朝食や子どものおやつなどにも最適な「食パン」。食パンの厚みによって食感が異なり、何枚切りの食パンを選ぶかは好みや気分によってそれぞれだと思います。

また、各製パンメーカーからこだわりの食パンが発売されており、それぞれの商品を食べ比べて味わうのも楽しいものです。そんな食パンですが、1枚あたりのカロリーはどのくらいなのでしょうか?

特に、ダイエット中の方は気になるポイントだと思います。最近では糖質制限が流行しているため、食パンに含まれる糖質の量まで気にされる方も多いはず!

今回は、カロリーや糖質をはじめとした食パンに含まれる栄養と、食パンを食べるときに気をつけたいポイントについてご紹介します。

Sponsor link

知っておきたい!食パンに関する知識


小麦の香りとほんのりとした甘み、そしてふわふわ食感がおいしい食パン。毎日の食事の主食として、日常的に召し上がっている方もいらっしゃると思います。

そんな食パンですが「ダイエット中には向いていない」という話もよく聞きます。実際のところ、食パンにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか?

また、食パンの特徴や食べるときのポイントについて順にみていきましょう。

食パンにはどんな栄養が含まれている?

まずは、食パンに含まれている栄養素についてです。
食パン100gと炊いたごはん100gに含まれる栄養素を比較しながら、その特徴を見ていきましょう。

可食部100gあたり 食パン ごはん
エネルギー(kcal) 260 168
タンパク質(g) 9.0 2.5
脂質(g) 4.2 0.3
炭水化物(g) 46.6 37.1
カルシウム(mg) 23 3
ビタミンE(mg) 1.3 Tr※
ビタミンB1(mg) 0.07 0.02
ビタミンB2(mg) 0.04 0.01
ナイアシン(mg) 1.2 0.2
葉酸(μg) 32 3
ビオチン(μg) 2.4 0.5
食物繊維(g) 2.3 1.5
食塩(g) 1.2 0

※Tr:微量
参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

食パンには、以上の表に示したような栄養素がごはんよりも豊富に含まれています。

エネルギー量は、ごはんの168kcalに対しては食パンは260kcalと多くなっていますが、そのぶんタンパク質、脂質、炭水化物も豊富に含まれています。

さらに、食パンに豊富に含まれているビタミン・ミネラルなどの微量栄養素について、その働きとともにみていきましょう。

カルシウム

食パンは、原材料に牛乳やバターといった乳製品を使用することが多いため、そのぶんカルシウムが多く含まれています。

カルシウムは骨や歯の主成分であり、成長期の子どもはもちろん、全年代の方にとって必要なミネラルです。この他にもカルシウムには重要な働きがあり、細胞の活性化や血液の凝固などにも関与しています。

ビタミンE

ビタミンEは脂溶性ビタミンのひとつで、強い抗酸化作用を持っています。細胞を正常に保ち、アンチエイジングに効果があるといわれています。また、血行を促進する作用もあるため、細胞の代謝促進や活性化、抜け毛防止などにも効果が期待できます。

ビタミンB1

ビタミンB1は、糖質代謝やアミノ酸代謝に必要不可欠なビタミンです。

不足すると代謝がスムーズに行われないためエネルギーが不足し、倦怠感や食欲不振、夏バテなどの原因になります。摂取した糖質などを効率よくエネルギーに変換するためにも、積極的に摂りたい栄養素のひとつです。

ビタミンB2

ビタミンB2も、ビタミンB1と同様に糖質やアミノ酸の代謝に関わっています。

さらに、この他にも脂質代謝やエネルギー代謝など、その他の栄養素の代謝に広く必要とされているビタミンです。皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあり、不足すると肌荒れや口内炎などを症状を引き起こす原因となります。美肌のためにも、不足に注意したい栄養素のひとつです。

ナイアシン

ナイアシンはビタミンB群のひとつです。ビタミンB群は基本的に身体の中の代謝に関わっており、摂取した栄養からエネルギーをつくり出すのに欠かせない栄養素です。

ナイアシンは特に、皮膚や粘膜の正常維持に役立っており、不足すると肌荒れや口内炎、下痢などを引き起こす可能性があります。体内でも一部生成されますがそれだけでは不十分であるため、やはり食品からしっかりと摂取することが望ましいでしょう。

葉酸

葉酸もビタミンB群のひとつで、アミノ酸代謝などに関与しています。また、核酸の代謝にも深く関わっており、細胞の分化や発達が盛んな胎児にとっては重要な栄養素です。

そのため、特に妊産婦の方は不足しないよう積極的に摂る必要があります。また、赤血球の生成にも関わっており、貧血の予防・改善にも役立ちます。

ビオチン

ビオチンもビタミンB群に属します。糖質代謝やアミノ酸代謝、脂質代謝、エネルギー代謝など、広く身体の中の代謝反応に関与しています。

体内でも生成されますが、食品からの摂取がメインとなります。ビオチンは様々な食品に含まれているため通常の食事をしていれば不足することは少ないですが、不足すると食欲不振や吐き気、うつ症状などを引き起こす可能性があります。

食物繊維

食物繊維は腸内環境を整えてくれるため、便秘や下痢の予防・改善に欠かせない栄養素です。

また、食物繊維は一緒に摂取した糖質や脂質の吸収を穏やかにしてくれるため、血糖値や血中脂質の急激な上昇を抑制してくれます。不足しやすい栄養素でもあるため、積極的に摂りたい栄養素のひとつでもあります。

以上のように、食パンには様々な栄養素が含まれていることがわかりました。どの栄養素も、健康や美容のためには欠かせない栄養素です。

ただし、食パンには塩分もごはんよりも多く含まれているため、高血圧など塩分摂取量に気をつけている方は注意が必要です。

形の違いはきめ細やかさに出る


ひとことに「食パン」といっても、様々な種類がありますよね。最近では、チョコレートやシナモン、かぼちゃなどのフレーバーがついた食パンや、ドライフルーツやチーズなどの具材が入った食パンなど、バラエティに富んだ商品が多く見受けられます。

そんな中でも、食パンのベーシックな違いといえば「形」です。最も多く見かける四角い食パンのほかに、上部が膨らんだ山型の食パンもあります。

どうして形に違いができるのかというと、食パンを焼くときの方法が違うためです。四角い食パンは、パン生地を型に入れて、フタをして焼きます。一方、山型の食パンはフタをせずに焼くため、パンの上部が膨らんで山型に仕上がるのです。

また、形だけでなくパンを食べたときの食感にも違いが出てきます。四角い食パンはフタをして焼くため必要以上に膨らまず、キメの細かいしっとりとした食感になります。それに対して、山型の食パンはふんわりと膨らむため、食感もふんわりと軽めの食感に仕上がるのです。

食パンの形だけでなく、食感によっても好みが分かれそうですね。

グラム別!食パン1枚あたりのカロリー

先ほど、食パン100gあたりの栄養素についてご紹介しました。しかし、食パンは6枚切りや8枚切りなど切る厚さが様々で、その厚みによって食パン1枚あたりの重さも異なります。そこで、食パンの厚みごとに、1枚あたりの重さとエネルギー量をみていきましょう。

食パンの厚み 重さ(g) エネルギー(kcal)
4枚切り 100 260
5枚切り 80 208
6枚切り 60 156
8枚切り 45 117

食パンの4枚切り1枚でおよそ100gとなります。ちなみに、食パン1斤だと340~400gほどであるため、食パンの種類やお店によって重さ・エネルギー量には差がありそうです。

糖質はごはんよりも多い

先ほど説明したように、食パンとごはんと比べると、同じ100gでは食パンが260kcal、ごはんが168kcalであるため、食パンのほうが高カロリーであるといえます。

また、糖質の量は食パン100gあたり44.3g、ごはん100gあたり35.6gです。糖質の量も、食パンはごはんよりも多いことがわかります。

では、同じエネルギー量で比べるとどうでしょうか?

ごはん1杯が150gで252kcalです。つまり、食パン100gとほぼ同じエネルギー量ということになります。

同じエネルギー量でも、ごはん1杯(150g)と食パン1枚(4枚切り、100g)では、ごはんのほうが食べたときの満足感が高いのではないでしょうか?

ダイエット中の方は、エネルギー量や糖質の量だけに注目するのではなく、食べたときの満足感の高さにも注目すると良いですね!

耳は意外に糖質が高い!


同じ食パンであれば、どの部分でもエネルギーや糖質の量は変わらないと思われがちです。しかし、実はパンの耳の部分は白い部分よりもエネルギーや糖質の量が多くなりがちなのです。

食パンの耳は、パンを焼くときに型に触れている部分です。そのためパンの中身(白い部分)よりも高温になりやすく、そのぶん多くの水分が失われます。つまり、同じ重さで比較すると、パンの白い部分よりも耳のほうが水分が少ない分エネルギーや糖質が多くなるのです。

大きな差ではありませんが、糖質の量を厳しく管理している方は、食パンの耳を使わないサンドイッチなどのほうが良いかもしれませんね。

食パンを食べる際に気をつけるべきポイント

続いて、食パンを食べるときに気をつけたいポイントについてです。

同じ主食でも、食パンとごはんでは栄養素の量に違いがありました。それ以外にも、主食として食パンを食べるときには意識していただきたいポイントがいくつかあります。それぞれについて、順に詳しくみていきましょう。

トッピングにも注意が必要


食パンを食べるときは、そのまま食パンだけを食べるよりもバターやマーガリン、ジャムなどをトッピングして食べることが多いと思います。

これらのトッピングについて、1回に使用する目安量あたりのエネルギー量を見ていきましょう。

トッピング 使用量(g) エネルギー(kcal)
バター(有塩) 10 75
マーガリン(ソフトタイプ) 10 77
いちごジャム 20 51
ピーナッツバター 15 95
チーズ 15 51

参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

以上のように、トッピングだけでも50kcal以上、多いものでは100kcal近く増えてしまうことになります。

「たった50kcalじゃない?」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば一度に食パンを2枚、または毎朝食べたとしたら、その差は相当な量になるでしょう。ダイエット中の方にとっては特に大きな問題です。

ジャムを使いたいときは低糖質のジャムを活用したり、バターやマーガリンよりもチーズやマスタードを使うなど、食パンを食べるときにはトッピングの量や種類に気をつけると良いですね。

ごはんと比べると咀嚼が少ない


続いて注意していただきたいポイントは、「咀嚼回数」です。

食パンは比較的柔らかく、食べやすい食品です。そのため、ごはんに比べると食べたときの咀嚼回数が少なくなる傾向にあります。

私たちはよく噛むことで満腹中枢が刺激され、満足感を得ます。咀嚼回数が少ないと、同じ量を食べても満足感を感じにくく、食べ過ぎに繋がってしまうのです。

また、咀嚼回数が少ないと食べ物の消化もしにくく、消化器官への負担も大きくなります。

食パンを食べるときには、いつも以上に意識して咀嚼することが大切になるでしょう。

添加物が含まれることがある

食パンは、キメを細かくしたりふんわりとした食感をできるだけ長くキープするために、添加物が加えられることがあります。この他にも、食パンのおいしさを増すために甘味料や香料などが使われる場合もあるでしょう。

基本的に日本で食品に使用される添加物は安全が保証されていますし、そもそも添加物すべてが身体に悪いわけではありません。そのため、過剰に気にする必要はありません。

しかし、添加物を習慣的に摂りすぎると、代謝が悪くなって太りやすくなる可能性があります。
また、小さなお子さんがいる家庭では、添加物を気にされる方も多いでしょう。

食パンを主食として食べる分には心配ありませんが、気になる方は商品の原材料をチェックして、添加物の少ないものを選んでください。

メーカー別でみるカロリーの違い


同じ食パンでも、様々な製パンメーカーから色々な特徴を持った食パンが販売されています。

それぞれの商品で原材料の種類や配合に違いがあるため、エネルギー量にも差があります。製パンメーカー・商品ごとに、エネルギー量をみていきましょう。

ヤマザキ

まずは、ヤマザキ製パンの食パンについてです。
国内で販売されているパンの多くのシェアを占めており、パン業界の大手企業といえるでしょう。

そんな山崎製パンは、食パンだけでも様々な商品を展開しています。その中でも代表的な商品についてご紹介します。

ロイヤルブレッド

まずは、テレビCMでもおなじみの「ロイヤルブレッド」についてです。小麦本来の味と香りを活かしており、バターのコクと風味が際立つ商品です。

食パン1枚あたりのエネルギー量は、6枚切り、8枚切りで次の数値になります。

・6枚入り:169kcal
・8枚入り:129kcal

超芳醇

続いて、「超芳醇」についてです。
独自の製法でソフトでしっとりとした食感に仕上げられており、小麦本来の甘味を味わえるのが特徴です。

・6枚入り:168kcal

フジパン

次に、フジパンの食パンについてです。

フジパンは、食パンの他にもマーガリン入りのバターロールなどが主力商品として展開されています。毎日の食卓に登場させやすく、馴染みのある方も多いかもしれませんね。

本仕込食パン

フジパンの食パンといえば「本仕込食パン」です。

本仕込食パンは、当時「ふんわり」が主流であった食パンのなかでも、「もっちり」とした食感を目指して開発され、日本人に好まれる食パンとして販売されました。

・4枚入り:251 kcal
・5枚入り:200 kcal
・6枚入り:168 kcal
・8枚入り:126 kcal

敷島製パン

最後に、敷島製パンの食パンについてです。

「Pasco」でおなじみの敷島製パンは、食パンの他にもバゲットやマフィン、フォッカッチャなど様々な食事パンを販売しています。ハード系のパンの「窯焼きパスコ」シリーズでも有名です。

Pasco

Pascoの食パンといえば「超熟」です。
小麦そのもののおいしさを重視し、余計なものを入れないシンプルな製法にこだわって作られた商品です。

・4枚入り:246 kcal
・5枚入り:197 kcal
・6枚入り:164 kcal
・8枚入り:123 kcal
・10枚入り:99Kcal

好みの食パンを見つけてみて!

食パンは、ごはんよりも豊富に含まれているビタミン・ミネラルがある一方で、エネルギーや糖質はごはんよりも多いことがわかりました。

また、食パンはバターやジャムなどのトッピングをして食べることが多いぶん、摂取するエネルギーも増えがちです。この他にも、ダイエットをする上では気をつけたいポイントがいくつかありました。

とはいえ、食パンはふんわり食感と小麦の甘みを感じられておいしい食品です。また、メーカーや商品によって異なる味わいを楽しめるのも嬉しいポイントです。

食パンを食べるときのポイントを抑えて、好みの食パンを上手に食事に取り入れてくださいね!

スポンサーリンク