生でも加熱してもおいしく食べられる小松菜は栄養分も豊富。サッと湯通して食べられるため、おかずやお弁当に便利な野菜のひとつです。しかし、葉物野菜はあまり日持ちがしないのが難点ですよね。使いきれず、だめにしてしまったことのある人も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな小松菜を選ぶ時のポイントと、美味しさを長持ちさせる保存のポイントを紹介します。傷みやすい小松菜も栄養や美味しさを長くキープできるうえに、保存方法によっては料理にも使いやすくなりますよ!
目次
小松菜の保存方法
小松菜のような葉物野菜は傷みやすく、冬場以外の常温では1〜2日で傷んでしまいます。
できるだけ早く使い切るのが理想ですが、その日のうちに使い切れない場合は冷蔵保存か冷凍保存をしましょう。
そのまま冷蔵保存する場合
小松菜は乾燥に弱いので、できるだけ通常の冷蔵室は避けて、野菜室で保存するのがおすすめです。
この際、湿らせた新聞紙やキッチンペーパーで包んでから、根を下にして立てて保存しましょう。生えていたときと同じ姿勢で保存することで、柔らかい葉の部分が痛みにくくなります。
また、ポリ袋や容器に入れれば乾燥は防げますが、密閉すると小松菜が呼吸できなくなってしまうのでNG。袋などに入れる場合は、口を開けておきましょう。
保存期間
小松菜をそのまま冷蔵保存した場合、3〜4日ほどはおいしく食べられます。しかし、日が経つにつれ少しずつ味や栄養素が抜けてきてしまうので、早めに使うようにしてください。
カットしてから冷蔵保存する場合
小松菜はカットしてしまうと、切り口から乾燥して傷みやすくなってしまいます。そのため、カットした場合はできるだけ早く使うようにしてください。
カットした小松菜を保存する場合は、よく洗ったあとに水分をしっかりと拭き取ることが重要です。その後、きれいな新聞紙やキッチンペーパーでくるみポリ袋に入れ、冷蔵庫で保存しましょう。
保存期間
カットした小松菜は傷みやすいので、長くても2日以内には使い切りましょう。
茹でてから冷蔵保存する場合
生のまま冷蔵保存する以外に、下茹でをしてから冷蔵保存する方法があります。
こうしておくと、すぐにお浸しや胡麻和えなどに使えるうえ、かさも減るので冷蔵室のスペースも取りません。
小松菜を茹でるときは、まず根本に切れ込みを入れ、小松菜をよく洗います。根本は特に土や泥がたまりやすいので念入りに洗ってください。
茹でる時は、沸騰したお湯に塩をひとつまみ入れ、根本から5〜10秒かけて順に沈めていきます。葉っぱの部分と比べ、根本は火が通るのに時間がかかるので、根本から先に沈めていくと均等に火が通ります。
全体がお湯に浸かったらさらに10〜20秒ほど茹で、すぐに冷水に浸しましょう。こうすることで、鮮やかな緑色を保てます。
茹でた小松菜はよく絞り、キッチンペーパーなどでしっかりと水分を拭き取ります。そしてキッチンペーパーを敷いた清潔な密閉容器、またはジッパー付きポリ袋に入れ、きちんと封をしてから冷蔵庫で保存しましょう。
ジッパー付きポリ袋の場合は、封をするときに空気をできるだけ抜いておくと、劣化が抑えられます。
保存期間
茹でた小松菜の場合も、冷蔵保存の場合は2日程度で使い切りましょう。それ以上保存する場合は、冷凍保存がおすすめです。
冷凍保存する方法
たくさん買ってしまった場合など、冷蔵保存では使い切れない場合は冷凍保存がおすすめです。
冷凍保存をした小松菜を解凍するとクタッとなってしまいます、生のシャキシャキとした食感は失われてしまうのでサラダなどには不向きですが、炒め物や煮物、和え物など加熱する料理にはおいしく使えます。野菜ジュースやスムージーにもおすすめですよ。
そのまま冷凍保存する場合
生のまま冷凍保存をすると下茹でする際、ビタミンCの流出を避けることができます。特に、野菜ジュースやスムージーなど、生のまま使う場合におすすめです。
また、解凍した生の冷凍小松菜は茹でたときのようにクタッと柔らかくなっているので、そのままお浸しや胡麻和えにしてもいただけます。
生のまま冷凍をする場合は、よく洗って使いたい大きさに切ったあと、キッチンペーパーなどでよく水気を拭き取りましょう。
その後、チャック付きのジッパー袋などに入れてよく空気を抜いてから冷凍庫に保存します。
ジッパー袋には、冷凍庫に入れた日付を書いておくと便利です。
保存期間
生の小松菜を冷凍保存する場合は、約2〜3週間で使い切るのがおすすめです。
家庭用の冷凍庫では冷凍をしていても酸化などで少しずつ劣化してしまうので、なるべく早めに使い切りましょう。
ゆでてから冷凍保存する場合
小松菜は生のままでも冷凍できますが、軽く下茹でをしてから冷凍することもできます。
もともと泥がたくさんついていたり、衛生的に気になる場合は、加熱してから冷凍しておけば殺菌ができて安心ですね。
小松菜を下茹でしてから冷凍保存する場合は、解凍するときのことを考えて固めにゆでておくのがポイント。先ほど紹介したように茎からお湯に沈めていきますが、このとき、全体がお湯に浸かったら、10秒ほどで引き上げるようにしましょう。
その後で使いたい大きさにカットし、ぎゅっとよく絞ってからキッチンペーパーで水気をゆきとります。ジッパー袋に入れたら平らになるようにして空気を抜き、冷凍庫に入れて保存します。
茹でた場合は水分が残りやすく、塊になりやすいのでよく水気を切るのがポイントです。また、できるだけ薄板上にしておけば、固まってしまってもポキポキと折って使うことができますよ。
保存期間
茹でてから冷凍した小松菜の保存期間は、生のまま冷凍した場合と同じく約2〜3週間です。
茹でた場合もやはり少しずつ酸化が進んでしまうので、なるべく早く使い切るようにしてくださいね。
冷凍した小松菜の解凍方法は?
生のまま冷凍した場合も下茹でをしてから冷凍した場合も、小松菜は解凍をすると繊維が破壊されてクタッと柔らかい歯ごたえになります。
そのままおひたしなどにする場合は、冷蔵庫での自然解凍や流水での急速解凍がおすすめです。電子レンジの解凍モードを使っても同じように解凍ができます。
スープや炒めもの、煮込み料理など加熱料理に加えたい場合は、解凍せず凝ったまま料理に加えて構いません。
小松菜はお浸しにして食べるのが賢い
小松菜は緑黄色野菜のひとつで、ビタミンやミネラルといった栄養が豊富に含まれています。
同じく葉物の緑黄色野菜であるほうれん草と比較しても、その栄養素量は勝るとも劣りません。
特に、小松菜はカルシウムと鉄の含有量が多く、可食部100gあたりでみるとほうれん草がカルシウム49mg、鉄2.0gであるのに対し、小松菜はカルシウム170mg、鉄2.8gです。
ほうれん草と比較するとカルシウムは約3.5倍、鉄は約1.4倍も含まれています。
また、小松菜はβカロテンやビタミンE、ビタミンK、ナイアシン、葉酸、ビタミンCといったビタミン類も豊富に含まれています。
そんな小松菜は、「お浸し」にするのがおすすめです。お浸しにすることで小松菜のかさが減り、食べやすくなります。
しかし、「茹でると栄養素が減ってしまうのでは…?」と心配になるかもしれません。実際に、小松菜などの野菜を茹でることによって水溶性の栄養素や熱に弱い栄養素は減少してしまいます。
小松菜を茹でると鉄は2.8gから2.1g、ビタミンCは39mgから21mgに変化します。
一方、ほうれん草では鉄が2.0gあら0.9g、ビタミンCは35mgから19mgに変化します。栄養素は多少減少しますが、それでもほうれん草より小松菜のほうが栄養素が多く残っています。
また、鍋で茹でるのではなく電子レンジで加熱したり少量の水で「蒸し茹で」にすることで、より栄養素の損失を抑えることができます。
小松菜はほうれん草と違ってエグみが少ないため、たっぷりの水で茹でなくてもクセが少なくおいしくいただけます。調理方法を工夫して、より多くの栄養をおいしくいただきましょう!
小松菜の選び方
おいしい小松菜を選ぶには、全体の色、そして葉っぱと茎をよく見るのがポイントです。
特にスーパーなどではパック売りされていることが多いため、見分けづらいという難点があります。これからご紹介するポイントを抑えて、見た目でおいしい小松菜を見分けてみてくださいね。
色
おいしい小松菜を見分けるひとつめのポイントは、全体の色です。小松菜はほうれん草など他の葉物野菜と同じく、緑色が鮮やかで濃いものを選びましょう。
葉の色が妙に薄かったり、一部が枯葉色になっていたり、白や黒い斑点のようなものがあるものは、栄養不足や天候不順でうまく育たなかったものです。
傷んでいるわけではないため食べられますが、味はあまりよくないので選ぶときには避けたほうがいいでしょう。
葉・茎
次に、葉と茎の状態を見ます。小松菜は茎がある程度太く、薄緑色で白っぽくないものが味も美味しく栄養価も高いです。また、葉っぱが厚く、しっかりと大きいシャキッとしたものを選びましょう。
葉に元気のない、ヘナヘナとなった小松菜は収穫から時間が経っているため、食感や美味しさが損なわれている可能性があります。
根
もし根が付いたまま売られている場合は、根もチェックしておきましょう。強く育った小松菜は根が長く伸びています。そのぶん、土の中の栄養もたっぷりと吸っているので、栄養価も高くおすすめです。
小松菜は腐るとどうなる?
小松菜は痛むと見た目や臭いで判別できます。具体的には、葉や茎が黄色になる、ぬめりや悪臭がする、カビが生えるなどわかりやすいです。
一部だけが悪くなっている場合はその部分を捨てるようにしましょう。全体的に変色したりカビが生えている場合は、残念ですが食べずに捨てることをおすすめします。
小松菜にも種類がある
丸い葉っぱと細めの茎から、ほうれん草にそっくりなイメージが強い小松菜ですが、最近はチンゲンサイなどと交配してさまざまな品種が作られています。
その中でも代表的な品種は、小松菜、つまみ菜、縮み小松菜の3つです。
小松菜はスーパーなどでよく見かけるもので、細い茎と丸い葉っぱが特徴です。見た目が似ているほうれん草と比べてアクとなるシュウ酸が少なく、おひたしや炒めものだけでなく生でもおいしく食べられます。
つまみ菜は小松菜を若いうちに収穫したものです。小松菜よりもさらに柔らかく、クセがないのでサラダなどにおすすめです。
ちぢみ小松菜は、葉っぱにちりめんのような細かいしわがたくさん入った冬限定の小松菜です。霜や寒さにさらすことで甘みが増し、旨味がぎゅっと凝縮され、色も普通の小松菜と比べて濃いのが特徴です。しわしわしているのでドレッシングなどが絡みやすいのも特徴です。
小松菜の原産国はどこ?
小松菜のルーツは「ツケナ」というアブラナ科の植物で、ツケナの野生種は地中海沿岸や中央アジア、北ヨーロッパにかけて自生していました。
それが中国を経て野菜として発達していき、日本に伝わってきたといわれています。
日本には奈良時代以前に渡来したといわれており、当初中国から伝わってきた「茎立菜(くきたちな)」というカブの一種をもとに品種改良され、江戸時代に「小松菜」としての品種が完成したそうです。
「小松菜」という名前の由来には諸説ありますが、一説には江戸時代初期に現在の東京都江戸川区小松川(当時:南葛飾郡小松村)の付近の特産品として将軍に献上され、それを気に入った将軍が小松川の地名にちなんで「小松菜」と名付けたといわれています。
また、江戸時代初期に葛西付近で栽培されていた「葛西菜(かさいな)」という青菜を、小松川の椀屋久兵衛という人物が品種改良をしたことに由来して「小松菜」と名付けられたという説もあります。
小松菜は現在でも東京都江戸川区小松川町の特産品として栽培が盛んです。また、東京都以外でも全国で広く栽培されており、地域によって特有の品種があります。
例えば、新潟県では「大崎菜(おおさきな)」、大阪府では「黒菜(くろな)」、福島県では「信夫菜(しのぶな)」、群馬県では「武州寒菜(ぶしゅうかんな)」といったものがあります。
保存のコツを抑えて小松菜を賢く活用しよう
今回は小松菜のおいしい選び方と上手な保存方法を紹介しました。
小松菜のような葉物野菜はあまり日持ちがしませんが、保存方法を工夫することで美味しさや栄養を長くキープできます。
普段の買い物だけでなく特売で大量に買ったときなど、今回紹介した保存方法をぜひ活用してみてくださいね!
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