薬味として使われることの多い「あさつき(浅葱)」。一見、万能ねぎや“わけぎ”とそっくりで、明確な違いを知らない方も多いのではないでしょうか?

そんなあさつきの味や旬の時期といった特徴をはじめ、新鮮なあさつきの選び方や美味しさを長持ちさせる適切な保存方法、また、あさつきの特徴を生かしたおすすめの食べ方についてご紹介します。

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あさつきの基礎知識


出典:楽天市場
万能ねぎやわけぎと見た目が似ているあさつきですが、他のネギ類とは違った特徴があります。あさつきの特徴について、詳しくみていきましょう。

あさつきとは?

そもそも「あさつき(浅葱)」とは、ヒガンバナ科ネギ属に分類される品種です。もともとは山菜として自生していたエゾネギという品種の変種であるといわれています。

現在の分類では、ネギも同じくヒガンバナ科ネギ属とされていますが、かつての分類ではネギはユリ科ネギ属とされていました。このことからも、あさつきとはまったくの別種であることがわかります。

ちなみに「あさつき(浅葱)」という名前は、「ネギよりも浅い緑色をしている」ということに由来しているといわれています。

見た目の特徴としては、他のネギ類とは葉の太さが違います。万能ねぎやわけぎと似ていますが、万能ねぎは葉の直径が5ミリ程度、わけぎが7~10ミリ程度であるのに対し、あさつきは2~3ミリ程度。食用のネギの中では、あさつきの葉が最も細いといわれています。

また、万能ねぎは根本がまっすぐですが、あさつきは根本がぷっくりと膨らんでいます。これは、万能ねぎはタネから栽培されるのに対し、あさつきは球根から栽培されることに由来しています。

味の特徴

あさつきの味の特徴としては、ネギとしての香りがよく、辛味が強いことが挙げられます。その香りのよさから、汁物や冷奴、麺類などの薬味としてよく用いられています。

主な産地

あさつきは、全国で約600トン生産されています。そのうち、35%を占める214トンが広島県で生産されており、次いで130トンの福島県、114トンの山形県となっています。

広島県などで栽培されているあさつきは細い青ネギ状のものですが、福島県や山形県で栽培されているあさつきは新芽のもので、タイプが異なっています。ネギ類全体の生産量からみると、あさつきの生産量はおよそ1%にとどまっており、流通量自体は少なくなっています。

収穫時期と旬はいつ?

あさつきは春と秋に旬を迎え、葉を伸ばします。また、あさつきのタイプによっても旬の時期、収穫可能な時期が異なります。

広島県などで栽培されている細い青ネギ状のものは、1年を通して栽培・流通され、3~4月と10月に旬を迎えます。それに対して、福島県などで栽培される新芽のものは、12月~3月にかけて栽培・流通し、1~3月が旬の時期となっています。

新鮮なあさつきの選び方


次に、新鮮なあさつきの選び方についてです。あさつきのタイプによって、見るべきポイントが異なります。

まず、青ネギ状のあさつきであれば、次のようなポイントに注目しましょう。
葉先までピンとハリがある。
緑色が鮮やかで濃い。

鮮度が落ちてくると、葉はしなびてハリがなくなり、色も緑色から黄色へと薄く変色していきます。緑色が濃く、ハリのあるあさつきは新鮮であるといえるでしょう。

新芽状のあさつきであれば、次のようなポイントがあります。
根本の断面が乾燥しきっていない。
根本の切り口から、あさつきの中心部が伸びてきていない。

あさつきは収穫後、時間が経つとともに根本の切り口から中心部が伸びてきます。新鮮なあさつきであれば断面がみずみずしく、中心部も伸びておらず平らな断面になっているでしょう。

あさつきを購入するときには、以上のようなポイントに注目して、選んでみてくださいね!

あさつきを冷蔵保存する方法


新鮮なあさつきを選んだら、おいしさを長持ちさせるために適切な方法で保存しましょう。まずは、あさつきを冷蔵保存する場合についてみていきましょう。

そのまま保存する場合

あさつきを切らずにそのまま保存する場合は、湿らせた新聞紙やキッチンペーパーなどで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。このとき、あさつきを寝かせずに立てて保存することがポイントです。こうすることで、あさつきにかかるストレスが軽減され、鮮度や栄養を維持しやすくなります。

保存期間

保存の目安は、3~5日程度となります。

カットして保存する場合

あさつきをカットして保存する場合は、フタ付きの密閉容器にキッチンペーパーを敷き、刻んだあさつきを入れて冷蔵保存しましょう。キッチンペーパーが余分な水気を吸い取り、あさつきを傷みにくくしてくれます。キッチンペーパーは、1~2日に一度交換してください。

保存期間

この場合も、3~5日を目安に食べきることをおすすめします。

冷凍保存する場合は刻んでから


次に、あさつきを冷凍保存する場合についてです。あさつきを冷蔵保存できる期間内に食べきれない場合には、冷凍保存をすることで1ヶ月ほど保存することができます。

また、冷凍保存をしておくことで、使いたいときに使いたい量だけ取り出せます。ただし、生のものと比較するとあさつきの香りや風味は落ちてしまうため、薬味としてよりも、汁物や炒めものなど、加熱する料理に使用することがおすすめです。

あさつきは刻んでから冷凍

あさつきを冷凍保存するときは、あらかじめ刻んで冷凍します。あさつきを切る前に水で洗い、キッチンペーパーなどでしっかりと水気を拭き取っておきましょう。こうすることで、冷凍したときにあさつきが塊になって凍ってしまったり、低温障害を起こして変色したりすることを防ぐことができます。

刻んだあさつきを使いやすい量に小分けしてラップに包み、ジッパー付きの保存袋やフタ付きの密閉容器に入れ、冷凍庫で保存しましょう。冷凍庫に入れるときには、あさつきをなるべく平らにならしておくとよいでしょう。冷凍されるまでの時間が短くて済み、品質を維持しやすくなります。

使用するときには、事前の解凍は必要なく、冷凍された状態のまま料理に使うことができます。

保存期間

約1ヶ月

あさつきのおすすめの食べ方


新鮮で美味しいあさつきを手に入れたら、あさつきのよさを生かした美味しい料理にして食べたいですよね。美味しいあさつきのおすすめの食べ方をご紹介します。

刻んで薬味に!

ひとつは、あさつきを薬味として食べることです。あさつきの食べ方の王道ともいえる方法です。あさつきはネギとしての香りや辛味が強く、薬味として料理を引き立ててくれます。

刻んで冷奴や麺類、煮物、汁物の薬味にしたり、さっとゆでて和え物に加えても美味しくいただけます。また、卵焼きに混ぜると彩りにもなり、大根おろしとの相性もグッとよくなります。

新芽は和え物や天ぷらに

新芽状のあさつきは、茎が太く食べごたえもあります。そのため、薬味としてよりも、あさつきそのものを味わう食べ方がおすすめです。あさつきは加熱することで辛味が減って甘味が引き出されます。

そのため、さっとゆでてゴマ和えや酢味噌和えなどの和え物にしたり、揚げて天ぷらにすると、甘味が出て美味しくいただけます。また、お肉や好みの野菜と一緒に軽く炒めても、あさつきのシャキシャキ食感も楽しめるためおすすめです。

あさつきで食卓を彩ってみて!

あさつきはあまり馴染みのない野菜ですが、ネギに負けず劣らずたくさんの魅力があります。ネギと比べ辛味が強いので、ピリッとしたアクセントがほしいときにもおすすめですよ! あさつきを上手に取り入れて食卓を彩ってみてはいかがでしょうか。

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