シャキシャキとした食感とピリッとしたほどよい辛味が魅力の「かいわれ大根」。値段もお手頃で、一年を通してスーパーなどで購入できるのも嬉しいポイントです。
さらに、みずみずしい緑色が食卓を彩ってくれるため、毎日の食卓で大活躍の野菜です。そんなかいわれ大根ですが、一度に使い切ることができず、保存に困ってしまうことはありませんか?
かいわれ大根は様々な料理にアレンジすることができて便利な野菜のひとつですから、できるだけ長持ちさせて、おいしくいただきたいですよね。
今回は、かいわれ大根をおいしく長持ちさせるための保存方法と、おすすめの調理方法についてご紹介します。
かいわれ大根とは?
そもそも「かいわれ大根」とはどのような野菜なのでしょうか?
かいわれ大根は、最近話題となっている「スプラウト」のひとつで、大根の新芽のことを指します。
「スプラウト」とは「新芽」を意味しています。代表的なものでは、かいわれ大根の他に豆苗やもやし、ブロッコリースプラウトなどがあります。かいわれ大根は食用の部分が茎と葉であるため、「大根」とはいうものの根菜には分類されません。
しかし、品種としては大根であるため、畑で土に植えて育てると、土の中に大根が成長します。
とはいえ、「かいわれ大根」として栽培される品種は、かいわれ大根専用に品種改良されています。そのため、一般的な大根のように大きく立派な大根にはなりにくいようです。
自分でかいわれ大根を育てることは少ないですが、どのような大根ができるのか見てみたくなりますね。
「貝割れ」の意味
かいわれ大根の「かいわれ」は、漢字で書くと「貝割れ」となります。この名前は、かいわれ大根が子葉が2枚である双葉で、その様子が「二枚貝の殻が割れた(開いた)形」に似ていることから名付けられたと言われています。
かいわれ大根の新鮮な選び方
かいわれ大根をおいしく長持ちさせるためには、まず購入するときに新鮮なものを選ぶ必要があります。新鮮なかいわれ大根を見分けるためのポイントは、以下のとおりです。
・茎が白く、葉の緑色が鮮やかなもの。
・茎がピンと立って伸びており、折れたりしなったりしていないもの。
かいわれ大根は収穫・出荷から時間が経つと、茎のハリがなくなって折れたりしなったりするほか、茎の白い部分が黄色っぽく変色したり、葉の部分が黄色や黒っぽく変色したりすることがあります。
かいわれ大根の葉の緑色が鮮やかで濃いほど新鮮で味もいいといわれており、栄養もより豊富に含まれていると考えられます。
かいわれ大根を選ぶときには、上記のようなポイントに注目して新鮮なかいわれ大根を選んでくださいね。
スポンジも要チェック!
新鮮なかいわれ大根を見極めるうえで意外と見逃しがちなのが、「スポンジ」の状態です。
かいわれ大根をはじめとするスプラウト野菜は、水を吸収させたスポンジに根を張らせた状態で販売されています。
このスポンジは、かいわれ大根の鮮度を保つために十分に吸水させた状態で出荷されます。しかし、出荷から日にちが経ってしまうと、スポンジに含まれている水をかいわれ大根が吸収したり空気中に蒸発することで、スポンジが乾いてしまうことがあります。
つまり、スポンジが十分に濡れていることも、収穫・出荷されて間もない新鮮なかいわれ大根であると判断する一つの基準となるのです。
かいわれ大根自体の状態はもちろん重要ですが、鮮度を見極めるときにはぜひスポンジの状態もチェックしてみくてください。
かいわれ大根は冷蔵保存が基本
新鮮なかいわれ大根を選んだあとは、適切な方法で保存することがかいわれ大根のおいしさと栄養をキープしながら長持ちさせる重要なポイントとなります。
かいわれ大根を保存するときは、冷蔵庫に入れて保存することが基本です。
とはいえ、かいわれ大根は比較的傷みやすい野菜であるため、早めに使い切ることも必要になってきます。
そんな中でも、できるだけかいわれ大根をおいしく新鮮にキープするためには、いくつかのポイントがあります。それらのポイントについて、それぞれ具体的にみていきましょう。
パックのまま保存
まずは、かいわれ大根をパックのまま保存する場合についてです。
食材は基本的に、購入したときのパックや袋のまま未開封で保存しておくほうが長持ちすると思われがちです。加工食品などであればそのまま保存することも可能ですが、野菜や果物といった生鮮食品の場合は、その限りではありません。
野菜や果物は収穫されたあとも呼吸をして、水分を吸ったり吐いたりします。そのため、パックや袋のまま置いておくと、呼吸するための水分や空気が足りなくなったり、逆に吐き出した水分で傷んでしまう場合があるのです。
かいわれ大根も購入したときのパックで未開封のまま保存しておくと、2~3日程度しか日持ちしません。
しかし、かいわれ大根をパックのまま保存するときにも、ひと工夫を加えることでぐっと長持ちさせることができます。その方法は、次のとおりです。
1.かいわれ大根のパックのフタをはずし、根本が浸かる程度の水を入れる。
2.かいわれ大根のパックにラップをし、冷蔵庫に立てて保存する。
手順は上記の2ステップのみです。
これだけで、パックを未開封のまま保存するよりも、ずっと鮮度をキープすることができるのです。
パックに入れた水は1~2日に一度交換し、常にきれいな水を入れておくようにしてください。
この方法で保存しておいたかいわれ大根は、使いたいときに使いたい量だけ根本から切り取ればOKです。残った分は、水を交換しながら引き続き保存しても問題ありません。
保存期間
上記の方法でかいわれ大根をパックのまま保存する場合、保存期間は1週間が目安となります。
購入したときのかいわれ大根の状態や保存環境にも左右されます。何もせずに未開封のパックのまま保存するよりも長持ちしますが、あくまでもこれを目安としてなるべく早めに食べきるほうがおすすめです。
根元をカットしてから保存
続いて、かいわれ大根の根本をカットしてから保存する場合についてです。
購入したかいわれ大根をすぐに使える状態で保存しておきたい場合には、この方法がおすすめです。やり方は次のとおりです。
1.かいわれ大根を水で洗い、根本からカットする。
2.湿らせたキッチンペーパーでかいわれ大根を包み、蓋付きの密閉容器などにいれて保存する。
こちらの方法も、2ステップで完了です。
キッチンペーパーは、1~2日に一度交換して常に清潔な状態に保っておくとよいでしょう。
すでにカットしてあるため、使いたいときにさっと取り出せて便利です。
保存期間
かいわれ大根を根本からカットして保存しておく場合は、保存期間が5日程度が目安となります。
さきほどご紹介したかいわれ大根をパックで保存する方法に比べると、やや日持ちがしなくなります。
カットしておくとすぐに料理に使うことができるのがメリットですが、使う前にかいわれ大根の状態を確認しながらなるべく早めに使い切ったほうがよいでしょう。
すぐに使わない場合は冷凍保存!
かいわれ大根を冷蔵庫で長持ちさせる保存方法をご紹介しましたが、長くても1週間程度が限度になります。そのため、購入してからすぐにかいわれ大根を使わないことがわかっている場合には、冷凍保存がおすすめです。
冷凍保存をしておくことで、かいわれ大根のおいしさや栄養をキープしながら長期間に渡って保存しておくことができます。
かいわれ大根を冷凍保存する場合のやり方は、次のとおりです。
1.かいわれ大根を水で洗い、根本からカットして好みの長さに切る。
2.かいわれ大根の水気をキッチンペーパーなどでよく拭き取り、ジッパー付きの保存袋などにいれて冷凍庫に入れて保存する。
一度冷凍庫に入れたかいわれ大根は、冷凍庫に入れてから1~2時間後に一度ほぐしておくのがおすすめです。ひとかたまりに冷凍されることなくバラバラになるため、かいわれ大根を使いたいときに使いたい分量を取り出しやすくなります。
ただし、かいわれ大根を冷凍すると独特のシャキシャキとした食感は損なわれてしまいます。そのため、サラダや和え物、薬味などかいわれ大根のシャキシャキとした食感も楽しみたい場合には、冷蔵保存をしておいたかいわれ大根を使用してください。
冷凍保存したかいわれ大根は、シャキシャキ食感は損なわれますが味や栄養はキープできます。そのため、炒め物やスープなど、加熱する料理に使うとおいしくいただけます。
加熱調理するときも、冷凍したかいわれ大根をそのまま加えるだけでOKです。品質をキープしつつ手間を少なくすることができるため、かいわれ大根を冷凍保存しておくと非常に便利です。
保存期間
かいわれ大根を冷凍保存する場合、保存期間は1ヶ月程度が目安となります。
冷蔵保存に比べるとかなり長期間にわたって保存しておくことができます。とはいえ、1ヶ月を超えてあまりに長期間冷凍しておくと、冷凍焼けを起こすなど品質低下につながります。
あくまでもこの期間を目安とし、早めに使い切るほうがおいしくいただけるでしょう。
種ガラを簡単に取り除く方法
ところで、かいわれ大根などのスプラウト野菜には、根元の部分に茶色い種ガラがついています。
これはスプラウトが発芽したあとに残った種の殻で、食べても問題はありません。しかし、味や食感、料理の見た目を考えると、使う前に取り除いておきたいですよね。
とはいえ、種ガラをひとつひとつ手で取り除くのはめんどうです。そこで、かいわれ大根についた種ガラを一気に取り除く方法をご紹介します。
やり方は次のとおりです。
1.かいわれ大根のパックのフタをはずし、水道からやや強めに水を流し入れる。
2.水を流し入れながらパックをゆすり、種ガラを浮かせて取り除く。
手で取るとめんどうな種ガラですが、流水を使えば簡単に浮かせて取り除くことができます。
かいわれ大根をパックから取り出してしまった場合には、大きめのボールなどに水を張り、かいわれ大根の根本を持って振り洗いする方法でも、種ガラを取り除くことができます。
このような方法を実践することでめんどうな手間を省き、かいわれ大根を楽に料理に取り入れることができますね。
おすすめの食べ方
最後に、かいわれ大根をおいしくいただくためのおすすめの調理方法をご紹介します。
サラダ
まずおすすめなのは、かいわれ大根をサラダに入れて食べる方法です。
かいわれ大根のシャキシャキとした食感と、ピリッとしたほどよい辛味を存分に味わうことができます。彩りがよく、加熱する必要がないため栄養の損失も最小限に抑えることができます。
また、生のかいわれ大根はサラダだけでなく、手巻き寿司や生春巻きの具材としてもおいしくいただくことができます。
スープ
続いておすすめなのは、スープの具材として食べる方法です。
かいわれ大根は生のまま食べられる食材であるため、長く煮込んだり加熱する必要がありません。そのため、お味噌汁やスープの仕上げに加えてさっと火を通すだけでOKです。
かいわれ大根独特のシャキシャキ食感と鮮やかな緑色が残り、スープのおいしさと見た目ををワンランクアップさせてくれます。
スープであれば加熱した汁ごといただくため、かいわれ大根から栄養が流れ出ても、残さず栄養を摂取することができ一石二鳥です。
かいわれ大根をおいしくいただこう!
今回は、安くて便利なかいわれ大根の上手な保存方法とおすすめの食べ方をご紹介しました。
かいわれ大根は、一年を通して手軽にスーパーなどで購入することができますが、そのまま保存しておくと2~3日程度しか日持ちしないのが難点でした。
しかし、そんなかいわれ大根も保存方法をひと工夫すれば、1週間以上おいしく長持ちさせることができるのです。
さらに、冷凍保存をすれば1ヶ月ほど保存しておくことができ、いつでも取り出せて調理の手間も省けます。彩りもよく栄養豊富なかいわれ大根を上手に保存して、ぜひ毎日の食卓においしく取り入れてくださいね!