1984年に『週刊少年ジャンプ』にて連載がスタートした「ドラゴンボール」。詳しい内容までは知らなくとも一度はアニメや漫画を見たことがあるのではないだろうか。
「冒険」「夢」「バトル」「友情」などを描いた長編漫画だが、ストーリーが展開するうえ欠かせないものといえば、タイトルにもなっている秘宝・ドラゴンボールだろう。7つ集めると神龍(シェンロン)と呼ばれる龍が現れ“どんな願いも叶えてくれる”。もちろん、そんなもの現実に存在するはずがないと思っていた。ついこの間までは…。
しかし、ついに見つけてしまった! どんな願いも叶えてくれるドラゴンボールの作り方を。
みんな、もう大丈夫だ! 夜遅くまで働いているのに、老後の年金が支払われるかどうかの心配なんてしなくていい。それどころか“永遠の命”を手に入れることができるかもしれない。食事に困ることもないだろう。今から教えるドラゴンボールを作り方さえ知っていれば!
そう、この世にないのであれば、作ればいいのだ!
食べられるドラゴンボール
ドラゴンボールが作れると聞いて驚いた方も多いだろう。筆者も聞いたときはびっくりした。しかし、それ以上に驚いたのはドラゴンボール作りに必要とする材料だ! これがめちゃくちゃ身近なもので作れるもんだから、びっくらこいた。
とくと見よ!これがドラゴンボール作りに必要な材料だ!
材料
にんじん:1本
水:250cc
固形コンソメ:1/2個
粉ゼラチン:5g
オリーブオイル(サラダ油可):適量
どうだ、驚いただろう。ゼラチンを除き、どの材料も一度は使ったこのあるものばかりだ。この材料でドラゴンボールを7個作るだけ。多少めんどうではあるが作っていくとしよう。
重大なミスに気づく…
どんでもないミスに気づいてしまった。なんと、ドラゴンボール作りに使う容器がひとつしかないのだ。
ヤ、ヤバい。願いが叶えられない。これは予定外の凡ミスだ。なんてこった。欲をかいてしまったばっかりに神が罰を下したのか? いや、そんなはずはない。神龍はまだ召喚していないのだから。
どうする…。ひとつひとつ作るなんてめちゃくちゃ手間だ。なにかいい方法はないのか。
はっ!? 1個で7個分の効果を持つドラゴンボールを作ればいいんじゃないか? そうだ。それだ! 1個に1~7個分の星(にんじん)を足した28個の星を入れればいいのだ。
手順
1. にんじんは薄くスライスし、星型の型抜きを使って切り抜く。
細かい作業だが、☆型にくり抜くアイテムがあればお茶の子さいさいよ!
2.鍋に[1]と水、コンソメを入れて少し煮込み、にんじんを取り出す。
なるだけおいしく食べたいので星を茹でる。
3.[2]に粉ゼラチンを入れてしっかりと溶かし、火から離しておく。
ここはかなり重要な工程だ。しっかりとゼラチンを溶かしておかなければ、仕上がりに大きな違いが出てしまう。
4. 球形の製氷器に油を薄く塗っておく。
油を塗っておくことでドラゴンボールがくっつかなくなる。(ドラゴンボールがくっつくってなんだよ!?)
5. コンソメスープを少量入れ、冷蔵庫で緩めに固める。その上ににんじんと少量のコンソメスープを入れて冷蔵庫で固める。
ここが想像以上にめんどくさかった。コンソメスープにすぐ星を入れてしまうと沈んでしまうのだ。そのため、冷蔵庫で緩くゼラチンを固める必要がある。
少し固まったらまた星を入れていく。ちなみに現在時刻は22時半。俺は一体なにをしているんだ? こんな時間に…。
6. [5]を繰り返す。
7. 型から取り出せば完成!
秘宝が完成!
ついに、ついに完成したのだ。見よ! これが“食べられるドラゴンボール”だ!
あれっ!? なんか曇ってないか。急いてカメラのピントを確認してみる。しかし、ズレていない。なぜだ! こんな風になるはずだったのに…。想像と全然違うじゃないか(なんてクオリティの差だ)。
画像引用:クックパッド
もしかして、このドラゴンボールは筆者の心を写しているのか。この欲にまみれた心を。これが“俺のドラゴンボール”。ちくしょう…何度見てもくすんでやがる!
こんなくすんだドラゴンボールはいらねぇ~! 鍋にドボンだ!
溶けてゆく。俺のドラゴンボールが…。心にポッカリと穴が空いてしまったような気分だ。
ドラゴンボール鍋の出来上がり
香り高いきのこにクタクタになった甘いネギ、しっとりとした白菜が体に優しく染み渡る、、、ってか…味うっす!! めちゃくちゃ味が薄い。というかほぼ食材の味しかしない。ただの“プレーンな鍋”じゃねーか!
欲望の果てにあるもの
時間をかけて作ったドラゴンボールに輝きはなく、くすみまくった球が出来上がっただけだった。
その球で作った鍋は味も薄かった。これは欲をかいた自分への罰だったのだろう。甘んじて受け入れよう、この現実を。欲をかかずに生きていくことを神龍は教えてくれたのだ。
ドラゴンボールがパッカーン
実は、ドラゴンボールを作る途中で大事件が起きていた。
画像を見れば分かると思うが、ドラゴンボールがパッカーンといったのである。“大きな桃”のように。型に入れ直し、そっと冷蔵庫へ戻しておいたのだが、跡がくっきりと残ってしまった。撮影の際、傷が見えないよう玉を転がしながらベストなポジジョンを見つけたのはいうまでもない。