「おでんで一番好き!」という人もいれば、「なにそれ?」な人もいる東京発祥のローカルフード「ちくわぶ」。

その見た目と名前から、ちくわと混同している人も多いのではないでしょうか?しかし、ちくわぶとちくわは全くの別物なんです。

今回は、そんなちくわぶの正体と美味しい食べ方を紹介します!おでんだけではないちくわぶの魅力を知ってくださいね!

Sponsor link

ちくわぶとは?


冬になると恋しくなるおでん、その具のひとつに「ちくわぶ」というものがあります。

このちくわぶ、当たり前のようにおでんに入っているという人もいれば、「ちくわでしょ?」「何それ?」という人もいるほど、実はローカルな食べ物だということをご存知ですか?

ちくわぶは東京のなかでもごく一部の地域発祥のローカルフードで、西日本では全く知らないという人も多い食べ物なんです。

見た目と特徴

ちくわぶの見た目を一言で説明すると、ギザギザのついた白いちくわ、というところでしょうか。

なるとのギザギザをさらに大きくし、細い棒の真ん中にちくわのように穴が空いています。色は焼き目のないちくわのような真っ白な見た目をしています。

ちくわぶそのものにはほとんど味はありませんが、煮るとすいとんをさらにもちもちとさせたようなもっちりとした歯ごたえになり、出汁をよく吸い込むのが特徴です。

見た目がちくわに似ているのと、同じような作り方をする生麩をあわせて、「竹輪麩(ちくわぶ)」と呼ばれています。

ちくわぶの歴史・産地

歴史

ちくわぶについての正確な記録は、実はあまり多くは残っていません。いつ頃発明されたかは不明ですが、明治時代の落語にちくわぶがでてきたことから、少なくともその時代にはすでに庶民に食べられていたとされています。

また、戦後の食べ物が少なかった時代には、安価に手に入る小麦粉で作れるちくわの代用品として食べられていたそうです。

産地

今では東日本を中心にそこそこ知名度のあるちくわぶですが、やはり関東以外ではあまり生産されていないようです。日本最大のちくわぶメーカーは茨城県の水戸市に本社を構えており、多くのちくわぶは東京のお店や工房で作られています。

東日本に広まったのも流通の発達した今でこそ。ちくわぶを見たことも聞いたこともないという人が多いのも納得です。

関東ではおでんの定番、関西では?


ちくわぶは、東京近郊のおでんに必ずと言っていいほど入っている定番のおでん種です。

スーパーのおでん種コーナーはもちろん、コンビニや居酒屋のおでんにもちくわぶは入っています。しかし、少し関東から離れると知名度はガクッと落ちます。

北海道や東北、東海などの東日本では食べたことのある人も多いですが、関西などの西日本では見たことすらない人や、見たことはあるけど食べたことがないという人もまだまだ多くいます。

子供の頃は知らなかったけれど東京に来て初めて食べたという人や、東京から引っ越して初めてローカルフードだったと知った人も多いのではないでしょうか?

Jタウン研究所」が都道府県別に行ったアンケートによると、食べていた人や食べたことのある人が多いのはやはり東日本が圧倒的に多く、西日本では見たことがないという人が多いという結果となりました。

ちくわぶと竹輪はどう違う?


ちくわぶを知らない、食べたことがないという人は、「ちくわと何が違うの?」「ちくわとちくわぶを一緒に入れるの?」とちくわと混同してしまうかもしれません。

しかし、ちくわとちくわぶは見た目が似ているだけで全く違う食べ物なんです。もちろん、なるととも別物です。

ちくわやなるとはご存知のとおり、魚のすり身に卵やデンプンなどのつなぎを混ぜて練ったものを加熱して作られています。

それに対してちくわぶの主原料は強力粉、つまり小麦粉です。小麦粉を水または塩水で練ったものを棒に巻きつけて茹でたものがちくわぶなんです。

ちくわぶは小麦粉をねったもの


練った小麦粉を茹でて作るちくわぶはほとんど小麦粉の塊です。

そのため、ちくわと似ているところは見た目だけで、香りも味も食感も全く違います。どちらかというと、すいとんをちくわの形にしたもの、と言ったほうが近いのです。

ちくわなど魚を原料に練ったものは風味が強く感じられ、単体でも魚肉の味が楽しめます。それに対してほぼ小麦粉のみでできているちくわぶは、うどんのようにそれ自体に味はほとんどありません。

そのため、ちくわぶはそのまま食べてもあまり美味しくなく、味をつけて楽しむ食材です。ちくわぶの表面についた大きなギザギザは、味がよく絡むように表面積を大きくするためにつけられているんです。

また、食感も練り物とは違っています。ふわふわとした食感の練り物に対して、強力粉を何度も練って作るちくわぶはとてもコシが強く、煮たり茹でたりするともちもちっとした食感になるのが特徴です。

ちくわぶのおすすめ食べ方


ちくわぶは味がほとんどないうえ食感も固く、ぼそぼそとしてそのままではおいしくありません。しかし、ちくわぶは加熱することで秘めたおいしさを発揮する食べ物なんです!

スタンダードな食べ方はおでんに入れることです。おでんのだしをちくわぶがスポンジのようにどんどん吸って、もちもち、じゅわっとしたおいしさが楽しめます。

ほかにも、すき焼きや味噌鍋など、味の濃い鍋、豚汁や煮物など汁がおいしい料理に入れるのもおすすめです。

ちくわぶは加熱して生まれるモチモチ感と、吸った汁気を楽しむ食べ物です。食べごたえがあるので、かさ増しに使えば腹持ちもよくおすすめです。

味がついていないぶん、スイーツにも応用ができるのもちくわぶの魅力のひとつといっていいでしょう。

例えば、甘いシロップで煮込んだちくわぶをアイスと一緒に食べたり、トッポギやニョッキの代わりに使ったり、パスタソースを絡めたりと色々なアレンジに使えますよ。

煮込む以外にも、焼けばふんわりもっちりとした食感が、揚げればパイやクロワッサンのように層ができてサクサクとした食感が楽しめますよ。

ただし、ちくわぶは小麦粉100%で作られているので、あまり煮込みすぎるとドロドロと溶けてしまいます。長時間煮込んだり、何度も繰り返し煮込む料理には不向きです。

ちくわぶはアレンジしやすい食材

今回は、東京生まれのローカルフード「ちくわぶ」を紹介しました。戦後にちくわの代用品として使われてきたちくわぶは、味のないちくわの代用品と思われがちですが、実は色々な料理に使えるポテンシャルの高い食材なんです。

西日本では見る機会が少ないですが、地域によってはスーパーなどで売っている場合もあるようです。食べたことがないという人も、おでん専用と思っていた人も、ぜひ色々なちくわぶの食べ方を試してみてくださいね!

スポンサーリンク