シャキシャキとした食感とみずみずしい甘さを楽しめる「りんご」。スイーツやサラダ、離乳食など、幅広い料理で活用する果物です。

りんごは1年を通して手軽に購入することができ、日持ちもするため家にストックしておくにも便利ですよね。

そんなりんごをよりおいしく食べるには、りんごの特徴を見極め、上手に保存することが重要です。今回は、おいしいりんごの選び方と上手な保存方法についてご紹介します!

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リンゴの選び方

りんごは品種によって味や食感、見た目が異なりますが、おいしいりんごには概ね共通した特徴があります。それらを見極めるポイントについて、それぞれ詳しくみていきましょう。

色合い

赤いりんごはヘタの周りからおしりの方まで全体的に赤く色づき、鮮やかなものがいいとされています。

りんごは太陽の光を浴びることで赤く色づき、甘味が増して味も濃くなります。また、品種にもよりますが赤色がはっきりして濃いものほど、蜜が多くなります。赤色が鮮やかで全体的に濃いものを選んでください。

おしり

りんごのおしりはくぼみが深く、変形していないものがいいでしょう。おしりの色合いを確認するときに、形も一緒にチェックしてください。

ツル

ツルとはヘタの部分のことを指します。りんごのツルは太くて、ツルの根本が深くくぼんで変形していないものがいいでしょう。

ツルが太いほど木から実に栄養や水分が届きやすく、りんごがおいしくなるといわれています。

リンゴに蜜が入る理由

りんごを切ると、中に黄色い蜜が入っていることがあります。この蜜がたっぷり入っていると、りんごはより甘くておいしいですよね。これは、りんごに含まれるでんぷんが糖に変化するためです。

りんごの葉に光が当たると、でんぷんが生成され水に溶けやすい「ソルビトール」という物質に変化します。このソルビトールが酵素によって果糖やショ糖といった糖に変えられることで、りんごが甘くなるのです。

りんごの上手な保存方法


おいしいりんごの見分け方についてわかったところで、今度はりんごをおいしく長持ちさせるための保存方法についてみていきましょう。

常温保存する場合

りんごを保存するときのポイントは、「水分を逃さないこと」です。他の食材についてもいえることですが、水分が逃げると食感や味が損なわれておいしさが半減してしまいます。

りんごは乾燥に弱いため、保存する際はポリ袋などに入れましょう。このとき、りんごを新聞紙やキッチンペーパーなどに包むことで、温度と湿度の変化を調整する役割を果たしてくれます。

常温保存する場合は直射日光が当たらず風通しのいい場所においてください。夏場は気温が高すぎるため常温保存は避けましょう。

保存期間

常温保存する場合は2週間~1ヶ月ほど目安です。

とはいえ、購入したときのりんごの鮮度や保存環境によっても差が生じるため、定期的にりんごの状態をチェックしながら、おいしいうちに召し上がってくださいね。

冷蔵庫で保存する場合

冷蔵庫で保存する場合も常温保存と同様に、新聞紙やキッチンペーパーなどでりんごを包み、ポリ袋などに入れて保存します。

このとき、ポリ袋の空気はなるべく抜いて口を閉じます。冷蔵室だと温度が低すぎるため、できれば野菜室に入れてください。

また、りんごは「エチレン」という植物ホルモンを放出しています。これは果物の熟成を早める効果があり、野菜や果物を追熟させたいときに役立つ成分です。

しかし、逆に野菜や果物の熟成を促進することで傷みやすくもなってしまいます。そのため、りんごはポリ袋などに入れて口を閉じ、基本的には他の食材とは分けて保存されることをおすすめします。

カットしたりんごの保存は?


カットしたりんごも冷蔵庫で保存します。切り口の変色を防ぎたい場合は食塩水やレモン汁を切り口にかけ、ラップでぴったりと包みます。

さらに、ポリ袋などに入れて口を閉じることで、りんごが酸化するのをより防ぐことができます。とはいえ、一度カットしてしまうと品質の低下が早まるため、なるべく早く食べ切るようにしてください。

保存期間

冷蔵保存した場合、約2ヶ月ほど保存ができますが、先ほども説明したように購入時のりんごの鮮度や保存環境によっても異なるため、定期的にチェックしてください。

また、カットしたりんごは長くても2~3日ほどが保存期間の目安となります。

冷凍保存する場合


りんごは冷蔵保存でも長持ちさせることができますが、冷凍保存も可能です。冷凍保存するメリットとしては、カットしたり調理した状態で長期保存ができるという点です。ただし、シャキシャキとした食感は損なわれます。

りんごを冷凍保存するときは、丸ごとでもカットしてからでもOKです。冷凍する場合はりんごを水でよく洗い、キッチンペーパーなどで水気をよく拭き取りましょう。ポリ袋やジッパー付きの保存袋などに入れて、空気を抜いてから口を閉じ冷凍庫に入れます。

カットしたものはりんごを洗って水気を拭き取り、好みの形・大きさにカットします。その後、カットしたりんごを小分けにして、平らに並べてラップにぴったりと包みます。さらに、ラップに包んだりんごを蓋付きの密閉容器やジッパー付きの保存袋などに入れてなるべく空気を抜いて口を閉じ、冷凍庫で保存します。

りんごの切り口が変色するのを防ぐために、ラップでぴったりと包んだり、なるべく空気を抜くことがポイントです。

調理してから冷凍する場合は、粗熱が取れてからラップに包み、蓋付きの密閉容器やジッパー付きの保存袋などに入れ、空気を抜いてから冷凍庫で保存してください。

保存期間

りんごを冷凍庫で保存した場合は、約1ヶ月が保存期間の目安となります。長期間保存しておくと、カットしたものは切り口から変色し始めます。なるべく早めに食べきるようにしてくださいね!

冷凍したりんごの上手な解凍方法


冷凍したりんごをおいしく食べるには、解凍方法にも気をつけましょう。

丸ごと冷凍したもの、調理してから冷凍したものについては、前日のうちに冷蔵室に移し、自然解凍してください。生のまま冷凍したものは水分が出やすいため、バットやお皿にのせて解凍するのがおすすめです。

カットして冷凍したものも同様に解凍できますが、半解凍した状態で食べるとシャリッとしていて、生のりんごとは異なるおいしさを味わえます。お子様のおやつなどにもおすすめです!

すりおろしたリンゴの保存方法

りんごはすりおろして離乳食やスイーツ、料理の隠し味などに使うことができて便利ですよね。

しかし、すりおろしたりんごは空気に触れる面積が大きいため酸化しやすく、冷蔵保存ではあっという間に変色して味も落ちてしまいます。そのため、すりおろしたりんごは冷凍保存がおすすめです。

りんごをよく洗って皮と種と取り除き、おろし金ですりおろします。変色を防止するためにレモン汁を2〜3滴混ぜておきましょう。

その後、ラップや製氷機などで小分けにし、蓋付きの密閉容器やジッパー付きの保存袋などに入れてから空気を抜いて冷凍庫で保存します。

このとき、アルミ製のバットにのせると急速に冷凍することができ、りんごの品質を保ちやすくなります。

金属製のおろし金は避けて!

りんごをすりおろすときに使用するおろし金は、プラスチック製のものがおすすめです。

金属製のものだと、プラスチック製のものに比べてりんごの酸化早めてしまい、変色したり風味が落ちやすくなるといわれています。

サイズ別で見るりんごのカロリー


りんごにも様々な品種があり、その大きさも様々です。そのため、りんご1個あたりのエネルギーや栄養素量も違ってきます。

また、りんごは「1日1個のりんごは医者を遠ざける」といわれるほど栄養豊富で健康に良い食材です。まずは、りんごの可食部100gあたりのエネルギーや栄養素量をみていきましょう。

可食部100gあたり 栄養素量
エネルギー(kcal) 57
たんぱく質(g) 0.1
脂質(g) 0.2
炭水化物(g) 15.5
カリウム(mg) 120
ビタミンB1(mg) 0.02
水溶性食物繊維(g) 0.4
不溶性食物繊維(g) 1.0
リンゴ酸(g) 0.5

参照:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

りんごは可食部100gあたり57kcal、タンパク質は0.1g、脂質は0.2gです。炭水化物は15.5gで、そのうちの1.4gが食物繊維で糖質は14.1gです。

りんご1個あたりの可食部の重さは、Sサイズで約170g、Mサイズで約250g、Lサイズで約350gが目安となります。

つまり、りんご1個あたりのエネルギーはSサイズで約97kcal、Mサイズで約142kcal、Lサイズで約200kcalです。

ちなみに、炊いたごはんお茶碗1杯(150g)が約250kcalです。りんごはシャキシャキとした食感もあって食べごたえがあり、満足感の高い食材といえそうです。

続いて、りんごに含まれる代表的な栄養素の働きと効果についてみていきましょう。

カリウム

カリウムは私たちの身体に欠かせないミネラルのひとつで、主に体内の水分の代謝に関わっています。

細胞内の余分な水分を排出させる働きがあるため、むくみの防止・解消や血圧上昇の抑制に役立ちます。また、筋肉の収縮にも関与しており、不足すると筋力低下に繋がる場合もあります。

ビタミンB1

ビタミンB1は糖質やアミノ酸の代謝に関与しています。不足すると、倦怠感や食欲不振を引き起こす可能性があります。

食物繊維

食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」があります。

水溶性食物繊維は水に溶ける性質があり、糖質や脂質の吸収を穏やかにして血糖値の急激な上昇や血中脂質の上昇を抑えてくれます。

不溶性食物繊維は保水性が高く、胃腸で水分を吸収して膨らみ、蠕動(ぜんどう)運動を促進してお通じを促します。

また、いずれも大腸内でビフィズス菌などの善玉菌を増やす作用があり、腸内環境を整える効果があります。

腸内環境が整うことで、ダイエット中に起こりがちな肌荒れなどのトラブルを予防・改善することに繋がります。

りんごには「ペクチン」という水溶性食物繊維が豊富に含まれており、こうした効果が期待できます。

リンゴ酸

リンゴ酸は有機酸のひとつで、りんごの酸味の元となっている成分です。「りんご」という名前がついていますが、りんご以外のフルーツにも広く含まれています。

リンゴ酸はエネルギー代謝に関わっており、ビタミンB1とともに疲労回復に役立ちます。また、抗菌作用があるといわれており、微生物の繁殖を防ぐ効果が期待できます。

リンゴ酸は酸味料やpH調整剤、乳化剤として、ワインや様々な食品に利用されています。

りんごポリフェノールにも注目!


先ほどご紹介した栄養素のほかにも、りんごにはポリフェノールが豊富に含まれています。

りんごに含まれるポリフェノールにはいくつか種類がありますが、それらをまとめて「りんごポリフェノール」と呼びます。

このリンゴポリフェノールの中でも、代表的なものについて働きと効果をみていきましょう。

アントシアニン

アントシアニンはポリフェノールの一種で、赤や青、紫色の色素成分です。強い抗酸化作用があり、動脈硬化や糖尿病、生活習慣病の予防、抗ガン作用、抗炎症作用、アンチエイジングなどに効果が期待できます。

さらに、アントシアニンは目の健康にも大きく関わっています。私たちが「もの」を見るとき、視神経細胞では「ロドプシン」という色素成分の合成・分解を繰り返しています。

目に入ってきた光の刺激を網膜で受け取り、ロドプシンによってこの刺激を脳へと伝達して「もの」を認識しています。アントシアニンは、このロドプシンの合成に関与しているのです。

このようにアントシアニンは視力の維持に効果が期待できることから、サプリメントなどとして広く利用されています。

ケルセチン

ケルセチンはポリフェノールの一種であるフラボノイドに分類される成分で、淡い黄色の色素成分です。りんごのほかにも、玉ねぎなどの野菜やハーブなどに含まれています。

ポリフェノールには抗酸化作用があることが知られていますが、ケルセチンはその中でも特に強い抗酸化作用を持っているといわれています。

血液をサラサラにするほか、悪玉コレステロール値の上昇抑制、動脈硬化や糖尿病、生活習慣病の予防、抗ガン作用、抗炎症作用、さらにはアンチエイジングにも効果が期待できます。

りんごのポリフェノールは、皮やその近くに多く含まれています。そのため、りんごを食べるときはよく洗って皮ごと食べるのがおすすめです。

ちなみに、りんごを切って時間が経つと変色するのも、ポリフェノールが原因です。

りんごを切ってポリフェノールが空気に触れると、ポリフェノールオキシダーゼという酵素が働きます。この酵素によってポリフェノールが酸化し、茶色く変色するのです。

これを防ぐためには、カットしたりんごを食塩水に浸けたり、切り口にレモン汁をかけておくと良いでしょう。

おいしいりんごを選んで、上手に保存しよう!

りんごは日持ちするため、日々の食事に取り入れたりおやつとして食べるのにもってこいのフルーツです。

保存方法によっては、保存期間やおいしさをキープできる期間に大きく差が出てきます。そのため、上手に保存することが大切です。賢く保存して毎日の食事に取り入れてくださいね!

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