夏が旬のオクラは7~9月が特においしく、栄養価も高くなります。ネバネバとした食感が特徴のオクラは夏バテ予防や免疫力アップの効果が期待できます。できれば食感や栄養を損なうことなくいただきたいですよね。

そこで今回は、購入する際に抑えておきたいおいしいオクラの選び方と、購入したあとにオクラのおいしさ・栄養を長く保つための保存方法について、詳しくご紹介します。

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オクラの種はコーヒーに使われていた


オクラの歴史は古く、2000年以上前からエジプトで栽培されていたといわれています。

今では食用として栽培されていますが、長い歴史の中では観賞用としても栽培されてきました。食用として流通しているオクラは切ると中から白くて丸い種が出てきます。

しかし、栽培するために乾燥させたオクラの中からは黒い種が出てくるのです。実は、この黒いオクラの種がコーヒー豆に似ており、古くはヨーロッパでコーヒーの代わりとして使われていたことがあります。

淹れ方はコーヒーと同じで、オクラの種を焙煎しミルなどで細かく挽いてドリップします。コーヒー豆と同様に、焙煎の度合いによって味わいも変化するそうです。

日本でも、第二次世界大戦以前から観賞用としてオクラが栽培されていました。コーヒー豆が貴重だった戦時中は、オクラの種で代用してコーヒーを淹れていたようです。

美味しいオクラの選び方


まず、新鮮でおいしいオクラの選び方についてです。新鮮なオクラを見分けるためのいくつかのポイントをご紹介します。

・鮮やかな緑色をしている
・ヘタの切り口がみずみずしい
・ガクがみずみずしく、角がはっきりしている
・表面の細かい毛が密集している
・触ると張りがあり、実の角がはっきりしている

これらポイントに当てはまるオクラは、新鮮でおいしいオクラであるといえるでしょう。また、大きく育ったオクラは一見よさそうにみえますが、成長しすぎると筋張ったり苦味が増したりすることがあります。そのため、5~6cm程度のやや小ぶりなオクラを選ぶのもおすすめです。

冷蔵、冷凍でのオクラの保存方法


次にオクラを購入したあと、自宅で保存をするときの方法についてです。オクラは冷蔵保存はもちろん、冷凍保存をすることもできます。また、生のままでも加熱してからでも保存することができます。それぞれの場合について、具体的な保存方法とポイントをみていきましょう。

冷蔵保存する場合

オクラは比較的傷みやすい野菜で、冷蔵保存をした場合、通常3~4日程度が目安とされています。そのため、なるべく早く使い切ることが理想です。そんなオクラでも、できるだけ長く新鮮さをキープするためのポイントが、次の2つです。

・新聞紙、ポリ袋などに包んで保存する
・冷蔵庫の野菜室で保存する

オクラはアフリカ原産の野菜で、乾燥と低温に弱いという特徴があります。そのため、乾燥から守るために新聞紙やキッチンペーパーで包み、ポリ袋などにいれることで対策しましょう。

ポリ袋の口をしっかり締めるすぎると密閉され、オクラ自身から発生する水分で蒸れてしまいます。過剰な水分も傷みの原因となるため、ポリ袋の口は軽く締める程度にしましょう。

また、低温下で保存すると低温障害を起こし、茶色く変色してしまうことがあります。冷蔵庫の冷蔵室は5℃以下の低温になる場合が多いため、それよりも温度がやや高い野菜室で保存してください。

オクラは粘り気にこそ嬉しい栄養が含まれています。詳しくは『ネバネバに効果アリ!?オクラの栄養や効果&おすすめの食べ方を解説』にてご紹介しているので合わせてチェックしてみてください!

冷凍保存する際は下処理を忘れずに

比較的足の早いオクラですが、冷凍保存することで長期間にわたって保存することができます。冷凍保存した場合、目安として1ヶ月ほどはもつとされています。オクラを購入してから数日中に使い切れない場合は、冷凍保存をしておきましょう。

その際、あらかじめオクラの下処理をしておくことが大切です。下処理をしておくことで、冷凍したオクラを料理に使うときに自然解凍、もしくは冷凍のまま加熱調理して食べることができます。生のオクラを冷凍する場合と、茹でたオクラを冷凍する場合にわけて、それぞれ冷凍保存の方法をみていきましょう。

生の状態で保存する場合


オクラの下処理の基本として、まずは「板ずり」をしましょう。板ずりをすることで、オクラの細かい毛がとれて食べたときの舌触りがよくなり、色も鮮やかにすることができます。板ずりの手順は以下のとおりです。

1.まな板の上にオクラを並べ、塩を全体にまぶす。
2.塩をオクラの表面に行き渡らせるように、オクラをコロコロと転がす。
3.オクラの細かい毛が取れたら、オクラを水でよく洗い流す。

板ずりをしたオクラを生の状態で保存する場合には、板ずりのあとに次のような手順を冷凍しましょう。

1.オクラを板ずりをしてよく洗ったら、水気をしっかりと拭き取る。
2.オクラのガクを切り落とす。
3.一度に使う量ごとにジッパー付きの保存袋などにいれ、なるべく空気を抜いて冷凍する。

ガクを切り落としたあと、必要があれば小口切りや斜めスライスなど、適当な大きさ・形に切ってから冷凍することも可能です。切ってから冷凍する場合は、保存袋にいれるときになるべく平らにならしてから冷凍するとよいでしょう。

また、冷凍した場合にも保存袋内やオクラに水分が多く残っていると、低温障害になる可能性があります。そのため、冷凍前によく水分を取り除き、保存袋の空気をできるだけ抜くことがポイントです。

生の状態で冷凍したオクラは、自然解凍でそのまま食べることができます。お浸しや和え物にするときは、冷蔵庫か常温において自然解凍してください。また、冷凍のまま加熱調理して、お味噌汁や炒めものにするのもおすすめです。

茹でてから保存する場合

次に、オクラを茹でてから冷凍保存する場合についてです。茹でてから保存する場合も、生のまま冷凍する場合と同様に、まずは下処理として「板ずり」をしてください。板ずりをしたあとの手順は、以下のようになります。

1.鍋でお湯を沸かし、沸騰したらオクラを入れて約10秒茹でる。
2.オクラをザルにあげ、冷ましてから水気をよく拭き取る。
3.一度に使う量ごとにジッパー付きの保存袋などにいれ、なるべく空気を抜いて冷凍する。

以上の3ステップで完了です。先程と同様に、茹でたあとに好みの大きさ・形にカットしてもOKです。

冷凍したオクラを解凍すると、冷凍せずに調理したときよりもやわらかくなるため、茹でる時間は10秒ほどにしてください。オクラを冷ます間にも、予熱で火が通ります。茹で時間10秒で一度試してみて、よりやわらかいほうが好みであれば、茹で時間を調整しましょう。

茹でてから冷凍したオクラは自然解凍でそのまま食べることができます。さらに、冷凍のまま加熱調理に使う場合にも、すでに加熱してあるため改めて加熱する時間は短めで構いません。

オクラは腐るとどうなる?


オクラはあまり日持ちのしない野菜です。そのため、冷蔵保存ではなるべく早めに使い切ることが大切です。

しかし、実際にどのくらいまで食べられるかは購入したオクラの状態によって異なります。オクラが腐ってしまった場合、次のような変化が現れます。

・表面だけでなく中身まで黒く変色している。
・断面ではなく表面にぬめりがある。
・異臭がする。

オクラには独特のぬめりがありますが、切っていないにも関わらずオクラの表面にぬめりがある場合は要注意です。

また、オクラは表面が黒く変色する場合があります。その多くは、栽培された環境や流通・保存中の低温障害によるものです。

変色がオクラの表面のみで、中身や種に異常がなければ食べても問題ありません。しかし、中身や種まで黒く変色している場合には、オクラが腐っている可能性が高いです。

オクラに異常を感じた場合は、無理に食べようとせず破棄するようにしてください。

オクラを活用して食卓を豊かに

オクラの選び方から保存方法についてご紹介しました。使う用途に合わせて保存することで、調理する際の時短にもつながります。先ほどご紹介した保存方法を参考に、オクラを上手に保存してみてくださいね。

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