お味噌汁や煮物など、和食に欠かせない油揚げ。味がよくしみるうえに、油揚げ自身が料理にコクを与えてくれる名脇役です。
しかし、たくさん種類があって何を基準に選べばいいのかわからなかったり、5枚入りパックを買っても使い切れないということも多いのではないでしょうか。
今回は油揚げを選ぶ際のポイントと、上手な保存方法を紹介します!油抜きについても解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
油揚げを選ぶ際のポイント
油揚げを選ぶときに注意すべきポイントは原料となる大豆と凝固剤の質です。パッケージ裏側の食品栄養ラベルで見分けることができます。
ついつい表側のデザインに目が行きがちですが、実は裏側にも重要な情報はぎっしり詰まっています。それでは、それぞれの要素を見ていきましょう!
国産大豆100%のものを
まず見るべきポイントは主原料である大豆の質です。
もちろんおすすめは国産大豆100%のもの。国産の大豆であれば遺伝子組み換えしていないなど、味だけではなく健康の面も安心できます。
逆に、海外産の大豆はコストカットのために大量の農薬を使った粗悪なものが使われていたり、輸入の際に防腐剤や防カビ剤などを使用している可能性があります。
遺伝子組み換えは裏面ラベルに表示義務がありますが、あまりに安い油揚げには注意が必要です。
大豆にこだわっていない油揚げは、全体的にコストカットされている傾向があり、油の質も低い可能性が高いです。これら理由から国産大豆を使用した油揚げを選ぶのがおすすめです。
凝固剤のにがりにも注目
さらに、豆腐を作る際の凝固剤にもチェックしましょう。豆腐を固めるための添加物である凝固剤は、塩化マグネシウム(にがり)、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトン、塩化カルシウム、硫酸マグネシウムの5つです。
それぞれ豆腐の特性や作りやすさ、コストなどの面でメーカーが独自に配合していますが、こだわるなら凝固剤は塩化マグネシウム(にがり)100%のものです。さらにこだわるなら、海水から作られた天然にがりや海水にがりと書いてあるものを選びましょう。
凝固剤の使用量は少量なので、それだけで油揚げの味を左右するものではありません。しかし、にがりは他の凝固剤に比べて扱いが難しく、大豆のロスが多くコストも高かったり、製造時の条件が厳しいという製造上のデメリットがあります。
つまり、あえてコストや手間をかけてにがり100%を使用している油揚げは、それだけ質にこだわって作られている商品といえるでしょう。
大豆の産地やにがりに特にこだわっている油揚げは、パッケージの表面にもそれらの情報を目立つようにアピールしているのでわかりやすいです。その他、原料表示を見れば使用されている添加物がチェックできます。
表示されている材料が少なければ少ないほど、その油揚げは余計な材料を使っていない、昔ながらの製法にこだわった商品と言えるでしょう。
反面、添加物の少ない油揚げは酸化しやすく日持ちもしないので、保存には気をつける必要があります。
油揚げの上手な保存方法は?
油揚げは豆腐を油で揚げたものなので、時間とともに油が酸化してしまいます。痛みやすいので常温保存はNGです。すぐに冷蔵庫で保存するようにしてくださいね。できるだけ製造日が新しいものを選ぶようにしましょう。
冷蔵保存する場合
未開封の状態で冷蔵保存する場合は、そのまま冷蔵庫に入れて構いません。
できれば、温度の変化が激しいドアポケット周りは避けるようにしましょう。まれに、冷蔵室の奥に入れてしまうと凍ってしまうこともありますが、お湯をかければすぐにふわっとした状態に戻るので、そこまで気にする必要はありません。
一度開封した油揚げは酸化しやすいので、できるだけ空気に触れさせないことが大切です。ぴっちりとラップに包むか、ジッパー付きの保存袋に入れてしっかりと空気を抜いておきましょう。
保存期間
冷蔵保存した場合の保存期間は約3〜5日です。特に一度開封した油揚げは急速に酸化が進みます。カットすればするほど空気に触れやすくなり痛みやすくなるので、消費期限にかかわらず早めに使い切るようにしてください。
冷凍保存する場合
まとめて購入したときや数日で使い切れない場合は、冷凍保存がおすすめです。
油揚げは熱を通しやすいので解凍の手間も少なく、冷蔵保存した場合と味も食感もあまり変わらないので冷凍保存に向いています。
冷凍保存すれば消費期限にかかわらず、長期保存ができます。カットしてから冷凍しておけばそのまま料理に使えるので、使いたいときに手間なく使えますよ。
油抜きは必要?
油揚げの冷凍方法には、油抜きをしてから冷凍する方法と、油抜きをせずに冷凍する方法があります。それぞれメリットとデメリットがあるので自分にあった方法を選んでくださいね。
油抜きせずに冷凍保存
昔の油揚げは油の質の関係で、冷凍前の油抜きは必須でした。
ですが現在の油揚げは、品質管理がしっかりとされているので、油抜きをする必要はありません。
油抜きをせず冷凍する場合は、まずキッチンペーパーで油揚げを押さえて表面の水分と油分を吸い取ります。その後、使いたい大きさに切って一回分ずつぴっちりラップに包むか保存用のジップ袋に平になるように入れ、空気をしっかりと抜いて閉じましょう。
油揚げが重なっていると凍ったときに油揚げ同士がくっついて塊になってしまうので、できるだけバラバラになるように包むのがおすすめです。
手間がかからない反面、油抜きをしないと酸化しやすくなってしまい、保存期間が若干短くなってしまいます。とはいえ、冷蔵保存と比べるとかなりの期間長持ちするので、使いきれない場合は冷凍保存がおすすめです!
保存期間
油抜きをせずに保存した油揚げの保存期間は約2週間です。
油揚げに残った油は低温でも酸化しやすく、時間とともに風味が悪くなります。使うときは油抜きをしてから使われることをおすすめします。
油抜きしてから冷凍保存
油抜きをしてから冷凍するのはやや手間ですが、油の酸化が抑えられる分、保存期間が長くなります。
さらに、凍ったまま料理に使えるというメリットもあります。小さく切ってお味噌汁や炒めもの用にしておくと、料理の仕上げにパッと使えて便利です。
油抜きをする方法は、お湯を使う方法と電子レンジを使う方法がありますが、冷凍する場合は電子レンジのほうが水気もカットできておすすめです。油抜きはカットする前に行いましょう。
油揚げを湿らせたキッチンペーパーで包んだら、耐熱のお皿に乗せて30秒ほど電子レンジで加熱しましょう。加熱後、新しいキッチンペーパーで表面に残った水分と油分を吸い取ります。
油分を吸い取ったら、使いたい大きさにカットしてラップで包むか、ジッパー付きの保存袋に入れてしっかりと空気を抜いて保存します。
油抜きをした場合も冷凍時に油揚げ同士がくっつく恐れがあるので、できるだけ重ならないようにして冷凍するのがおすすめです。
保存期間
油抜きをした油揚げの保存期間は約1ヶ月です。そのままで冷凍するよりもさらに長期間保存できるので、大量に保存する場合などはおすすめです。
油揚げの上手な解凍方法
油抜きをしていない場合
油抜きをしていない油揚げの場合は、油抜きと同時に解凍するのが手間が省けて便利です。
冷凍した油揚げをザルに並べ、沸騰したお湯を回しかけましょう。冷凍時に塊になってしまった場合は、多めに熱湯をかけてください。こうすることで、余分な油が落ちるうえ、味を損なわずに解凍できます。
油抜きをした場合
油抜きをしてから冷凍した場合は、味噌汁や炒めものなど小さいものならそのまま鍋やフライパンに入れて構いません。鍋の温度が下がってしまうので、火加減は都度調節してください。
解凍する必要がある場合は、冷蔵庫で自然解凍か、油抜きをしていない場合と同じくお湯をかける方法がおすすめです。
常温での自然解凍では味や食感も落ちやすいうえ、雑菌が繁殖しやすく危険です。自然解凍は必ず冷蔵庫で行ってくださいね。
一度解凍してしまった油揚げを再冷凍すると、雑菌が繁殖したり酸化して品質がひどく落ちてしまうので、必ず一回分ずつ解凍するようにしてください。
油揚げは腐るとどうなる?
油揚げは水分が多く雑菌やカビが繁殖しやすい食品です。また、油で揚げているため油の酸化で傷んでしまう可能性があります。
すっぱい臭いや納豆のような臭い、古い油のような臭いがしていたら要注意です。
また変色していたり、ネバネバ・ベトベトしている場合、買ってきたときよりも袋が膨張している場合は危険なので食べないようにしましょう。
油揚げに表示されている期限はほとんどのものが賞味期限ではなく「消費期限」です。これは未開封の状態で冷蔵保存した場合、この期間をすぎると衛生上の危害が発生する可能性があるということです。
冷蔵保存で1〜2日消費期限を過ぎても食べるという人もいますが、体調に影響を及ぼす危険もあります。少しでも危ないと思ったら破棄するようにしましょう。
もちろん、消費期限内でも常温で運ぶ時間が長いなど保管の環境が悪いと傷んでしまう可能性があります。消費期限を過信せずに、しっかりとチェックしてくださいね。
油揚げはすぐに使わなければ冷凍保存!
今回は、油揚げの選び方と保存方法についてご紹介しました。お味噌汁やおひたし、煮物やおいなりなど和食には欠かせない油揚げは、要冷蔵で消費期限が短い食材です。
5枚入りなど大きなパックを買う場合は、その日や翌日に使う分だけ冷蔵して、あとは冷凍してしまうのが無駄なく使い切るコツです。冷蔵も冷凍も、油揚げの味が落ちる最大の原因の酸化をできるだけ防ぐようにしてくださいね!
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