関東ではおでんの定番で当たり前のように入っている「ちくわぶ」。しかし関東以外ではマイナーなうえ、見た目がちくわに似ていることから魚の練り物の一種と思っている人もいるのではないでしょうか。

実はちくわぶは魚肉も卵も一切入っていない、ほぼ小麦粉100%の食べ物なんです。今回は、そんなちくわぶの栄養や美味しい食べ方、保存方法を紹介します!おでん以外にも色々な食べ方ができるので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

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ちくわぶってなに?

ちくわぶとは、練った小麦粉をちくわの形にして茹でたものです。

昔はちくわの代用品として使われていましたが、ちくわとは違ってちくわぶ自体の味はほとんどありません。“ちくわ型のすいとん”という人もいます。

生麩と作り方が似ているので、形の似ているちくわと合わせて「ちくわぶ(竹輪麩)」と呼ばれています。しかし、生麩ともまた食感が違う、独特の食感が特徴です。

詳しく知りたい方はこちら

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ちくわぶに含まれる栄養


ちくわぶは小麦粉が主原料なので、ちくわや他の練り物のようにタンパク質はそれほど多く入っていません。

また、微量栄養素であるミネラルやビタミンもそれほど多くはないので、ちくわぶばかりを食べていると栄養が偏ってしまう恐れがあります。

ちくわぶはご飯やうどん、パスタなどと同じように、炭水化物として野菜やお肉、お魚と一緒にバランスよく食べるといいでしょう。

そんなちくわぶにもそこそこ含まれている栄養素が、銅とパントテン酸です。

銅はミネラルの一種で、人の骨や血液、骨格筋などに含まれています。この銅は血液の重要な成分であるヘモグロビンを作る手助けをする役目があり、不足すると貧血になってしまいます。

その他にも、血液中の活性酸素を除去する酵素をサポートするなど、目立たないながらも健康にはなくてはならないミネラルです。

パントテン酸

パントテン酸はビタミンの一種です。銅と同じようにあまり目立ちませんが、身体に入った糖質、脂質、タンパク質の代謝をする酵素の働きを助ける役目があります。

他にも身体に必要不可欠なコレステロールやホルモンの合成を助けたり、免疫細胞をサポートする働きもあるなど美容や健康に欠かせません。

パントテン酸は水溶性のビタミンなので多く摂っても体外にでてしまいます。一度にたくさんではなく、毎日少しずつ摂取するのが大切です。

炭水化物・脂質・カロリーは?


ビタミンやミネラルはあまり多くありませんが、炭水化物や脂質、カロリーはどうでしょうか。

ちくわぶのカロリーは100gあたり、171kcalです。そのカロリーのほとんどは炭水化物によるもので、100gあたりの炭水化物量は31.1gです。製造時に植物油やバターなどの油脂が使われていないため、脂質はほとんど含まれていません。

脂質を控えるダイエットには向いていますが、糖質を控えるロカボダイエットなどをしている場合は気をつけたほうがいいでしょう。

また、ちくわぶはそれ単体で食べることはほとんどなく、濃いスープに浸したりタレに絡めて食べることが多い点も気をつけたいポイントです。

旨味と一緒に油分や糖分、塩分をそのまま吸ってしまいカロリーや塩分の摂りすぎにつながってしまう恐れがあるので、注意しましょう。

ちなみに、ご飯のカロリーは100gあたり168kcalなので、ほぼご飯と同じと言えます。ちくわぶをたくさん食べるときは、その分ご飯などの主食を少なめにするとバランスが取れますよ。

ちくわぶに含まれるアレルギー成分

ちくわぶはちくわと違って魚介類や卵、大豆たんぱくなどが使われていないため、それらのアレルギーがあっても安心して食べられます。

唯一気をつけたいのは小麦アレルギーです。日本での食物アレルギーの約8%程度が小麦によるものとされ、即時型や遅延型など色々なタイプのアレルギーを持つ方がいます。

ちくわぶは材料のほとんどすべてが小麦粉でできているため、小麦アレルギーの人は取扱いに十分注意する必要があります。

グルテンにも気をつけたい


また、一般的に言われる食物アレルギーとはやや異なりますが、小麦粉製品が苦手な「グルテン不耐症」というものがあり、やはり注意する必要があります。

グルテン不耐症とは、小麦や大麦に含まれるグルテンというタンパク質に反応して起こるアレルギーに似た症状で、「セリアック病」とも呼ばれます。

一般的なアレルギー症状のような重篤な症状ではないものの、グルテンを摂取するとお腹の調子が悪くなる、疲れやだるさがでてしまうなど、体調を崩してしまう人がいます。

これらは検査でもわかりづらく、潜在的にはかなり多くの人がこのグルテン不耐症であるとも言われています。

小麦アレルギーの人はもちろん、小麦・大麦製品を食べるとなんとなく調子が悪い気がする…という人は、残念ですがちくわぶも控えたほうがいいでしょう。

ちくわぶはどんな料理に使う?


ちくわぶはそのままでは食感がボソボソしているうえに味がほとんどしないので、単体で食べても美味しくありません。ちくわぶは料理することで美味しさを発揮する食材なんです。

最もスタンダードな食べ方はおでんですが、その他にもすき焼きや味噌鍋、豚汁など味の濃いスープに入れるとそのスープを吸ってもちもちとした食感と味が楽しめます。

練り物と違って味がないので料理の邪魔をせず、韓国風の鍋にトッポギのように使ったり、イタリアンのスープにニョッキの代わりに使うなど、和風以外の料理にもアレンジがしやすくおすすめです。

変わったところでは、白玉の代わりに甘めのシロップで煮たり、お湯でさっと煮てからきなことみつをかけてデザートとして楽しむこともできます。

煮る以外では焼く、揚げるなどの調理ではまた違った食感になるのもちくわぶの面白いところです。

油を少し塗ってオーブントースターなどで焼くと、外側はパリッと中がふんわりとした食感が、天ぷらのように揚げればパイやクロワッサンのように層ができて、サクサクっとした軽い食感が楽しめます。

おでん

ちくわぶの最もスタンダードな食べ方はおでんです。

東京や千葉などの関東の一部では必ず入れるという人が多いほど、「おでんにはちくわぶ」というイメージが強いです。

一方、関東から少し離れると一気に知名度が落ちるのもちくわぶの特徴です。特に西日本ではちくわぶ自体を知らないという人も珍しくないほど、マイナーな位置づけになっています。

ちくわぶをおでんに入れるときは、パックから出して適当な大きさに切ったらそのまま鍋に入れます。パックの臭いが気になるときは、軽く水で洗うかお湯にさっとくぐらせてから入れましょう。

20分ほど煮ればスープの味が染みて美味しく食べられます。あまり長時間煮込みすぎると煮崩れてしまうので、注意してくださいね。

おせち

関東の一部の地域では、お正月のおせちやお雑煮に使うこともあるようです。

おせちのお煮しめにちくわぶを入れれば、甘じょっぱい味を吸ってボリュームアップに役立ちますし、お雑煮に入れればお餅とはまた違った食感で、すいとんのように楽しめます。もちもちしていますがお餅のようには伸びないので、喉につまりにくい点も安心ですね。

ちくわぶは冷凍保存が可能!


色々な料理に使えるちくわぶですが、1パックが意外と大きいので開封後に余ってしまうこともありますよね。

また、なかなかちくわぶが手に入らない地方では多めに買い置きをしておきたいという場合もあるでしょう。

そんなときにおすすめなのが冷凍保存です。ちくわぶは冷凍しても味や食感がほとんど変わらないので、冷凍しておけばいつでも楽しめます。

冷凍の方法は未開封、開封後、調理後で変わってきます。

未開封・開封後

未開封の場合はそのまま冷凍庫に入れましょう。開封してしまった場合はラップでぴっちりと包み、ジッパー付きの保存袋などに入れ空気を抜いてから冷凍庫に入れます。

このとき、ちくわぶをカットしてから冷凍しても構いません。カットした冷凍ちくわぶは解凍をしなくてもそのまま鍋で調理ができるので便利ですよ。

調理後

煮物など調理したちくわぶも冷凍保存できます。他の具材と一緒に冷凍できますが、押さえておきたいポイントが2つあります。

まず料理の汁気が多い場合は、汁気を切った具材だけをジッパー付きの保存袋に入れて空気を抜いて冷凍をしましょう。このとき具材同士が重ならないように保存をすると、具材同士がくっつかないので使いやすくなります

汁は別に分けて冷凍し、解凍してから一緒に温めるようにします。

ふたつめのポイントは、冷凍に不向きな卵やじゃがいも、こんにゃくなどは取り除いておくことです。これらは冷凍してしまうと食感が変わり、おいしくありません。

ちくわぶを解凍するときは、冷蔵庫で自然解凍がおすすめです。カット済みの場合は、そのまま鍋やフライパンに入れましょう。冷凍してあるぶん、火が通るまで時間がかかるので、加熱時間は長めにしてください。

調理後のちくわぶは、自然解凍をしてから鍋で温めるか、電子レンジなどで温めればおいしく食べられます。

保存期間

ちくわぶは半真空パックで未開封の場合1ヶ月ほど保存できます。

開封後や煮物にした場合でも冷凍保存すれば1ヶ月は保存できます。ちくわぶを買いすぎてしまったり、料理を作りすぎてしまった場合は、冷凍保存をすると無駄なく食べられます。

冷蔵保存する方法


ちくわぶは未開封でも冷蔵保存が基本です。夏場はもちろん、冬場でも室内は暖かくなるので、冷蔵庫に入れて保存しましょう。

ちくわぶの冷蔵保存方法は、未開封ならそのまま冷蔵保存してください。

開封してしまったちくわぶは非常に傷みやすいので、ぴっちりとラップに包んで空気に触れないようにしてから冷蔵庫に入れるようにします。

また、煮物やおでんなど調理済みのちくわぶも保存できますが、水分や栄養を多く吸ってカビや雑菌が繁殖しやすいので要注意です。冷蔵庫に入れる前に粗熱をしっかりととって、密封できる容器やラップでしっかりと封をしてから保存しましょう。

保存期間

未開封のちくわぶは冷蔵保存で1ヶ月ほど保存が可能ですが、開封してしまった場合は1〜3日程度で使い切りましょう。夏場など、冷蔵庫の温度が上がりやすい季節は特に注意をするようにしてください。

また、調理済みのちくわぶを冷蔵保存した場合はとても傷みやすいので、翌日には食べ切るようにします。食べる前にしっかりと鍋や電子レンジで芯まで温め直すようにしてくださいね。

他の食材との組み合わせで上手にバランスをとろう

今回は、知る人ぞ知るローカルフード、ちくわぶの栄養と美味しい食べ方、そして保存方法を紹介しました。

もちもちとしてどんな味付けにも合うちくわぶは、炭水化物がメインなので肉や魚、野菜と組み合わせると栄養バランスもよくおすすめです。おでんはもちろん、色々なアレンジも試してみてくださいね。

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