栄養豊富で美容と健康に欠かせないサバ。生のサバはあまり日持ちせず調理も大変ですが、サバ缶なら長持ちするうえに手軽に食べられて便利です。
そんなサバ缶ですが、独特の生臭さが苦手な人も多いのでは。脂が浮いた残り汁や、空き缶の処理など後片付けも大変です。
今回は、そんなサバ缶の臭いを抑えるポイントを紹介します!臭わない後片付けのコツも紹介するので、参考にしてみてくださいね!
目次
サバ缶に含まれる栄養
缶を開けるだけで手軽に食べられるサバ缶は、忙しい毎日でサバを食べるのに最適な食品です。丸々一尾や半身のサバを調理するのは、とても大変なうえに日持ちもしませんが、サバ缶ならお手軽に買えて長期間保管ができるので便利ですよね。
ところで、サバ缶には健康や美容にうれしい栄養がぎっしり詰まっていることを知っていますか?
サバ缶だけではなく魚の缶詰は、小骨や皮、血合いも丸ごと入っています。これらの部分は身よりも栄養が詰まっているのですが、生魚を調理するときは除いてしまうことがほとんどです。このため、普通に魚を食べるよりも缶詰を食べたほうがより多くの栄養が摂れるんです!
また、魚を茹でたり焼いたりすると栄養が流出してしまいますが、缶詰なら缶に詰めたあとに加熱しているので、そのぶん栄養が逃げません。
鯖缶にはさまざまな種類の栄養が詰まっていますが、その中でも特に健康に役立つのがカルシウム、DHA、EPAの3種類です。これらは健康にも美容にもダイエットにも欠かせない栄養素なんです。
カルシウムが豊富
カルシウムは骨の成長に欠かせない栄養素です。その他にも、脳の興奮を落ち着かせたりとストレス社会には欠かせない栄養素です。
サバ缶の場合、骨まで柔らかく食べられるので、生のサバを食べるよりもずっと多くのカルシウムが摂れます。
数値で比較すると、生のサバ100gに含まれているカルシウムが6mgに対し、サバ缶100gに含まれているカルシウムは260mgと、なんと43倍もあります。
サバ缶1缶(190g)を食べれば、成人の1日のカルシウム必要量の半分近くが摂取できるんです。
しかもサバ缶には、カルシウムの吸収に必要なビタミンDもたっぷり含まれているのもポイントです。ビタミンDは現代人には不足しがちな栄養素なので、サバ缶で摂取できるのはお手軽ですね。
DHA
DHAは「ドコサヘキサエン酸」の略で、次に紹介するEPAと同じく青魚に多く含まれる脂質です。
DHAやEPAはオメガ3脂肪酸と呼ばれる良質の脂質で、体内では作ることができない必須脂肪酸です。必須脂肪酸の中でもオメガ3脂肪酸は体内の炎症を抑え、老化を防ぐ働きをする健康や美容になくてはならない脂なんです。
DHAは特に脳の認知機能や記憶力の活性化することが知られており、認知症のリスクを減らすためにも積極的に摂りたい栄養です。
最近ではフィッシュオイルなどDHAやEPAのサプリメントもありますが、脂質のサプリメントは酸化がしやすいというデメリットがあります。酸化してしまった脂は体によくないので、できるだけ食品から摂るほうがおすすめです。
サバ缶には100gあたりおよそ1300mgと、1日に十分な量のDHAが含まれています。
EPA
EPAは「エイコサペンタエン酸」の略で、DHAと同じく青魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸です。DHAと同じく体内の炎症や老化を防ぎますが、特に知っておきたいのが血液と心臓への健康効果です。
EPAには血管内の中性脂肪を下げ、血液をサラサラにする効果があります。さらに、DHAとあわせて空腹感を抑え、中性脂肪がつきにくくなる効果もあるのでダイエット成分として一時期脚光を浴びました。
心疾患リスクを下げる効果もあり、血圧が心配だったり、中性脂肪が気になる人が特に摂っておきたい栄養です。鯖缶には100gあたりおよそ930mgと1日に十分な量のEPAが含まれています。
サバ缶が臭う原因は?
保存にも調理にも便利で栄養価も高いサバ缶ですが、独特の臭みが苦手という声も多く聞きます。サバは青魚独特の生臭さが特に強く、缶詰になってもその臭いが強烈に残っています。
味噌煮などの味付けサバ缶ではそこまで気になりませんが、シンプルな水煮のサバ缶は生臭さがダイレクトに感じられてしまいます。
このサバの生臭さのほとんどは「トリメチルアミン」という臭み物質によるもので、一般的な腐敗臭とは別のものです。
サバに限らず収穫した魚は時間が経つと、身の中の細菌が旨味成分である「トリメチルアミンオキサイド」をトリメチルアミンに変化させていきます。サバはこの変化するスピードが早いため、他の魚に比べて臭みが強くなってしまうのです。
サバ缶の臭いを抑える方法
そんなサバ缶の生臭さを抑える方法はあるのでしょうか。
アミン類は水に溶け出しやすいので、生魚であれば水でよく洗ったり熱湯をかけるという方法がありますが、サバ缶ではその方法は使いづらいですよね。
サバ缶の場合はもっとお手軽に、薬味やスパイス、お酒などの力を頼ってみましょう。
生姜などの薬味を使う
まずおすすめしたいのが、薬味やスパイスを利用する方法です。
和風であればサバと生姜は鉄板の組み合わせです。サバ缶をそのまま食べるときはおろし生姜をのせて仕上げにネギを散らせば、爽やかな辛味と香りで独特の生臭みが緩和されます。
煮込みやスープ、炊き込みご飯にするときはスライスした生姜を数枚一緒に入れるといいでしょう。
洋風でおすすめなのがオレガノやタイム、ローリエなどのハーブ類です。生姜と同じように爽やかな強い香りがあるので、魚の生臭さが抑えられます。これらはトマトとも相性が抜群なので、トマト煮やトマトソースなどにピッタリですよ。
お酒・酸
薬味やスパイスは生臭さを香りで隠す方法ですが、生臭みを元から減らしたい場合におすすめなのがアルコールの力を利用する方法です。
お酒やみりんに含まれるアルコールには、揮発するときに臭い成分も一緒に飛ばす「共沸効果」と呼ばれる働きがあります。調理前にさっとふりかけたり、一緒に加熱することで生臭みの成分そのものを減らすことができます。
日本酒やワイン、みりんにはそれ自体に香りやほのかな甘みがついているため、生臭さをマスキングしてくれたり旨味を加えてくれるという働きも期待できます。
酸性の調味料も効果的
もうひとつ、生臭みを元から減らすときにおすすめしたいのが、酢やレモン汁などの酸性の調味料です。
生臭みのもとであるトリメチルアミンはアルカリ性なので、酸性の酢やレモン汁を加えることで中和できます。
料理が酸っぱくなりそうですが酸味は加熱すると揮発するため、よく加熱すれば味も気になりません。そのまま食べるときに、レモン汁やポン酢をかけるのも爽やかな酸味がマッチしておすすめの食べ方です。
加熱する
あまりスパイスや調味料を足したくないという場合は、そのまま加熱するだけでも効果があります。
トリメチルアミンは単体でも揮発性が高い物質なので、しっかりと加熱をすればそれだけでも生臭さは消えてしまいます。
焼く、煮るなどのほか、器に移して電子レンジで温めるだけでも臭みがかなり抑えられます。臭い成分は気体となって部屋に広がってしまうので、調理中の換気扇はしっかり回しておきましょう。
他の料理と合わせる方法も
その他、サバ缶単体ではなくカレーやハンバーグ、つみれなど他の料理と組み合わせるのもおすすめです。
特にカレーやハンバーグにはたくさんのスパイスや玉ねぎなどの香味野菜が入っているので、サバの生臭さが気にならずに食べられます。
ハンバーグや団子にするときは、みじん切りにした生姜を練り込むのがおすすめです。臭みが消え、ピリッとした辛味が加わり美味しくなりますよ。
サバ缶をゴミ箱へ捨てる時の対処法
食べるときの生臭みは加熱や調味料、スパイスなどで解決できますが、もうひとつ問題となるのが使ったあとの空き缶とシンクの後始末です。
脂でギトギトの汁や細かい肉が残っていて、生臭みもありそのまま洗うのは嫌ですよね。そして洗ったあとのシンクにはサバ缶の生臭さが残ることも。
とはいえ、そのまま洗わずに置いておけばキッチン中が生臭くなってしまいますし、そのまま捨てればゴミ箱がひどい臭いになってしまいます。
正直、この後始末が苦手でサバ缶を敬遠している人も多いのではないでしょうか?
そんなときに役立つのがキッチンペーパーとビニール袋、それから重曹です。
残った汁はキッチンペーパーで処理
まず残った汁を処理しましょう。サバ缶の残り汁は栄養もあり料理に使えるのですが、苦手な場合や使わずに捨てたいというときもあります。
この汁は見た目通り脂を多く含んでいるので、排水口にそのまま流してしまうのはよくありません。
サバ缶の汁は、キッチンペーパーを何枚か使って汁をすべて吸い取ります。キッチンペーパーの代わりに新聞紙を使っても構いません。
しっかりと拭き取ったキッチンペーパーはビニール袋に入れて、臭いがもれないように口を縛ってから捨てましょう。
サバ缶はきちんと洗剤で洗おう
汁の処理が終わったら、缶を洗浄しましょう。缶の内側も脂はべっとりついているので、水で流しただけでは落ちません。また手を切る恐れがあるのでスポンジでそのまま洗うこともおすすめできません。
サバ缶の空き缶を洗うときはまず、台所用の中性洗剤とぬるま湯かやや熱めのお湯を入れて、蓋をしてシャカシャカと振りましょう。
これだけでだいぶ脂が取れるので、水で洗い流してからビニール袋に入れます。完全に臭いを取ることはできませんが、ビニールの口をしっかりと縛ればあまり気にならないレベルにまで臭いを抑えられます。
シンクの臭い消しには重曹が効果的
生臭い臭いがついてしまったシンクは中性洗剤では臭いが取れません。そんなときに役に立つのが重曹です。
重曹は酢やレモン汁と同じく酸性の物質なので、アルカリ性のトリメチルアミンを中和して生臭さを消してくれます。
重曹はスーパーやドラッグストア、100円ショップで安く買えるもので十分です。粉のままシンクにパラパラとふりかけるか、水に溶かしてスプレーをしてしばらく放置します。あとは水で軽く洗い流せば臭いが取れます。
ゴミ箱の臭い消しにも活用できる
重曹はゴミ箱の臭い消しにも効果があります。サバ缶を洗ってビニール袋に入れても臭いが気になる場合は、ゴミ袋やゴミ箱に重曹をふりかけておきましょう。
トリメチルアミンは熱で揮発する物質ですが、シンクに直接熱湯をかけるのはNGです。湯気によよってキッチン中に臭いが広がってしまううえに、ステンレスや人工大理石のシンクや排水口を傷めてしまいます。
サバ缶の臭み消しは調理方法と後始末がポイント!
今回は、美容と健康に欠かせないサバ缶の栄養と臭い対策を紹介しました。
いくら健康によくても、臭いが苦手では食べ続けるのは難しいですよね。今回紹介した調理のポイントや後始末を参考に、サバ缶料理にチャレンジしてみましょう!