを自分の手で育ててみては。

普段からよく目にするしいたけですが、どのように成長していくのか意外と知らない人も多いはず。実際に育ててみると成長過程を見るのはとても楽しかったです! 気になる方はぜひ購入して、しいたけをバンバン育成してみてはいかがでしょうか。

もしかすると、2巡目ものちのち追記するかも。お楽しみに!

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